エステルハージ博士の事件簿 の商品レビュー
20世紀初年の架空の国を舞台としたという背景はとても惹かれたのですが、なかなかに難しいお話でした。 途中で、最後の解説を読んだり、ネットの書評をチラ見したもののどうも追いつかなかった。加えて、著者のファンたちには高評価のようで・・・ とはいえ、最後まで挫折せずにすんなりと読了...
20世紀初年の架空の国を舞台としたという背景はとても惹かれたのですが、なかなかに難しいお話でした。 途中で、最後の解説を読んだり、ネットの書評をチラ見したもののどうも追いつかなかった。加えて、著者のファンたちには高評価のようで・・・ とはいえ、最後まで挫折せずにすんなりと読了!?してしまったが、何かが引っかかっているような・・・ 時間を置いてもう一度読んでみるかぁ
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ほんのりスチームパンクみのあるレトロな世界観が好み。 作中で読まれてるジョージ=アルフレッド・ヘンティの本は未邦訳…? チーズの比喩からキリスト悪魔教まで行くのがすごい。わけがわからないよ(笑。 事件簿とあるけどスッキリ解決しない事の方が多いです。 ミステリ成分も若干ある幻想小説...
ほんのりスチームパンクみのあるレトロな世界観が好み。 作中で読まれてるジョージ=アルフレッド・ヘンティの本は未邦訳…? チーズの比喩からキリスト悪魔教まで行くのがすごい。わけがわからないよ(笑。 事件簿とあるけどスッキリ解決しない事の方が多いです。 ミステリ成分も若干ある幻想小説。 雰囲気に浸って読む系かなぁ。
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時は20世紀初頭、東欧のとある架空の帝国。博覧強記の医学、法学他"何でも博士"のエステルハージが遭遇する奇妙で不可思議な事件や騒動の数々と、その顛末を描いた連作短編集。1976年の世界幻想文学大賞(短篇集・アンソロジー部門)受賞。 ……と内容を強引に要約して...
時は20世紀初頭、東欧のとある架空の帝国。博覧強記の医学、法学他"何でも博士"のエステルハージが遭遇する奇妙で不可思議な事件や騒動の数々と、その顛末を描いた連作短編集。1976年の世界幻想文学大賞(短篇集・アンソロジー部門)受賞。 ……と内容を強引に要約してみたり、あるいはタイトルの"事件簿"、帯書きの"博覧強記の名探偵"という文言に、一見超自然的、非合理的に思える事件を、エステルハージ博士がゴーストハンターよろしく知識や知力を駆使して謎の解明と合理的解決を導き出す快刀乱麻の活躍……なんてものをつい予想してしまうが、さにあらず。 博士がいろいろと動いてる内に事態の方で収束してしまったり、最終的に"何もしない"ことを博士が選択するなんて話が続く。後半では解決に導く探偵役を全うする話もあるのだが。 現在の東欧に存在したという設定のスキタイ=パンノニア=トランスバルカニア三重帝国という架空の帝国が主な舞台となっており、20世紀初めという時代設定にありながらオカルトや疑似科学、妖精や錬金術といったものが存在し、登場人物らも自然に受け容れているという、スチームパンク的な要素も帯びたSFとファンタジーがミックスされたような世界観のように自分には感じられた。 ペダントリ―に彩られ様々な視点や場面が目まぐるしく入れ替わる表現は入り込むまでがややこしいが、読み進めるうちに著者はキャラクターよりもこの世界自体を描きたかったのではないか、そうして愉しみながら書いていったのではないかとも思えてくる。ちなみに某所にて「この作品は事件簿というよりも博士の日記と思えばいいのでは」というコメントを聞いて(あ、なるほど)と何か腑に落ちた。 連作短編集ではありつつも―解説でも言及されている通り―巻頭から順に読むことが望ましく、またどれか1編を取り出してアンソロジーに収録しても意味がない(強いて言うなら最初の「眠れる童女 ポリー・チャームズ」くらいか)という点で、この1冊丸々で一つの作品と考えるべき、だろう。 1970年代にアメリカ人の著者が、20世紀初頭の東欧に架空の帝国を造り、それを舞台に書いた物語というのも改めて興味深い。
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