きらん風月 の商品レビュー
直木賞受賞後の第1作。「木挽町のあだ討ち」が大傑作だったので期待して拝読。前作を超える傑作とまでは言わないが、時代小説を牽引する作家の一人になった印象をもった。恥ずかしながら栗杖亭鬼卵は知らなかったが、禁欲政治を断行した松平定信との老いてからの邂逅談という設定も面白く、歴史好きに...
直木賞受賞後の第1作。「木挽町のあだ討ち」が大傑作だったので期待して拝読。前作を超える傑作とまでは言わないが、時代小説を牽引する作家の一人になった印象をもった。恥ずかしながら栗杖亭鬼卵は知らなかったが、禁欲政治を断行した松平定信との老いてからの邂逅談という設定も面白く、歴史好きにはたまらなく興味深い一冊。今後も大注目の作家さんの一人。
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小さな煙草屋『きらん屋』で、栗杖亭鬼卵の来し方に耳を貸すことになった松平定信。政や裏金、専横な君主…庶民を窮屈にする世は相も変わらず。セリフに風刺を盛り込む技は秀逸。胸がすく。木端や夜燕、秋成に応挙、シャベッテルとダマッテル…温かくて明朗闊達な人々に魅了された。
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タイトルの「きらん」=栗杖亭鬼卵のことだったのか。勝手にキラッと光るイメージの言葉かと思っていた。恥ずかしい…。 実在の方だとは全く知らず。他に登場する松平定信、滝沢馬琴、円山応挙らと実際に繫がりがあったという逸話もあるそうでビックリした。 自由でフットワークの軽い鬼卵の人生は、...
タイトルの「きらん」=栗杖亭鬼卵のことだったのか。勝手にキラッと光るイメージの言葉かと思っていた。恥ずかしい…。 実在の方だとは全く知らず。他に登場する松平定信、滝沢馬琴、円山応挙らと実際に繫がりがあったという逸話もあるそうでビックリした。 自由でフットワークの軽い鬼卵の人生は、現代にも通じる部分があって面白い。 晩年の「死ぬまでの暇つぶしみたいな生き方はしなさんな」の言葉は、すっと心に入ってきた。 いくつになっても、人生楽しまないとね。
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質素倹約を強いた松平定信が引退した後。栗杖亭鬼卵と知り合う。不要不急の文化に勤しんできた鬼卵の半生を聞かせてもらうと。 面白かった。上田秋成や円山応挙など実在の人物多数登場。鬼卵の名前も初めて見たけれど、実在の人物だそう。江戸時代の改革VS文化、読んだことのない小説
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これはまた、粋な話。面白き事を求めて生きるとは。それを求めて生きるには、相当の覚悟がいる気もするし、やってみるとそうでも無いのかもしれぬ。全てをそうは、出来ないが、それを少しでも、求めてみるか。
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初読みの作家さん。 新聞連載で読んだのでこちらに登録。 鬼卵が自分の半生を通して見た幕府や世の中を定信に対して諧謔を交えて語り、それに対して定信をが怒りそうになるけど1理も2理もあるので頷かざるを得ない展開が妙に居心地の良さを与えてくれて楽しく読めた。 どの時代も同じだと思うけど...
初読みの作家さん。 新聞連載で読んだのでこちらに登録。 鬼卵が自分の半生を通して見た幕府や世の中を定信に対して諧謔を交えて語り、それに対して定信をが怒りそうになるけど1理も2理もあるので頷かざるを得ない展開が妙に居心地の良さを与えてくれて楽しく読めた。 どの時代も同じだと思うけど1つの視点だけでなく2つ3つと違う視点で見ることを忘れない方がより良い選択ができるのかなと思う。
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