飛ぶ男 の商品レビュー
本日1月22日は、安部公房のご命日 1924年3月7日が誕生日で 昨年は生誕100年 それを記念して刊行された“飛ぶ男” 亡くなったあと 愛用のワープロのフロッピーの中から発見された未完の絶筆 遺作未満ですよね 昨年安部公房展で安部公房の仕事部屋が再現されており、愛用ワープロ(...
本日1月22日は、安部公房のご命日 1924年3月7日が誕生日で 昨年は生誕100年 それを記念して刊行された“飛ぶ男” 亡くなったあと 愛用のワープロのフロッピーの中から発見された未完の絶筆 遺作未満ですよね 昨年安部公房展で安部公房の仕事部屋が再現されており、愛用ワープロ(初期の学習机ほど大きい) も展示されていたので、一度は読んでおこうと 「飛ぶ男」は、おそらくかなり長編にする予定だったのではと思う つまり、ここまででは私にはさっぱり何だかわからないのです その昔最後の作品と言われた「笑う月」と なんとなく重なる部分はあるようにも思う 安部公房って新し物好きで シンセサイザーも早い段階で使っていて ワープロで小説書き始めた一人 NECの「文豪」の開発に参加していたとか だから遺作も文豪のフロッピーなんて 安部公房は初期の小説の方が理解できるかな 記念読書、感想はあまりないです
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前情報なしで読んだのでここからどうなるんだろうというところで終わってしまい残念でした。その次の「さまざまな父」でエピソード0まで描いているので叶わないことですが最後まで読みたいと思いました。
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「飛ぶ男」 腹違いの弟であると主張する男が 夜空を飛んでやってくる しかし何者かに空気銃で撃ち落とされる 飛ぶ男はプレシャスな存在だから 誰もがこれを欲しがったり その存在に嫉妬したりするのだ それは例えば 有力な会員権などよりはるかに価値があって また入手困難なのかもしれない ...
「飛ぶ男」 腹違いの弟であると主張する男が 夜空を飛んでやってくる しかし何者かに空気銃で撃ち落とされる 飛ぶ男はプレシャスな存在だから 誰もがこれを欲しがったり その存在に嫉妬したりするのだ それは例えば 有力な会員権などよりはるかに価値があって また入手困難なのかもしれない 未完の絶筆である 初期作品「天使」や「題未定」のエッセンスを混ぜ合わせ 発展させようとしたものではないだろうか であれば おそらく続きは「白い蛾」の船長が予見したところに 近づくのだと思われる 「さまざまな父」 科学的に説明のつかないことはオカルトである ミステリ小説ではオカルトのインチキを論理によって暴く 一方、前衛小説においては オカルト的状況をあるがまま受けいれなくてはならない つまり前衛とは反近代であった 反近代にあっては大量死・大量生のなかに個人が埋没していく すなわち反近代とは、真に孤独死の時代なのである そして孤独の観念…妄想に論理は無用だった インチキを用いてでも 問答無用のロマンを実現しようとするところに 前衛の味がある しかし、孤独を恐れる人の弱さが それを遺産として …というより物語として継承することを望んだとき はたして世の中はどうなっていくのでしょうね
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これまで読んだどの本よりも再読必須だと思いました。 作者の思想や作品への融合などについて書かれた解説も読み応えがあり楽しめました! 読み終えてから表紙を見て、わー!となりました笑
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生誕100年ということで、久しぶりに安部公房を手に。 不条理な世界でありながら、細かい描写や高度な専門知識による記述によって、単なる空想ものとは一線を画す。 同時刻が複数人物によって書かれていることに、キュビスム的立体感が作品に与えられているように感じた。 未完というのが惜し...
生誕100年ということで、久しぶりに安部公房を手に。 不条理な世界でありながら、細かい描写や高度な専門知識による記述によって、単なる空想ものとは一線を画す。 同時刻が複数人物によって書かれていることに、キュビスム的立体感が作品に与えられているように感じた。 未完というのが惜しまれる。 福岡伸一さんの解説が良かった。
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未完の作品ということで結末は無いけれど、都会の不思議で独特な閉鎖的世界観にジリジリと引き込まれる感覚を味わえた。 写真が趣味のひきこもりである保根治、保根の弟を名乗り空気銃で狙撃される空飛ぶ男、保根の隣に住み弟を狙撃する発酵研究員の小文字並子。現実感の無い登場人物たちと不思議でと...
未完の作品ということで結末は無いけれど、都会の不思議で独特な閉鎖的世界観にジリジリと引き込まれる感覚を味わえた。 写真が趣味のひきこもりである保根治、保根の弟を名乗り空気銃で狙撃される空飛ぶ男、保根の隣に住み弟を狙撃する発酵研究員の小文字並子。現実感の無い登場人物たちと不思議でとりとめの無い会話に掻き乱される感覚がたまりない。 一行目から飛んでるってのがいい。
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安部公房未完の作品。 この作品をどんな風に仕上げようとしていたのか、結末がわからないのが何とも悔しい。
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【2024年169冊目】 飛ぶ男は3人の人間によって目撃された。トラウマを抱えた女性、暴力団員の男性、そして飛ぶ男が目的としていた男性――である。窓ガラスから飛び込んできた飛ぶ男は言った。「スプーン曲げができるんだ」と。 初の安部公房作品でした。あらすじをまとめようとしたら、と...
【2024年169冊目】 飛ぶ男は3人の人間によって目撃された。トラウマを抱えた女性、暴力団員の男性、そして飛ぶ男が目的としていた男性――である。窓ガラスから飛び込んできた飛ぶ男は言った。「スプーン曲げができるんだ」と。 初の安部公房作品でした。あらすじをまとめようとしたら、とっちらかってしまった感じですが、間違ってはいないというのが恐ろしいです。文章自体、難しいものではないのですが、内容が難しいと言えば難しい。じっくり噛むように読まないと理解できないかもしれない。 飛ぶ男のほか、「さまざまな父」も収録されていますが、二つの話が繋がっているのかどうかも不透明。ずっと不透明な物語、これが安部公房の魅力と言われたら、「そ、そうなのか」と思う感じ。確かにつまらないわけではない。 またほかの作品も読んでみようかなあと思いつつ、次作に何を選ぶかはなかなかの難題です。 と、ここまで書いた後に解説を読んでみました。流し読みですが。そうか、未完なのか。完成してても理解できるかはちょっと未知数ですが、次作として読むのなら「方舟さくら丸」が良いかもしれない。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
「飛ぶ男」未完と知らずに読み進めたので突然終わってびっくりした。続きめっちゃ気になるな... 突然空を飛びながら電話してきて弟です!って言ってくる男、そんな男を目撃して射撃して、好きになっちゃう女.. 「さまざまな父」飛ぶ男と繋がっているような話。飛ぶ男が飛べるようになる前の父との話。透明人間か飛べる薬か、自分だったらどっちがいいかな。 読んだ限り圧倒的に食べたものは見えちゃう透明人間の方が不便そうだったけど、姿がバッチリ見えるまま飛べるからこそ射撃されちゃったんだろうしなぁ..
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未完のため、何とも評価できないものの。 文章の持つ熱量や痺れみたいなものは、やはり常人ではなし得ないものなんじゃないか、という気がする。
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