さびしさについて の商品レビュー
良かったんだけど、往復書簡にする意義があったのだろうか…。 植本さんの文章だけで読みたかった気がします。
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ハッとさせられるところはありつつも、基本的には2人の作品をよく読まれる方向けなのかなと思った。この本が初めての人間にとっては、どこか蚊帳の外のような気分になってしまう点がいくつかあり、手放しでおもしろいとは思えなかった、、、
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ひとに向けた書き物だと植本さんの書き方がなんだか違って新鮮! 滝口さんと植本さん、かなり考え方に差はありそうだが、気が合うというのが興味深い。 子どもにどこまで自分のことを話すか、どこまで子供のことを聞くか、など、考え方がまちまちで面白かった。 私は親がわけもなく機嫌悪いと感じて...
ひとに向けた書き物だと植本さんの書き方がなんだか違って新鮮! 滝口さんと植本さん、かなり考え方に差はありそうだが、気が合うというのが興味深い。 子どもにどこまで自分のことを話すか、どこまで子供のことを聞くか、など、考え方がまちまちで面白かった。 私は親がわけもなく機嫌悪いと感じて嫌だった記憶があるため、「仕事で疲れすぎて、今日は話聞けないかもごめん」など伝えたい派だなあと。 ただ、子供の個性によってもどっちがいいかって違うし難しいなと改めて思う。 また、女の子を育てる親だからこその悩みとして夜道を歩かせることが怖いと例に挙げられていたと思うが、男の子なら逆に加害しないように教える必要もあるし、 親としてどちらが心配かというと、どちらも心配だなあと。男女どちらも育て始めた自分としては思う。
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「一子ウォッチャー」としてこの本を手に取ったのだけれど、滝口さんのこともかなり好きになってしまった。「文章という方法は絶対に事後的なものでしかない」とか、「"誰かがなにかを思い出すこと"が小説の動源」とか、目から鱗が落ちることがたくさん。 子どもを通して生まれ...
「一子ウォッチャー」としてこの本を手に取ったのだけれど、滝口さんのこともかなり好きになってしまった。「文章という方法は絶対に事後的なものでしかない」とか、「"誰かがなにかを思い出すこと"が小説の動源」とか、目から鱗が落ちることがたくさん。 子どもを通して生まれる発見や葛藤、「書く」こと、誰かといること、ひとりでいること。適切な表現じゃないかもしれないが、これが人間としての「真っ当」さだと思った。こんなにたくさんのことを感じて、考えて、人間は大変だ。でもだから人間にはまだ希望があると思う。
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《さびしさについて一子さんが書いていたことを、ここ数日持ち歩くように考えていました。》(P72) 滝口さんの書簡の一文。本書の中でも格別好きなフレーズ。 この一文が表しているように、相手から手紙を受け取り、向こう側の考察、時には直接的な質問を数週間頭の中で転がして文字に認め、...
《さびしさについて一子さんが書いていたことを、ここ数日持ち歩くように考えていました。》(P72) 滝口さんの書簡の一文。本書の中でも格別好きなフレーズ。 この一文が表しているように、相手から手紙を受け取り、向こう側の考察、時には直接的な質問を数週間頭の中で転がして文字に認め、返事を送る。公開を念頭に置いた往復書簡ではあるものの、文章のベクトルは明らかに送り手一方向に向けられたもので、そして文章の背後には数週間にわたる書き手の時間の堆積があって、そうした言葉のやり取りってとても贅沢なものだなと羨ましく感じました。瞬時にSNSコメントやLINEテキストができる現代、なかなかできない言葉・思いの使い方です。 おふたりが書かれているように、書簡は小説やエッセイと違って「なぜそれを書くのか」「どう書くのか」がかっちり決まっていない文章。だからおふたりの考察が伸びやかで、着地点なく続いていく様がまさに“書き抜く”という表現そのものので、こうした柔らかな生の文章に触れることができるのは贅沢だな、ともう一度思います。ZINEを文庫にしてくださりありがとう。 そして、自分も誰かに長い手紙を書きたくなった。そんな一冊。
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全体の話をする滝口さんと、個人的な話をする一子さんの往復書簡。 相手からの手紙に返信するような形式めいた内容ではなく、お互いに交差する点がある様で、ない様な返事の書きた方がとても良かった。 個人的な悩みや苦しみは社会に繋がるものであると思うし、小さな点が全体を作っているものだから...
全体の話をする滝口さんと、個人的な話をする一子さんの往復書簡。 相手からの手紙に返信するような形式めいた内容ではなく、お互いに交差する点がある様で、ない様な返事の書きた方がとても良かった。 個人的な悩みや苦しみは社会に繋がるものであると思うし、小さな点が全体を作っているものだから。
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読みながら植本一子さんが「家族最後の日」の著者の方かな?と思い調べたら、そうでした。 気にはなっていたけど、レビューなどを読みながらヘビーな内容そうだなと思って手にとらなかったのですが、こんな形で植本一子さんの作品と出会うことになるとは驚きました。 滝口悠生さんも初めての作家さん...
読みながら植本一子さんが「家族最後の日」の著者の方かな?と思い調べたら、そうでした。 気にはなっていたけど、レビューなどを読みながらヘビーな内容そうだなと思って手にとらなかったのですが、こんな形で植本一子さんの作品と出会うことになるとは驚きました。 滝口悠生さんも初めての作家さんでした。タイトルと帯に書かれていたことだけに惹かれて手に取りました。 植本さんから滝口さんへの「離ればなれになる道」でのお礼の連絡がないことからあんなことこんなこと悪い方に考えてしまうところや、植本さんが娘さんと出かける時になってどうしても嫌で泣き出してしまったところ、滝口さんから植本さんへの「子どもの性別」のところで娘さんの性別に「女」のところに勝手にマルをつけることへの心理的抵抗に共感しました。 私も同じように考えてしまったり、似たような経験があるなぁと思いました。 コロナ禍でのやり取りもあって、もうそんなに月日が経ったのかと時の流れの早さにも驚いてしまいました。
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とても良い本だった。2人とも文章が上手な方だが明確に「上手い」のジャンルが違くて例えるならアシタカとサンのような、サンは森で、私はタタラ場で暮らそうじゃないけど、異なった2人がお互いを思いやりながら返事と信頼を一層重ねていく様子が素晴らしい。本当に仲良しなんだな。
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挨拶や相手への気遣いが手紙らしく読むたび心が柔らぐ。約3年間2人が交わした言葉は飾り気がなく、素直で、すっと自分に溶け込んでくるのを感じた。そして、滝口さんの娘の成長が垣間見えるたび目頭が熱くなった。
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家族の話は著者の思いに馳せつつ自分の育児にオーバーラップして共感してしまう箇所が多くさらさら読めてしまった。 孤独、苦しみについては逆に共感してしまうが故に読んでいいて少し辛くなってしまう部分もありつつ、epiphanyの様にネガとポジが反転しか瞬間には希望を感じて泣いた。 「ひ...
家族の話は著者の思いに馳せつつ自分の育児にオーバーラップして共感してしまう箇所が多くさらさら読めてしまった。 孤独、苦しみについては逆に共感してしまうが故に読んでいいて少し辛くなってしまう部分もありつつ、epiphanyの様にネガとポジが反転しか瞬間には希望を感じて泣いた。 「ひとりは、わるいものじゃないですね」との言葉は筆者自身のための言葉ではあるが、本になった時点で皆のための言葉になったと思う。
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