百年と一日 の商品レビュー
ただそこにそのひとが、そのひとたちがいて、その瞬間を過ごし、それは過ぎて行った、その場所が今もここにあり、おそらくこれからもある、といういとなみと時間のこと。とても静かでシンプルで、不思議な奥行きと読後感がありました。わたしには幸福な感触でした。
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読み進めるのに非常に力のいる作品。 起きていることは大きいのに、ひとつひとつが淡々としている。ただし表現が緻密なので休む暇が無い。とっても眠くなる。 テーマは変遷。良い時も悪い時も、それも誰にとっての良し悪しなのかもありつつ移り変わる空間を細かく描写している。 これは皮肉でも...
読み進めるのに非常に力のいる作品。 起きていることは大きいのに、ひとつひとつが淡々としている。ただし表現が緻密なので休む暇が無い。とっても眠くなる。 テーマは変遷。良い時も悪い時も、それも誰にとっての良し悪しなのかもありつつ移り変わる空間を細かく描写している。 これは皮肉でもなんでもなく、この本が面白いと思える人に会って話を聞いてみたいと思う。なかなかの感性だと思う。個人的にはこうした、毒にも薬にもならない作品を現時点では評価が出来ない。 わからぬ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
諸行無常がテーマのものを探していたらこちらをお勧めされた。 不思議な一冊。とりたててドラマチックなシーンはなく、淡々と事は起こり、動いていく。 終わるもの、形を変えて続いていくもの。 色々な人が話に出てくるけど、この本の主役は時間そのものだという印象。 そんな本を今まで読んだ事がなかったので、新鮮だった。
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過去現在未来をつなぐ短編集。 現在残っている建物、写真、書物などは、過去を生きた人の物語でもある。最近、現在もある場所に、過去生きたの人々の残像を描いた絵画を見たことがあって、それを小説化したような作品だと思った。 オチがしっかりめではない短編集なので、途中で諦めかけたけど読んで...
過去現在未来をつなぐ短編集。 現在残っている建物、写真、書物などは、過去を生きた人の物語でもある。最近、現在もある場所に、過去生きたの人々の残像を描いた絵画を見たことがあって、それを小説化したような作品だと思った。 オチがしっかりめではない短編集なので、途中で諦めかけたけど読んで良かった。
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名前も知らないどこかに住んでる人たちの暮らし 新幹線で車窓から致死量の住宅街見てるときの気持ち モディアノっぽい
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あの日あの時にあの場所で 大切に思っていた人と過ごした 何気ない日常があり ただすれ違っただけの人がいたことを 振り返ってみる
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誰もが大きな物語の主人公になろうと成功を求め必死に努力するけれど、所詮ひとは時の流れの中に儚く溶け消えてしまうような存在なのかもしれない。けれど、この作品の一つ一つのエピソードに出てくる名もなき登場人物のような、小さな物語の地味な端役だったとしても、誰かと出会い関わり合いそして別...
誰もが大きな物語の主人公になろうと成功を求め必死に努力するけれど、所詮ひとは時の流れの中に儚く溶け消えてしまうような存在なのかもしれない。けれど、この作品の一つ一つのエピソードに出てくる名もなき登場人物のような、小さな物語の地味な端役だったとしても、誰かと出会い関わり合いそして別れていくなかで、時の流れは確かに組み替えられ、新しい時の流れが作り出されている。時の流れは人を簡単に分解するけれど、他方で、人は時の流れを新たな方向へと導いている。人間と時間の奇妙な関係。時間が主役のこの不思議な物語は、自分のかけがえなさとか個性とかそういうものに執着する人生の虚しさを教えてくれると共に、小さくても豊かな人生がありうることを教えてくれる。素晴らしい作品。
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