幾世の鈴 あきない世傳 金と銀 特別巻(下) の商品レビュー
五鈴屋に関係する人の4つの短編集。 1.暖簾 6代目智蔵の忘形見貫太の自分で育ての親である心斎橋伊吹屋を自分の腕で再興する心意気に触れ、番頭の周助はかつて自分がいた桔梗屋の再興をしたいと決意する 2.菊日和 四代目の元妻で小間物屋菊栄を営む菊栄と五代目で五鈴屋を出奔し現在両替商...
五鈴屋に関係する人の4つの短編集。 1.暖簾 6代目智蔵の忘形見貫太の自分で育ての親である心斎橋伊吹屋を自分の腕で再興する心意気に触れ、番頭の周助はかつて自分がいた桔梗屋の再興をしたいと決意する 2.菊日和 四代目の元妻で小間物屋菊栄を営む菊栄と五代目で五鈴屋を出奔し現在両替商を営む惣ぼんの夫婦になるわけではなく、お互いに尊敬し合う不思議な関係の物語。 3.行合の空 幸の妹結は重追放と闕所の沙汰が下った音羽屋忠兵衛と共に播磨国で旅籠千種屋を営む。姉の憎悪が次第に解け姉の幸せを願う話 4.幾世の鈴 賢輔が10代目を継ぎ10年が経ち創業100年となった五鈴屋は次の100年に繋ぐべく、五鈴屋の決まり事を決めることとする。あきない世傳完結編。
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結がさらにダメな方向に進んで行こうとするのが読んでいてしんどがった。昔からのひがみや嫉妬は積み重ねて先の人生にも繋がっていくんだなあ、と。最終章は登場人物が多すぎて誰が何者かもうちんぷんかんぷんだった。
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ついにホントの最終巻。 気になるのはなんと言っても結がその後どうしていたのかということでしょう。いけずな私は、最終巻で結と幸が涙のうちに仲直りなんてことは望んでいませんでした。そんな結末をもしも迎えるのなら白々しくて冷めてまうがなと思っていたら、結が我が娘にできすぎた姉の姿を見るとは。 幸はいったい何度結婚して、相手の生死を問わないとしても何度別れるのだろうと最初の頃は唖然としていましたけれど、今となってはどの出会いと別れも必要だったと思えます。 『みをつくし料理帖』も『あきない世傳』も忘れ得ぬ話となりました。
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相手のことを慮れれば、自分の事でいっぱいだった時の浅ましさを知ることができる。しかし、推し量れる範囲が狭ければ、それ以外のものを疎んじるという呪いから解き放たれることはない。「空はひとつに繋がっている」この空を、ご縁を、どこまで広げられるかが、度量の広さといえるかもしれない。 た...
相手のことを慮れれば、自分の事でいっぱいだった時の浅ましさを知ることができる。しかし、推し量れる範囲が狭ければ、それ以外のものを疎んじるという呪いから解き放たれることはない。「空はひとつに繋がっている」この空を、ご縁を、どこまで広げられるかが、度量の広さといえるかもしれない。 ただし、自己犠牲ではない。「手ぇ貸せるときは貸して、借りるときは借りなはれ」なのである。先ずは自分の幸せを築く、あるいは幸せであることに気付くこと。満ち足りたならば足りぬものに差し出す。簡単なようだがなかなかできることではない。だからこそ『商い世傳』は商いの系譜を守るだけではなく、生きてゆく指針として心を打つのだろう。
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シリーズ完結。 裏話が読めてファンにはたまらんが、お梅、お竹などまだまだ書いてほしいサイドストーリーがたくさんあるのでやめないで! 個人的に伊勢旅行中に読んでたのでこれが五十鈴川かぁと感慨深かった。
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ついに完結。 なんといっても結夫婦の生活が落ち着いたことが何よりの救いだった。 長い間勇気と元気を与え続けてくれて本当にありがとう「幸」。
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本当の最終回ですね、と納得の終わり方。その後のストーリーが様々な視点で描かれる贅沢な「おまけ」の上下巻でした。8年間、ありがとうございました! 2024/6/23読了
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上巻から一気に読んでしまいました。 最後のところで、この物語の題名に戻ったから、始めからここまで作者は考えていたのかしら? どちらでもいいけれど、これが最後と思うと淋しいです。
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あきない正傅続編の下巻。 大阪にいる周助と江戸にいる菊栄と結とその後の幸と賢輔の話。 結のその後は1番知りたかったので、相変わらずだなあと ガッカリという思いからの、やっと気がついた!という思いへ。 菊栄と幸の縁もとても不思議なもので。(でも、この2人が出会えたことが嬉し...
あきない正傅続編の下巻。 大阪にいる周助と江戸にいる菊栄と結とその後の幸と賢輔の話。 結のその後は1番知りたかったので、相変わらずだなあと ガッカリという思いからの、やっと気がついた!という思いへ。 菊栄と幸の縁もとても不思議なもので。(でも、この2人が出会えたことが嬉しかったり)
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特別巻の上巻でも書いたが引っ張りすぎ。その後のわき役たちのオチどころを細かく書かれたんでしょうけどすべてが蛇足感が否めず、また都合よくみんなが長生き過ぎて興ざめる。結編に関しては落として落として最後は上げてとするんだけれどちょっと偽善過ぎて音羽のおっさんもかっこよすぎでしょ笑 ただ、最後の最後で”世傳"という単語がすべてを締めくくるのでこの巻なしでは語れないというジレンマ。結編で登場したお守りを幸の手に渡るところなんかは高田ワールドの巧さなので終わりよければすべてよしとするかなって感じでした。あえて言うなら、もっと熱の熱いうちに出してほしかったかかなぁ。
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