闇の中をどこまで高く の商品レビュー
タイトルと、作家の名前(日系人?)、アーシュラ・K・ル=グイン賞特別賞受賞、に興味を惹かれて図書室より借りて来ました。ル・グウィンの大ファンで敬愛しているのだけれど、『闇の左手』は読んでも良くわからなくてションボリしたことや、SF作品の巨星ともいうべき『星を継ぐもの』も理解しきれ...
タイトルと、作家の名前(日系人?)、アーシュラ・K・ル=グイン賞特別賞受賞、に興味を惹かれて図書室より借りて来ました。ル・グウィンの大ファンで敬愛しているのだけれど、『闇の左手』は読んでも良くわからなくてションボリしたことや、SF作品の巨星ともいうべき『星を継ぐもの』も理解しきれずついていけず読了しても良くわからずぼんやりしてしまい残念だったことを思い出しました。作家が日本に縁のある人で日本(新潟)に住んでおられたこともあるそうで登場人物が日本人だったり日系人だったり、日本が物語野舞台として出てきたりしてアラ、と思ったりしながらも、時間的にも空間的にも描かれているものごとが壮大過ぎて、私には全体像をうまくつかんで物語に没入することがむずかしかったです。無念。ストーリーは近未来の地球で古代の少女の遺体が温暖化によって表層に現れ、臓器を別の臓器に変化させてしまう(心臓が肺になってしまったりする)未知のウイルスが検出され、パンデミックになり特に子供が罹患してなすすべもなく死んでいってしまう、という悲惨な設定。少女の発見者であった研究者が最初の犠牲者になり、父親が弔いに訪れるというプロローグから始まり、本編に移行したら長編小説が始まると思い込んで読んでいたらそのあとも同じ世界観の中で別の物語が連作短編のように続いていく構成でした。題名のもとになったであろう、暗闇の中の共通無意識?のような一遍が印象的でした。自分の感性と読解力が及ばず、残念です。
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設定や話の進み方は面白かった。豚とか。 登場人物が全員、善人か自覚のない偽善者で、自分の気持ちばかり語り続けるので、途中で、あぁ〜残りも全員こうなのかなとうんざりして、しらけてしまった。 児童文学ならありの登場人物の善性だけど、その割に話は難しいし、チグハグかな。 なんというか、...
設定や話の進み方は面白かった。豚とか。 登場人物が全員、善人か自覚のない偽善者で、自分の気持ちばかり語り続けるので、途中で、あぁ〜残りも全員こうなのかなとうんざりして、しらけてしまった。 児童文学ならありの登場人物の善性だけど、その割に話は難しいし、チグハグかな。 なんというか、地に足がついてない大人がたくさん出てきて、人間にリアリティが全くなかった。
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結局いつかは命が尽きる。 それが定めでありだからこそ生きることにあれこれと迷い苦しみながらでも、いくつかの楽しい日々を胸に抱きながらその日まで生きていく。緩やかな死滅への曲線の中でそれを受容し努力し、果ては静かに…命を終わらせて逝く人達の姿が慕わしく美しかった。
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新聞書評欄で2度ほど目にして、興味を持って図書館に予約を入れて読んでみたもの。 ちょっと、のめり込めなかった(外国文学苦手?!)。 物語としては、先のコロナ禍パンデミックを想起させる、新たな致死のウィルスの蔓延、その中で描かれる、人間の様々な所業が、章ごとにぶつ切りに描かれる。 新聞書評によれば、各章(14章ある)の登場人物それぞれが、終章で関連性が解き明かされ、 「伏線が驚くべきべき形で回収されるから再読必須」 とのことだったので楽しみに読みはじめたが、読み通すほど、個々のエピソードに魅力が感じられず、最終章近辺を横目で見ながら読んでみたが、その「驚くべき形」が、あまりにも懸け離れている印象で、もちろんSF小説なので、どれだけ時空を飛躍しようとも、あり、なのだが、自分は、ついていけなかった。 安楽死を実行するテーマパーク、豚の臓器を移植する医学の発展、未来の葬儀の形、死者の記憶を持つロボドッグ etc., etc.,,,, うーん、どこか既視感のある、事象の羅列で、興味をそそられなかった。 ロボドッグの話なんかは、失った恋人の声を発するよう手術された愛犬との悲劇を、手塚治虫が「ブラックジャック」で語っていた話を思い出したりもした。 要は、使い古されたネタが多い気がした。
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あとがきを読むとCOVID19以前にほぼ完成していたとのことであるが、やはり(第五類移行現在である2024年であっても)コロナ禍時代を思い出し深く染み入る。 決して読みやすい作品ではないが大傑作「三体」にもつうじるSF的カタルシスもあり、好きな人には刺さると思う
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この本がコロナ前に書かれたと知り驚く。今を表しているような、この先を表しているような、SFのような現実のような。 静かで切ない。
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近未来を舞台にした連作短編集。シベリアの永久凍土でクララが見付けた3万年前の少女。その身体から未知のウィルスが世界に広がり、人々が次々と亡くなっていく。時代が進みながら登場人物が少しずつ他の物語に出てきます。 SFの世界でありながら、命の話や女性の生き方の話になっています。 病気...
近未来を舞台にした連作短編集。シベリアの永久凍土でクララが見付けた3万年前の少女。その身体から未知のウィルスが世界に広がり、人々が次々と亡くなっていく。時代が進みながら登場人物が少しずつ他の物語に出てきます。 SFの世界でありながら、命の話や女性の生き方の話になっています。 病気の子供のために、楽しみながら安楽死させてくれる遊園地。(こう書いていて恐ろしくなりますが、読んでいると否定できない) 亡くなった妻の声を吹き込んであるロボドッグの話。 知能を持ち始めた心臓移植用の豚の話。 亡くなった人たちが闇の中から高みを目指して救う命の話。 そして最後に意外なストーリーで、最初の話に繋がっていきます。 物語の世界に入りすぎると泣いていまいそうなので、気持ちをセーブしながら読みました。 なんだか疲れた。とっても疲れた。
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パンデミックでSFと聞いて興味をもって読んでみた。面白かった。解説でも言われていたが、登場人物がモザイク状に繋がっていて面白い。逆に、キャラが出てくるたびに、これは出てた?初出?とちょっと悩む。それくらいキャラが多くエピソードが多彩。 北極病という、内蔵が別の内蔵になる病気。怖すぎ。別の何かになるという変身モノでもある。最後まで読んで、やっぱお前(異星人)のせいか!となった。 パンデミックでSFではあるが、テーマとして家族の死別がある。いろいろな死別。いろいろなお別れの仕方。感情の後始末の話。泣いた。 「三万年前からの弔辞」 娘(クララ)を亡くした父親(クリフ)の話。孫娘はユミ、妻はミキ。よくわからないウィルスをネズミに注入するのは危険という教訓。 ここで、なんかはるか昔に異星人がいたんじゃないかなあという予感がする。 娘が考えていたことを知りたくて娘の仕事場(北極)にやってきていろいろ考える。 「笑いの街」 子供を安楽死させるテーマパークの従業員(スキップ)の話。母親(ドリー)とその息子(フィッチ)と親しくなる。 死を看取るというか、死に追いやるというか。そんな異常な中での子供への愛を感じられて面白かった。 「記憶の庭を通って」 ここの赤ん坊は後の話でも触れられる。スキップも出てくる。SFチックだが、スピリチュアルな部分が強い。 死者からの目線。 「豚息子」 フィッチの父親(デイヴィッド)の話。 豚(スノートリアス)は人を助ける。その献身さに泣いてしまう。フィッチに出来なかったことをスノートリアスにしてあげたのかなあと考えてしまう。 「エレジーホテル」 葬儀会社が経営するホテルで働く弟(デニス)の話。兄はブライアン・ヤマト。 死期が近い母親に会いたくない。父親にも会いにいかなかった。死んでからようやく会いにいく彼の気持ちが良い。やらなくちゃいけないとわかっていてもやれない人間の話。 「吠えろ、とってこい、愛してると言え」 母親(綾乃)を亡くした息子(明希)と父親の話。綾乃の歌や声が吹き込まれているロボット犬のハリウッド。 そのハリウッドがとうとう壊れそうになり、また母親を失うような気持ちになる。 いつまでも乗り越えられない。乗り越えられないまま終わるが日常は続く。 「腐敗の歌」 献体希望者のレアードとその姉(オーリー)と献体を扱うラボの職員(オーブリー)とその夫(タツ)の話。 夫婦仲がとっくに終わっていることの描写が良い。 避けようの無い別れ、死と結婚生活。 「事象の地平面のある暮らし」 ブライアンとその妻(テレサ)の話。 テレサは紫水晶のペンダントを持っている。クララだ。 SF全面すぎて、話としては普通。 もうすぐ死ぬかもしれない男の目線。どんな変化が起こるのかわからない不安。それでも日常は続く。記録も付けなければいけない。 「百年のギャラリー、千年の叫び」 クリフの妻のミキと孫娘のユミ、そしてドリー。宇宙船内のあちこちに絵を描くのが良い。星の描写も良い。どんどん時間がズレていく、進んでいく。 「パーティーふたたび」 再生の話。弁護士のダン・ポール。刺青を入れているメイベルにも触れられている。 「東京バーチャルカフェの憂鬱の夜」 ふらふらしている彰とVRカフェの店主(高橋)と佳子とその父親(小林誠司)の話。パンデミックを乗り越えても自殺をする人はいるし、父娘の和解は叶わない。だからこそ、明は生きているうちに母親に会いにいったのかなと思う。 この高橋はクララだと思う。 「きみが海に溶ける前に」 刺青を入れているメイベルと彼女の遺体を加工し海に溶かすサービスを請負う会社の社員の話。 燃やすのではなく、溶かすというのが面白い。そこそこ安全に形が失くなっていくのを眺められる。最後の最後まで一緒にいられる。世界の一部になるのを見届けられる。 「墓友」 田舎は最悪というのを描かれていて面白い。 両親と妹(珠美)と自分。 祖母の葬式によって実家に帰ってきて、改めてここが嫌だったというのを実感していく。それはどんな状況になっても変わらないというのがわかる。 「可能性スコープ」 クララもといクウェリの話。 同族との間でできた娘のヌリ、そして、地球人とできた娘(後にアニーと呼ばれる)。 最後に遠く離れた地で生きているヤマトの船長のメッセージ。 壮大な話ではあるものの、描かれるのは家族の話だった。
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北極から広がったパンデミック(北極病という内臓を他の内臓に変えてしまう病気)に立ち向かう人類を描いた小説。それぞれの局面で家族を亡くしたり後遺症を抱えたりした人々が、どうその家族や周囲の人間と関係を構築したり修復したりするかと言う内容だった。しかし設定がなかなか難しく…途中、地球...
北極から広がったパンデミック(北極病という内臓を他の内臓に変えてしまう病気)に立ち向かう人類を描いた小説。それぞれの局面で家族を亡くしたり後遺症を抱えたりした人々が、どうその家族や周囲の人間と関係を構築したり修復したりするかと言う内容だった。しかし設定がなかなか難しく…途中、地球を脱出して他の惑星に行くあたりからSFすぎて読み進めるのが大変だった。もっと闇の中を高く行ったあたりが解決の中心なのかと思ったけどその辺の説明が若干物足りなく終わった。
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https://www.nikkei.com/paper/article/?ng=DGKKZO80141260Z10C24A4MY6000
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