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穴持たずども の商品レビュー

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2024/12/29

書くこと、読むことで何らかを意識させたいならあるいは成功しているのかもしれない。 ただ、自分が求める小説の面白さとはかけ離れていたので、そういう世界もあるのかなぁ程度の感想に終わってしまった。

Posted byブクログ

2024/11/29
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※このレビューにはネタバレを含みます

帯に『ドストエフスキーの衣鉢を継ぐ』みたいに書いてあったけど、ドストエフスキーとはまた全然違った難解さがある話だった。 むしろこれにでてくる登場人物たちのことドストエフスキーは嫌いそうだなぁ…とか思ったりした。 いわゆる『普通』の登場人物がいない。 性のことも多く絡んでいて生々しさがある狂気と不条理。 自分のニキビや潰瘍だけを食べている少年、性行為は大好きなのに子どもができることは許せず妻が妊娠すると男性器で胎児を突き殺そうとする男、キリスト教信者だったのにある日突然屍鶏になってしまった男、男性器を自ら切り取った男…などなどいろんなヤバい登場人物だらけすぎて終盤には「これが普通なのかも…」とか思ってしまいそうになった。 殺人鬼であるフョードルがその中ならまだ理解しやすい方だった。 本作で描かれるのは『人間の意識が社会という存在の地獄圏の限界の先にある永遠へ突破しようとする様である』と解説に書いてあってなるほどなと思った。 パドフ、リョーミンら知識人たちは分類としては『形而上派』で、知的なタイプではないニキーチチやペーチェニカなどは『狂人』であると。 どちらもヤバいという点では同じだけど、明確な差があるようには思う。 解説でマムレーエフが言っていたことがとても頷けた。 『いかなる方法によってこの社会で安定を得ることができるでしょうか?第一にそれは、精神生活全般への絶対的な無関心と、俗物的な生活への完全な没入のもとで得られるでしょう。それは無神論ですらなく、精神生活、さらには死や不死に対する単なる無関心なのです。それは大衆的性格を持つことがありますが、無論、ある種の安定を保証してはくれます』 『死や不死を忘れ、死ねば一巻の終わりで、そうすれば楽になると考えるようになる。垂直の意識や神とのつながりは奪われる。こうしたすべてが破壊されると、意識の範囲は縮小し、人間はある種の蠅のように、あるいはそういった何かのように、何の悲哀も覚えることなく自らの状態を扱うようになるでしょう。』

Posted byブクログ

2024/08/22
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

発想がそうくるかとすごい。 2パターンの人でなりたっているらしい。 ロシアではペレストロイカ以降にやっと出版。 産まれてくる子供をつらぬきつぎつぎと葬ったり、自分の肉体をたべる自己カニバリズム、自己の死体と交わる願望をいだいたり、己の極部をなくしたり。嫌われることをよしとするひとがでてきたり。 これまで思いもよらなかった人々がでてくる。 一読では理解不能。ただまた読む気力もない。 読書会の課題本になってたので読了。しかし当日になってしまい読めるかわからなかったから申し込みそこねてる。感想はたいして言えないけど訳者がくるから行きたいきもする。 チェベングールよりでてくる人々は個性的でインパクトがあった。 知らないことや想像もできないことだらけ。こういうのを未知の読書体験というのかもしれない。 人には話しにくいことばかり。文学だものね。 読むのに時間がかかりました。

Posted byブクログ

2024/06/10

読売新聞の書評で読んだからか、なぜだか理由は不明ですが図書館に予約してあったらしく、到着したので読みました。 いやー、苦労しました。出てくるのは狂人というか常軌を逸した人ばかり。それどころか小説で起こる出来事も不条理なことばかり。登場人物が狂人なのか、著書マムレーエフがおかしいの...

読売新聞の書評で読んだからか、なぜだか理由は不明ですが図書館に予約してあったらしく、到着したので読みました。 いやー、苦労しました。出てくるのは狂人というか常軌を逸した人ばかり。それどころか小説で起こる出来事も不条理なことばかり。登場人物が狂人なのか、著書マムレーエフがおかしいのか、それともそのおかしな本を読み続ける自分がおかしいのか、読んでいて意識が紙面から離れてしまうのを何とか踏みとどまり、1週間ほどで読み終えました。読んだからと言って十分理解できたとは決して思えません。この作品は著書著者マムレーエフの実体験をもとに書かれたようなのですが、社会主義革命が成ってロシア宗教と断絶され、同時に東西の哲学や思想が流入してきた当時のロシアの知識人の奮闘と狼狽がないまぜになり、さりとて生活は貧しく、かといって生活を改善する見込みがないインテリゲンチャたちの阿鼻叫喚のような小説でした。  小説中に見られる形而上学的なレトリックが秀逸でした。

Posted byブクログ