本は眺めたり触ったりが楽しい の商品レビュー
本が好きといっても、好きな理由は人それぞれだ。物理的な本の重みが心地よい。電子書籍で十分。結末を確認してから読む。あらすじすら見ずにともかくサラの状態から読む。どれも正解で、好きに楽しめばいい。本棚に並んでいるのが好きでも十分に好きな理由だ。本への堅苦しさやハードルをさげてくる「...
本が好きといっても、好きな理由は人それぞれだ。物理的な本の重みが心地よい。電子書籍で十分。結末を確認してから読む。あらすじすら見ずにともかくサラの状態から読む。どれも正解で、好きに楽しめばいい。本棚に並んでいるのが好きでも十分に好きな理由だ。本への堅苦しさやハードルをさげてくる「本は眺めたり触ったりが楽しい」。タイトルがいい。そうそうそうなのよ。と。共感する。「本は、知らぬ間に、居つく。」この一文が特にぐっときた。知らぬ間に。そう。理由はあるはずなのに、目を離した隙に居つく感じが確かにある。
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タイトルに惹かれて初めての著者作品。 イラストのすべてに本が描かれていて、とてもすてき。 本好きが語る、気取らない、本との思い出話みたいな感じで、こちらもすてき。 文体も読みやすい。
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タイトルに惹かれて。 元の連載は90年代前半とだいぶ前だし、登場する作品も作家もほとんど知らなかったのに、すっと入ってくる文章ばかりでニヤニヤしちゃう。本好きの素朴なエッセイ。 本は適当に好きなように読めばいいようです。
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新しい読書エッセイかと思ったら、だいぶ昔のものが改変されたものだった。 だから、登場する本もわからないものばかりだったが、読書あるあるの部分はいつの時代も変わらないのだと思った。 昔の洋書がたくさん紹介?登場するので、それが好きな人にはたまらないと思う。
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本であとがきから読む人がいるのは知っていたが、この本はそれ以上に自由な読み方で溢れていた 私は挿絵があると読むストレスが減る。ストレスは別に悪いことじゃない ストレスも突拍子もない読み方は他にもいっぱいある。小気味な文章で知る。ストレスが無ければ本はもっと手に取りやすくなる
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著者の読書遍歴を追いかけるエッセイ。 自分が好む分野とは ほとんど重なっていないのに でも読んでいて楽しいのは きっと本や読書に対する愛があるから。
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本に関するエッセイ。 題名からは「本を読まない」本かな、と思ってたけど、筆者は相当本を読んでいる。その中で、最初から最後まで内容をきっちり覚えて…みたいな読書じゃなくてもいいよと言われてるようで、リラックスしながら気持ちよく読めた。
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本について語ったエッセイなんて、読んだら楽しいに決まってる。 著者とは読み方も接し方も考え方も異なる部分が多々あり、そんな風に感じるのか!という驚きがあった。 作中に登場する本好きさん達のエピソードもまた興味深くて、自分が持っていない感覚に触れられてとても面白かった。 『本が好き...
本について語ったエッセイなんて、読んだら楽しいに決まってる。 著者とは読み方も接し方も考え方も異なる部分が多々あり、そんな風に感じるのか!という驚きがあった。 作中に登場する本好きさん達のエピソードもまた興味深くて、自分が持っていない感覚に触れられてとても面白かった。 『本が好き』という気持ちは同じでも選ぶ本や関わり方は千差万別、というところに奥深さを感じる。 自身は好きなものにはずっと触れていたい人間なので、このタイトルには共感しかなかったです。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
軽快で読みやすい文体、かつ印象に残るエピソードばかりな読後感です。つまりは面白い。 どこがよかったか?例えば、寺山修司は、アンドレ・ジッドにかなり影響を受けていて、あの「書を捨てよ、町へ出よう」を 書いたこと、例えば、ドイツの作家たちは朗読会で食いつないでいること、例えば、ウンベルト・エーコのいう読書の心髄とは思索の助けになること、といった感じである。 こういう風にただ読書をするだけでなく、「面白かった。特に~の部分が・・・」と書いたり人に話したりすることで、読書はぐっと深まるんですよ、というアドバイスも書いてあったので、さっそく実践してみました(笑) でもまあ結局、本はどう読んでもいいんです。読まなくてもいいと。それこそ、眺めたり触ったりのことについても書かれていて、とても面白かったです。
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仕事を始めてしばらく本を読めていなかった。学生時代あれだけ読んでいたのに、すっかり社会の荒波に揉まれて本を手にすることはなかった。 忙しさ、というのは本当は言い訳なのかもしれない。しばらく本を読んでいないと、私はなぜか本に対して申し訳なくなった。読みたいじゃなくて、読まないとな...
仕事を始めてしばらく本を読めていなかった。学生時代あれだけ読んでいたのに、すっかり社会の荒波に揉まれて本を手にすることはなかった。 忙しさ、というのは本当は言い訳なのかもしれない。しばらく本を読んでいないと、私はなぜか本に対して申し訳なくなった。読みたいじゃなくて、読まないとなあ、と考えてしまう癖があった。学生時代はその癖で本当に様々な本と巡り合うことができた。この癖は私にとって本への愛情表現なのだが、読まないとなあ、と思ってしまうのはなんだか、会社から帰ってきて自由な時間ができたとき本を手に取るのを阻んでいるような気もした。 そんなときこの本と出会った。出会い方は覚えていないけど、なんだかこの本は読みたいなと強く惹かれた。そして、衝撃を受けた。いや、正直にいうと目新しいことを書いているわけではない。でも、私が色んな本を読んでいたときに感じていた本への愛情が著者の面白おかしい言葉で紡がれていた。その言葉が懐かしさと同時に、そうか本を読むことだけが本を読むということではないのかと思い出させてくれた。 私にとって本を読むというのは、著書にもあるように、精神世界への門でしかなかったのだ。文字を目で追って、そこに書かれている文から意味を理解し、知識を得たり豊かな情緒を感じたりすることだけが本を読むということだといつのまにか勘違いしていた。違う。私は、本に書かれている文を読み、その文から自分の精神世界に浸るため読んでいたのだった。そう思い出すことができた。 本は本であること自体に意味があって、本は読まれるためだけに存在しているわけではない。色んな楽しみ方があって当たり前であり、読まないとなあ、と思う必要もないのだ。 この本のおかげで、私が感じていた負い目は少しだけ軽くなって、本が好きだと思い出させてくれた。
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