1,800円以上の注文で送料無料

ウルトラランナー の商品レビュー

3.3

3件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/20
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

フルマラソンを2時間50分で走る、市民アスリートとしてトップクラスの著者がウルトラトレイルにチャレンジし、最終的にUTMBを完走するところまで辿り着くルポルタージュだが、これほどの能力を持つランナーが2年掛かりという入念な準備期間を経て段階的に挑みながらも、心身ともに相当のダメージを負わねばゴールできないのだなやはり100マイルは…と、その常軌を逸した恐ろしさを改めて感じた。 ロードにベースを置く著者の感覚は山好きの私などからすればいささか不可解で、クリストファー・マクドゥーガルの「BORN TO RUN」に影響を受けベアフットランニングを実践していた、と書いている割に、結局はトレイルを走るよりロードの方が好みだ…というメンタリティは理解し難かったりもする。 著者がアナトミー・イン・モーションを体験した際の描写では、私が長年取り組んでいるピラティスのセッションで得られる感覚と通じるものが多々あったり、アフリカ人の性向が今一つウルトラにそぐわないのではないか、という見方に強く共感したり、あるいは”良性のマゾヒズム”という表現にまた、深く首肯したりと、個人的にフックとなるトピックスは色々あったが、総論として大風呂敷をきれいにまとめ上げているなあと思わされることは残念ながらなかった。 複数の錚々たるマウンテンランナーたちにインタヴューも敢行しているが、それも使い方がもったいないというか、強い印象を残す効果的な料理はなされていないように読んだ。 フェルランニングの根底に脈々と流れてきたであろう、極力装飾を排してミニマルに向かおうとする思想については、山に長時間身を置くことで、動物の一種として自然と徐々に同化し、個を失ってゆく人間のあるべき姿を簡潔に表しているように感じた。 「フォームは機能に従う、と彼は言った。身体のすべてのものが適切なタイミングで、適切な方法で機能していれば、どこにも故障がなく、すべてが連動し、構造的に健全であれば、美しいフォームで走れる。なぜなら、人間の身体はそういうふうにできているからだ。」 「本当にやりたいことをやらなきゃダメ、先送りにしてはいけない」 「本物の痛みではなかった。心が悪戯をしているのだ。負けてはいけない。」 「私がウルトラランニングを巡る旅で学んだのは、この狂気のようにも見えるスポーツをする理由を、正確に言葉にするのはほぼ不可能だということだ。本当の理由は、ランナーたちが口にする言葉を超えたところにある。」 「あったのは今、この瞬間だけだった。」

Posted byブクログ

2024/06/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

UTMB 出場完走を目指しながら、ランナーにインタビューしていく 何気ない刺激の少ない時間を過ごしていると刺激を求めてトレイルランニング大会に出たくなる 走っている途中は、きつくて辛く 時に痛みもありもう二度と走らないと考える 何とかゴールすると意外と大したことなかったと思う そして、次の日には出場する大会をネットで探してしまう 本当の楽しさを知ってしまうと中毒になってしまう!! アナトミー イン モーション 脳が動作を再学習することで、何らかの理由で十分に使われなくなっていた筋肉を再活性化できる 現在の瞬間を大切にすれば、あらゆる不幸や苦しみは消え、人生は喜びや安らぎと共に流れ始める →余計なことを考えず、目の前の瞬間に集中すべき   自分の強さに目を向けろ 無理強いせず、楽に走れる状態の中で楽しみながらあれこれと変化を試してみる どんなに優れたランナーでも、決してウルトラレースを簡単には走れない。それでも、その壮大でチャレンジングな特性と、自分の内側を深く掘りさげていくことを求められるとろこが、このスポーツを特別なものにしている 絶え間なく歩き続けることで、精神や自我、身体の全てが消耗していく。その時、何かがポンと弾けて、無となった空間を埋めるために、何かが沸き上がってくる 何かとは、人生の表面下に横たわっている、日常的な経験の限界を超えた広大な意識であり、宇宙との一体化 フィニッシュした瞬間は達成感が得られる。だがそれはレース途中の嵐の中で経験する 今、この瞬間を生きている という鮮明な感覚に比べると、ある意味で拍子抜けするようなクライマックス感とは相反するものでもある 本当の楽しさは、痛みの洞窟の奥深くで始まる

Posted byブクログ

2024/03/28

嵐が辛いのではない、私が嵐だ。はマラソン時の参考にしたい。クレイジーな様の例えとして、ウルトラマラソン界のユウキカワウチ、が使われていたのは日本人として誇らしい。

Posted byブクログ