中世ネコのくらし 装飾写本でたどる の商品レビュー
中世(5~16世紀)の写本の中にネコがいる。 描かれたその姿から、当時のネコに関する人々の 様々な考えや思いを解き明かしてゆく。 訳注、参考文献有り。 大英図書館の中世文書コレクションである写本に描かれたネコ。 写本の余白に描かれたイラスト“マージナリア”にも登場。 だが、それ...
中世(5~16世紀)の写本の中にネコがいる。 描かれたその姿から、当時のネコに関する人々の 様々な考えや思いを解き明かしてゆく。 訳注、参考文献有り。 大英図書館の中世文書コレクションである写本に描かれたネコ。 写本の余白に描かれたイラスト“マージナリア”にも登場。 だが、それらのネコについてはほんの少しだけで、 メインは当時のネコ雑学。ネコの名前、値段、修道院のネコ、 毛皮屋、儀式の生贄や虐待、食料難に薬用。行動等の描写。 動物寓話、ことわざや比喩、楽器(ネコとバイオリン)など。 ある意味不気味なネコの絵が多いのは、 悪魔や魔女との関係や魔力の言い伝えなどの影響かもしれない。 ネズミと一緒に描かれる絵は、当時のネズミ捕りのイメージ。 時折、ネコらしいフォルムや可愛い姿があるのは、 絵を描いた人がペットとして愛玩してたのかなと、 想像してしまう。そして、ネコの足跡のインクの染みがついた 本の画像は載せて欲しかったです。
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本文が短くあっさりした印象。 本文と挿絵が関係ないので、少しは関連ある方が良かった。最後の「猫の足跡」の写真が無くて残念。 中世だから仕方ないが、猫が全くかわいくなかった。 19世紀頃の画家ウェインの伝記に「ウェインの前には、猫をかわいいものとして描く画家はいなかった」と書いて...
本文が短くあっさりした印象。 本文と挿絵が関係ないので、少しは関連ある方が良かった。最後の「猫の足跡」の写真が無くて残念。 中世だから仕方ないが、猫が全くかわいくなかった。 19世紀頃の画家ウェインの伝記に「ウェインの前には、猫をかわいいものとして描く画家はいなかった」と書いてあったのを思い出した。
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面白かった! 中世の祈祷書などで描かれる猫たちはどこか不気味な一方で、ヘタウマな感じで愛らしい。そんな不思議な味わいのある絵画がたくさん載っていて、楽しい。 猫好きな人、中世絵画が好きな人は必見。
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猫好きにはたまらない。 動物に対する見方がそもそも現代とは違いすぎて、(例えば人間が魔術を使うのに黒猫を利用して、その猫を人間と共に処刑するなど。)そこから動物愛護の意識が現代のように生まれるまで、どのような意識の変化の歴史があったのか、知りたくなった。
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中世ヨーロッパの装飾写本に関する本は読んだことがあるが、ネコに注目した本は知っている限りでは初めてだ。 装飾写本に描かれているネコから当時のネコに対する人間の意識が見て取れる。 動物愛護なんてひとかけらもない時代だけに驚く絵もあるがそれも現実だ。 写本...
中世ヨーロッパの装飾写本に関する本は読んだことがあるが、ネコに注目した本は知っている限りでは初めてだ。 装飾写本に描かれているネコから当時のネコに対する人間の意識が見て取れる。 動物愛護なんてひとかけらもない時代だけに驚く絵もあるがそれも現実だ。 写本の余白に描かれたネコは、意味があったのかと思ったら意味はなかった。 神学書、典礼書、騎士物語において、内容と関係なく、ただ読者を楽しませ、喜ばせるために畫かれたものと説明している。 そんな理由で描いていたとは、昔の人も癒やしが欲しかったのかな。 中世のネコの名前はどうなっていたのか気になる。 個別の猫野名前は記録にほとんど残っていないが、古いアイルランドの法文書にいくつか記載があるとして紹介している。 「ニャーちゃん」「お手々ちゃん」「炎ちゃん」「イラクサの灰色ちゃん」など。 ネコに迫る危険として、毛皮屋、祝祭の儀式、市民による虐待、食糧難・いけにえを挙げている。 学生の悪ふざけはいつの時代もある。 最近、神戸大学の学生サークルが問題を起こして話題になった。 13世紀のパリ大学の学生たちの悪ふざけについて次のように記している。 学生たちはネコの前脚にサイコロを載せて投げさせました。もし、学生たちが振って出た目よりもネコ出した目の方が多ければ、ネコにエサをやります。しかし、ネコの出した目の方が少なかったら、かわいそうにネコは皮を剥がれ、その皮は売られてしまうのです。 こんな悪ふざけをよく思いつくなあと思った。 大事にされていたネコもいるが、今と比べてネコも生きていくのが大変だったなあと思った。
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