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乱歩殺人事件-「悪霊」ふたたび の商品レビュー

3.6

16件のお客様レビュー

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2024/09/08

そもそも乱歩の悪霊を読んでいないので、本当の意味でコチラを楽しめたかは分かりませんが、未読であっても話の流れは分かりますし、レトロな雰囲気に浸れます。 言い回しなどは乱歩風に時代掛っているので、そこが読みにくく感じる方はいるかもしれません。 乱歩ファンの方、古典的なミステリーが好...

そもそも乱歩の悪霊を読んでいないので、本当の意味でコチラを楽しめたかは分かりませんが、未読であっても話の流れは分かりますし、レトロな雰囲気に浸れます。 言い回しなどは乱歩風に時代掛っているので、そこが読みにくく感じる方はいるかもしれません。 乱歩ファンの方、古典的なミステリーが好きな方にオススメ

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2024/07/31

 恥ずかしながら江戸川乱歩に未完の作品があるとは知らなかった。その未完の作品を乱歩作品らしいおどろおどろしさや人間の業を加えて「完結」させた意欲的な一冊。  最後は一気に読んでしまったが、終盤少し駆け足気味で、人物の掘り下げがもう少しあってほしかったし、少々わかりにくいところもあ...

 恥ずかしながら江戸川乱歩に未完の作品があるとは知らなかった。その未完の作品を乱歩作品らしいおどろおどろしさや人間の業を加えて「完結」させた意欲的な一冊。  最後は一気に読んでしまったが、終盤少し駆け足気味で、人物の掘り下げがもう少しあってほしかったし、少々わかりにくいところもある。でも「これしかない。」という解決を示したことは素晴らしい。

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2024/06/06

過去に途中で終わってしまった「悪霊」を再構築しながら、事件の解決を導くと言うミステリー。私は乱歩作品をあまり読んでないから、悪霊も知らなかったが充分楽しめた。

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2024/05/21

江戸川乱歩の未完の作品を謎の解明も行いつつ補完した書籍。江戸川乱歩が好きな方なら、現代にそぐわない身体描写やどろどろした作風も受け入れられるかなと思う。私も小学生のころ乱歩作品を読んでいたので、久しぶりに体験する雰囲気だなと面白く読んだ。

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2024/05/02

乱歩が未完のまま残した作品を引継ぎ、登場人物たちの関係を明らかにし、事件の謎(密室、全裸遺体、複数の傷とバラバラな方向への流血、犯人、動機)を説得力を持って解き、さらには物語を膨らませて乱歩が未完のまま残した理由まで提示するという、ほとんど不可能な課題に挑戦し、それぞれ矛盾がない...

乱歩が未完のまま残した作品を引継ぎ、登場人物たちの関係を明らかにし、事件の謎(密室、全裸遺体、複数の傷とバラバラな方向への流血、犯人、動機)を説得力を持って解き、さらには物語を膨らませて乱歩が未完のまま残した理由まで提示するという、ほとんど不可能な課題に挑戦し、それぞれ矛盾がないばかりか、1冊の作品としても十二分に成立する品質で成し遂げた、労作にして痛快作。 文中の一人称の使い方に唸る。 本書の困難さは作者のあとがきに凝縮されている。

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2024/04/21

中絶作「悪霊」を引き継ぎ、完成させられた作品。のみならず、何故「悪霊」の続きが執筆されることがなかったのか、という謎まで解かれてしまいます。 「悪霊」は噂を聞いただけで、読んだことがなかったのですが。うわー、これはたしかに続き読みたい! いかにもな要素がいっぱいで、ぐいぐい引き込...

中絶作「悪霊」を引き継ぎ、完成させられた作品。のみならず、何故「悪霊」の続きが執筆されることがなかったのか、という謎まで解かれてしまいます。 「悪霊」は噂を聞いただけで、読んだことがなかったのですが。うわー、これはたしかに続き読みたい! いかにもな要素がいっぱいで、ぐいぐい引き込まれてしまいます。なのでここで初めて読んでよかった……でなければとっても不完全燃焼でした。芦辺さんの書かれた解決編、これですっきり納得できましたし。 そしてさらなる謎、何故「悪霊」が未完のまま終わったのかという部分についても、ミステリとして見事な着地です。こういうことが現実にあったとしたらちょっと楽しいかも、と思ってしまいました。

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2024/04/08

江戸川乱歩の未完の作品『悪霊』を芦辺拓が引き継いで“事件を解決”した一冊。公開済みの文章から謎や伏線を掬い上げる試みはこれまでにも乱歩ファンや研究家によって行われてきたが、本書が出色なのは「なぜ乱歩は一度始めた連載を中止したのか?」の真相にも新解釈を与えている点。しかもこれが多少...

江戸川乱歩の未完の作品『悪霊』を芦辺拓が引き継いで“事件を解決”した一冊。公開済みの文章から謎や伏線を掬い上げる試みはこれまでにも乱歩ファンや研究家によって行われてきたが、本書が出色なのは「なぜ乱歩は一度始めた連載を中止したのか?」の真相にも新解釈を与えている点。しかもこれが多少ぶっ飛んではいるものの(いや、ぶっ飛んでいるからこそ)乱歩作品へのリスペクトを感じさせるのがニクい。もちろんミステリーである以上は乱歩が執筆した前半部分との論理的破綻は避けなければならず、いわゆる「俺が考えた最強の乱歩風味の小説」では読者を納得させられない。先行研究を前に「これならあっちの説の方が面白いよ」と酷評されるリスクとプレッシャーを乗り越えて一冊の探偵小説を完成させた著者の手腕と情熱には敬服。ある意味で本書のクライマックスはあとがき。

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2024/04/05

江戸川乱歩のもとに小説の材料として売り込まれた記録から話は始まる。資産家の美しき姉崎未亡人が密室の土蔵で全裸で殺されていた。現場に残されたメモに書かれた奇怪な記号。事件前に目撃された矢絣の女。死を予言した黒川博士の盲目の養女。邸前の空き地にいるいざりの乞食。未亡人を取り巻く心霊...

江戸川乱歩のもとに小説の材料として売り込まれた記録から話は始まる。資産家の美しき姉崎未亡人が密室の土蔵で全裸で殺されていた。現場に残されたメモに書かれた奇怪な記号。事件前に目撃された矢絣の女。死を予言した黒川博士の盲目の養女。邸前の空き地にいるいざりの乞食。未亡人を取り巻く心霊学会の仲間たち。心霊学会が降霊術を行うと、盲目の養女に降りた霊が「犯人はこの中にいる」「次の犠牲者はこの中にいる美しい人」と言う。 雑誌「新青年」に連載された乱歩の「悪霊」はもともとここまでで中絶するのだが、芦辺拓はこのあとを切れ目なく繋げて真犯人を提示、さらには乱歩が中絶した理由まで説明してしまうのだ。どこが切れ目なのか正直見分けがつかないくらい、耽美的で猟奇的でグロい乱歩の世界観を見事に再現している。乱歩本人ではなく乱歩ファンの芦辺拓が乱歩の世界を書くんだからそのツボは見事にファンの心を押さえている。200ページほどなので一気に読んでしまった。

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2024/04/03

江戸川乱歩の書き下ろした「悪霊」が、ルビ付きで旧かなづかいのないおかげで、とても読みやすくすぐに入り込めた まるでからくり箱のように、ここか?ここを開けるのか?そうなのか!と、ただ書きつなげただけかと思っていたのに、こんなふうに入り組んで二転三転して、これは書いている人(芦辺拓)...

江戸川乱歩の書き下ろした「悪霊」が、ルビ付きで旧かなづかいのないおかげで、とても読みやすくすぐに入り込めた まるでからくり箱のように、ここか?ここを開けるのか?そうなのか!と、ただ書きつなげただけかと思っていたのに、こんなふうに入り組んで二転三転して、これは書いている人(芦辺拓)も楽しかったろうなぁ あとがき込みで終了する本です

Posted byブクログ

2024/04/02

謎解きに興味のない私は乱歩への関心に本書を手にとった 中断した作品に作者が登場する。書き手のトリック、子どものトリックは名作にある だか、猟奇・欠損する人体・土蔵・覗き・変装・鏡・少年...と乱歩ワールドが展開する

Posted byブクログ