忘れられない日本人 民話を語る人たち の商品レビュー
石牟礼道子とはまた違うのだけれど、前近代の生活に根差した語りを、その土地の言葉で再現してみせる人の、筆力の高さに驚く。語りの再現では、方言の味が強く出つつも、それを知らぬ者でも容易に意味がとれる。また、地の文では、その内容と言葉遣いの端正さに畏敬の念すら覚える。
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わらべうたの中にこそ 日本人に歌い継がれてきた日本人独自の音楽のDNAがある、とおっしゃっておられるが、全く同じことを語り継がれてきた 「民話」にも当てはまるのだ、と感じました。 ここに語られる「民話」の尊さもむろんのことですが、その語り手の皆さまの素晴らしさは言うに及ばず、そ...
わらべうたの中にこそ 日本人に歌い継がれてきた日本人独自の音楽のDNAがある、とおっしゃっておられるが、全く同じことを語り継がれてきた 「民話」にも当てはまるのだ、と感じました。 ここに語られる「民話」の尊さもむろんのことですが、その語り手の皆さまの素晴らしさは言うに及ばず、その語り手に真摯に寄り添い、その宝物のような「お話」を聴き取られた小野和子さんのありようがまた素晴らしい。
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民話を語る人たちはみんな控えめで、謙虚。その小さい声を小野さんが気づいて、すくいとって、こうしてわたしたちの元へ届けてくださったのが本当にうれしい。 前作と同じくらい愛おしい本。わたしも自分のゴミを見つめて生きていこう。
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あとがきより 〈民話を語ってくださる方を求めて小さな旅を続けてきました。 五十年あまりになります〉 前作『あいたくて ききたくて 旅に出る』も手元に置いてある。 P142 〈まず気心知って親しくなってくださいよ〉 語り手である佐藤玲子さんのお宅を訪ねたとき 夫の金徳さんに言わ...
あとがきより 〈民話を語ってくださる方を求めて小さな旅を続けてきました。 五十年あまりになります〉 前作『あいたくて ききたくて 旅に出る』も手元に置いてある。 P142 〈まず気心知って親しくなってくださいよ〉 語り手である佐藤玲子さんのお宅を訪ねたとき 夫の金徳さんに言われた言葉。 語り手のみなさんと信頼を築き 民話を聴き、活字にして読者の元へ届けられた。 読み終えたいま、改めて民話の奥深さを知りたいと思う。
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※このレビューにはネタバレを含みます
忘れられない日本人 民話を語る人たち 小野和子著 出版社名 PUMPQUAKES 出版年月 2024年2月 ISBNコード 978-4-9911310-1-1 (4-9911310-1-4) 税込価格 3,520円 頁数・縦 319P 21cm 商品内容 要旨 著者に「民話」を託したそれぞれの語り手の、厳しくも豊かな生のおもしろさ。果てしない知性を宿した「忘れられない日本人」たちの、生きた姿を伝える。 目次 第1章 佐藤とよいさん―戸数十四戸の山奥の村に生きる 第2章 小松仁三郎さん―おらは義務教育には参加しません 第3章 楳原村男さん―ガダルカナル島へ行かず憲兵学校へまわされて 第4章 佐藤玲子さん―最愛の夫を失って甦った民話の語り 第5章 佐々木健さん―神子職を奪われた祖母が語った民話の数々 第6章 佐々木トモさん―友はみな貸されて(売られて)いった村に生きて 第7章 伊藤正子さん―母の語りに育まれて 第8章 永浦誠喜さん―生涯を農民として生き抜く 最終話にかえて 商人の妻 著者紹介 小野 和子 (オノ カズコ) 1934年岐阜県生まれ、1969年から、宮城県を中心に東北の村々へ民話を求めて訪ね歩く民話採訪、民話の編纂に従事する。その傍ら、児童文学作品の翻訳や児童書の執筆も手がける。1975年に「みやぎ民話の会」を設立し、2005年まで代表、現在は顧問を務める。1995年に「みやぎ児童文化おてんとさん賞」、2013年に「宮城県芸術選奨」受賞。著書『あいたくてききたくて旅にでる』(PUMPQUAKES’2019年)で、2020年に「第七回鉄犬ヘテロトピア文学賞」及び、二〇二〇年に「第十回梅棹忠夫・山と探検文学賞」受賞 以上e-honより引用 感想 NHKEテレで放映された「“ほんとう”を探して」を観て以来、小野和子さんの民話採訪活動に感動し、「あいたくてききたくて旅にでる」を読んだ。名も残さぬ人々の紡いでいった物語の何と豊かで力強いことか。今回は、民話そのものよりも民話を語る人の生活や生き様にフォーカスした作品。民話も素晴らしいのだけれど、語る人それぞれの経験や暮らしがその地域に根付いて暮らす人々の文化や歴史を映し出していて、民族的資料としても素晴らしいものだと感じる。世の中には日の目を浴びないまま朽ちていく歴史や文化、物語がたくさんあることに気づかされる。為政者の歴史より、市井の人々の歴史に興味がある私にとってはとても大切にしたい本の一つになった。最後に小野和子さんのお母様のことが書かれており、小野さんは早逝されたお母さまと話したくて民話採訪の旅に出られたのかなと思った。満足度★★★★★難を言えば本の価格が高いことくらいかな。
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