きらん風月 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
掛川日坂で晩年を過ごした鬼卵を題材にした話 隠居した元老中松平定信との会話を機に物語が展開される 直木賞作家らしい筆の運びや構成は流石だが、題材が面白くないんだな。永井氏っぽいテーマではあるけど…
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とても面白かった。 舞台は江戸時代なんだけど ジャーナリズムのあり方、 クリエイターの生き方、 ジェンダー、 老いへの向き合い方など 今に通じるテーマが 自然に盛り込まれていました。 登場人物も皆、魅力的。
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最初、とっつきにくくて、 読み通せるかなと不安になったけど、 中盤からどんどん進めた。 「木挽町のあだ討ち」よりは落ち着いて読めたかも。 終盤の松平定信との接点、最初と同様に すこーし、無理っぽいかな。 夜燕と一緒だった頃の栗杖亭鬼卵を あまりひねらずに書いてほしいかったかな。...
最初、とっつきにくくて、 読み通せるかなと不安になったけど、 中盤からどんどん進めた。 「木挽町のあだ討ち」よりは落ち着いて読めたかも。 終盤の松平定信との接点、最初と同様に すこーし、無理っぽいかな。 夜燕と一緒だった頃の栗杖亭鬼卵を あまりひねらずに書いてほしいかったかな。 ははは、気楽な読者は無理言ってますね。
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自由自在に生きることが難しく変人扱いされるのが普通の世の中とは。。それでも筆の力は強い。それだけでも救いになる。
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若い頃に経験した武士に対する理不尽な思いをずっと抱えて、何者にもなることができない焦りも抱えながらも、多くの心優しき人や愛する者との関わりで、悲しみや挫折を乗り越えてきたのだな、最後は何者かになれたのだなと思いました。
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一か月前に読み終わりレビューも書いたのだが、手違いで消してしまいそのままになっていた。好きな本だったので備忘録ぐらいにはまとめようと気を取り直す。 主人公の栗杖亭鬼卵は江戸時代の戯作者。河内(大阪府)出身の下級武士で、その後絵画、狂歌、連歌、俳諧をたしなみながら諸国を遍歴する。伊...
一か月前に読み終わりレビューも書いたのだが、手違いで消してしまいそのままになっていた。好きな本だったので備忘録ぐらいにはまとめようと気を取り直す。 主人公の栗杖亭鬼卵は江戸時代の戯作者。河内(大阪府)出身の下級武士で、その後絵画、狂歌、連歌、俳諧をたしなみながら諸国を遍歴する。伊豆韮山代官江川家の手代として三島に住み、その後官を辞して駿府に移り、寛政末ごろからは遠江国(静岡県)日坂に住み煙草屋を営む。別名に平昌房、伊奈文吾、大須賀周蔵とも名乗っている。 定信は東海道日坂宿の煙草屋を営んでいる鬼卵と出会う。定信は寛政の改革を老中として推し進め、60を過ぎて地元・白河藩主の座からも引退。いまは「風月翁」とも「楽翁」とも名乗って旅の途次にある。 定信はまだ記憶に新しい。『まいまいつぶろ』に登場した吉宗の孫にあたると大まかに推察ができ嬉しかった。定信と云えば日本史の授業で「白河の清きに魚も住みかねてもとの濁りの田沼恋ひしき」の狂歌を思い出す。彼の寛政の改革は囲米の制を制定、朱子学以外の学問を禁止するなど規律正しい社会をめざした人物だ。一見相いれないふたりが出会い、鬼卵は訪れた定信に昔語りを始めるのだった。 最後に鬼卵が残した歌がある。「世の中の人と多葉粉(たばこ)のよしあしはけむりとなりて後にこそしれ」はて、軍配は? 鬼卵は多才なはずなのに、小説中に登場する名立たる著名人と自らを比べて悩む。「人と人とを結びつける役割だったら儂でもできる」とネットワーク作りを思い立ち、57歳で『東海道人物志』を著す。品川から大津まで、53宿駅ごとに、その地に住む学者、文人、諸芸に秀でた人々を列記した実用書みたいものだ。その先取り感覚はまさに今のSNSのようで素晴らしくないだろうか! 人と人を結びつける業務はできなくても、私個人にも微力ながらできそう。小さな楽しみが見つかった!
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高校の時、私は日本史の歴史の授業ではいつも睡魔に襲われていた。その結果、歴史上の人物が時代ごとに区分できていない。 主人公の鬼卵は転居を繰り返しながら、様々な文化人と出会い記録を残していく。 日本史を熟睡で過ごしていたので、松平定信と上田秋成が同じ物語の中に登場するのに驚いた。 ...
高校の時、私は日本史の歴史の授業ではいつも睡魔に襲われていた。その結果、歴史上の人物が時代ごとに区分できていない。 主人公の鬼卵は転居を繰り返しながら、様々な文化人と出会い記録を残していく。 日本史を熟睡で過ごしていたので、松平定信と上田秋成が同じ物語の中に登場するのに驚いた。 本を読むことは、知識を蓄えていくことなんだと実感した。
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江戸時代、文政年間に大阪に生まれ、のちに静岡に住んで東西の文化を繋いだと言われる浮世絵師、戯作者の栗杖亭鬼卵(りつじょうていきらん)のお話を、松平定信との邂逅という設定で紹介する。定信との、生き方の違いを対比させた最後に、唸った。定信でさえ敵わぬ粋人であった。 常に人との繋がり...
江戸時代、文政年間に大阪に生まれ、のちに静岡に住んで東西の文化を繋いだと言われる浮世絵師、戯作者の栗杖亭鬼卵(りつじょうていきらん)のお話を、松平定信との邂逅という設定で紹介する。定信との、生き方の違いを対比させた最後に、唸った。定信でさえ敵わぬ粋人であった。 常に人との繋がりの中に身を置き、自身も人をつなげる書「東海道人物志」を著す。当時の文化人を紹介する本だ。 浮世絵や戯作者としても、文人としても優れた鬼卵は、人を紹介するにも信頼を得ていた。 これからも注目の作家さんです。
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江戸中期の実在の文化人栗杖亭鬼卵と天下人の松平定信との出会いの物語。 旧東海道を歩いた時の記憶が甦り、日坂の宿、小夜の中山、掛川城、三河吉田と馴染み深い土地の名前に更に興味深く読みました。 現代は新幹線で東京〜京都を2時間半で行き交い、メールでやり取りする世の中。 反して主君が悪...
江戸中期の実在の文化人栗杖亭鬼卵と天下人の松平定信との出会いの物語。 旧東海道を歩いた時の記憶が甦り、日坂の宿、小夜の中山、掛川城、三河吉田と馴染み深い土地の名前に更に興味深く読みました。 現代は新幹線で東京〜京都を2時間半で行き交い、メールでやり取りする世の中。 反して主君が悪くても物申すことも出来ない昔の世(今は物申しても届かない?) でも、昔も今も文化を楽しむ庶民は大勢おり、世の中も文化のおかげで成り立っている様なところもあるのではないかと、読書好きの自分は面白おかしく読みました。 時代小説は苦手ですが、直木賞受賞作も読んでみたいです。
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江戸時代の上方の文化人、栗杖亭鬼卵の半生を描いた物語。 様々な人との出会い、愛する妻との死別、天明の大飢饉を経て、彼が本当に表現したかったものが明らかになる。 それを隠居後の松平定信に語るという舞台設定が、より鬼卵の訴えたいことが伝わってくる。 永井さんの人物の描き方が本当に好き...
江戸時代の上方の文化人、栗杖亭鬼卵の半生を描いた物語。 様々な人との出会い、愛する妻との死別、天明の大飢饉を経て、彼が本当に表現したかったものが明らかになる。 それを隠居後の松平定信に語るという舞台設定が、より鬼卵の訴えたいことが伝わってくる。 永井さんの人物の描き方が本当に好きなんだよなー。 鬼卵の人柄の良さに、さらに人柄のいい人が集まってくる。 さらっと蔦屋重三郎の名前も出てくるし、内容的にも来年の大河ドラマを見る前に読むのもいいんじゃないかな。
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