独裁者の学校 の商品レビュー
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図書館本 児童文学作家として著名なケストナーによる戯曲。初版は1956年のドイツ 「独裁者である大統領の髪や髭は、決して最近の歴史上の人物を連想させてはならない」とわざわざ注意書きがある通り、モデルは無論「察し…」だが読んでいる間はあまり感じなかった。 世界は独裁者に事欠かない。残念ながら現代でもふさわしいモデルが何人もいるからだろうか。 タイトルの独裁者の学校とは影武者養成機関。実は独裁者本人はとっくに暗殺されており、真の権力者である大臣ら数人が大統領の死を隠し、替え玉達を使って国を支配している。そんな中、思わぬ政変が〜というあらすじ。 影武者・録音・ラジオ放送などを駆使すれば、あら不思議。死者は生者に、生者は死者に。 なんか現実でもあり得そうだ。 これはぜひとも舞台で見たいやつ…だがラストは(-_-) 戦中派の作家は甘くない。 最後のセリフ「なぜだ?」は私も言いたい。 なぜだ?
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ケストナーが戦後(1952)に書いた戯曲。独裁者がすでに亡くなり、影武者たちが交代交代で代役を務めるというブラックユーモアあふれる作品。 まず、独裁者が議会の推薦の元、終身職に就くってどこのロシアよ、と勘繰りたくなってしまうが、結局今も昔もやっていることは変わらないということ。...
ケストナーが戦後(1952)に書いた戯曲。独裁者がすでに亡くなり、影武者たちが交代交代で代役を務めるというブラックユーモアあふれる作品。 まず、独裁者が議会の推薦の元、終身職に就くってどこのロシアよ、と勘繰りたくなってしまうが、結局今も昔もやっていることは変わらないということ。またその演説も最近ロシアでよく聞いたなぁという保護の名のもとの侵略正当化と何でもかんでも外国のスパイに仕立てるというこれも最近よく耳にするフレーズ。 その後状況は二転三転するが、結局あまり変わらないのが世の常という落ちもまた現実でもよくある話。同じことを繰り返して人間飽きないのか。 独裁者やって飽きたら交代する/交代させられるシステムという小話があったが、変革しているつもりのマンネリを人は尊ぶということか。
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