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漣の王国 の商品レビュー

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21件のお客様レビュー

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2024/10/18

とても上質で綺麗な文章と、それぞれ個性があって魅力的な登場人物に心惹かれる。 読後も余韻に浸り、普段あまり縁のない充足感に満たされたような気がした。 もっと岩下さんの文章に触れたい。

Posted byブクログ

2024/09/04

綾部蓮は見た目も良く、自由形のトップスイマー。常に彼女がいて、直ぐに違う人女性になるような男だが、嫌われたりせず、何時も人に囲まれている。しかし、自殺した。 瑛子は彼にひっそり憧れる1人であり、同じ大学の水泳部員であり、伸び悩むスイマーでもある。そんな瑛子が毎日泳ぐ姿は修行僧のよ...

綾部蓮は見た目も良く、自由形のトップスイマー。常に彼女がいて、直ぐに違う人女性になるような男だが、嫌われたりせず、何時も人に囲まれている。しかし、自殺した。 瑛子は彼にひっそり憧れる1人であり、同じ大学の水泳部員であり、伸び悩むスイマーでもある。そんな瑛子が毎日泳ぐ姿は修行僧のようで、魅せられている人が多数いることを瑛子は知らない。医学部の猫堂もその1人。瑛子、綾部、猫堂、北里舞を中心に綾部が自殺に至る前の大学時代とその後が語られ、何故自殺したのかが最後に明らかになる。 プールの青い透明感がずっと感じられる透明感のある、しかしザワザワと心の揺れる文中を漂っていた印象。脚本家出身らしく、映像が何度も心に浮かんだ。個性的なキャラクターが多いのも読みやすかった。生きることに恵まれているのに上手く立ち回れない登場人物多すぎやろ…。 子をなすことへの言及多く、小学校には向かない。中学校以上。基本は高校生くらいから。

Posted byブクログ

2024/08/02

1ページ目、あまりにうつくしい文章に何度も同じ一文を読んでしまった。美文に圧倒され、はじめからおわりまでどっぷりと浸かり、「うつくしい文章の小説しか読みたくない」という普段は口にしない望みを満たしてもらえた。 化学、祈り、運動、恋慕、「反復」することでしか至らない魂の領域。そして...

1ページ目、あまりにうつくしい文章に何度も同じ一文を読んでしまった。美文に圧倒され、はじめからおわりまでどっぷりと浸かり、「うつくしい文章の小説しか読みたくない」という普段は口にしない望みを満たしてもらえた。 化学、祈り、運動、恋慕、「反復」することでしか至らない魂の領域。そして至らない、未完であるものしか来世には持ち込めない。 綾部という自裁した男がおこした漣、それを受けた者たち。過ぎた日々の痛恨のまばゆいばかりのうつくしさ。 ミステリとしては日常の謎、に分類されると思うけどそれもよかった。でもなにより物語のうつくしさと文章のうつくしさにノックアウトされてしまい、泳ぐだけのシーンをこのように描写するのかと、趣味として文章を書く身が引き締まる思いである。 いますぐに新作を読ませて欲しいし、本作にもあった幻想小説の匂いをもっと濃くした話などはどうだろう? 読みたい、この美文に絶対に合うはずだ。 猫堂くんって萌えキャラですか?

Posted byブクログ

2024/07/31

綾部蓮という青年は美しく、周りにいつも人がいて、才能にも恵まれていた。しかし彼は自ら命を絶った。 彼と出会った4人の話。 文章ひとつひとつが美しく、特に水泳の様子の文章は驚いた。泳いでいる様子を描くだけで、こんな表現があるのかと。 大きなミステリーがあるのではなく、4つの話を...

綾部蓮という青年は美しく、周りにいつも人がいて、才能にも恵まれていた。しかし彼は自ら命を絶った。 彼と出会った4人の話。 文章ひとつひとつが美しく、特に水泳の様子の文章は驚いた。泳いでいる様子を描くだけで、こんな表現があるのかと。 大きなミステリーがあるのではなく、4つの話を通して小さな謎が紐解かれていく様な印象を受けた。少しずつ重なってくる人間関係。読んでいるうちに引き込まれて、一気に読み切ってしまった。

Posted byブクログ

2024/06/19
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

連作短編4篇 水の申し子のような綾部漣を軸に、彼を好きだった人、関わってしまった人たち4人の視点で物語は進む。それぞれの章の謎解きと大きな謎、どうして綾部漣は死んだのか?が最後に提示され、狂言回し的な狐面の教授の不思議不可解さを残して物語は閉じる。ただボーイミーツガール的な要素もあってひたすら泳ぐ瑛子とそれを見つめる猫堂はもう一つの軸として面白かった。

Posted byブクログ

2024/06/15

ミステリの気持ちで読み始めたが、あまりミステリ感を感じなかった。宗教的なエッセンスが散りばめられていて、思った以上に高尚な作品という印象を受けた。でも、1日で一気に読み切れるくらい引き込まれる作品でした!

Posted byブクログ

2024/06/15

ミステリーというので読んでみたが、美しいと言われている文学的な文章が自分には合わなかった。 1章を読んだけど猫堂の言動の気持ち悪さもあって脱落。 しばらくしたらまた2章から挑戦したい。

Posted byブクログ

2024/06/15

ミステリー性と文学性が両立してなきゃ満足できん! 一般人レベルの文章力で作家を名乗るな! って考えてる面倒な読み手(自分もそう)に全力でおすすめしたい。

Posted byブクログ

2024/06/01

『あまりに美しいミステリ。震える。 反復の尊さと、ジハードの本当の意味。 この余韻に、しばらく揺蕩っていたい。 大切な友人に読んでほしくて、 半ば押しつけるように渡した。』 女優・小橋めぐみさんの評に納得。 私も大切な友人に読ませよう。

Posted byブクログ

2024/06/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

猫堂がとにかく気持ち悪かった この感情を引き摺りすぎたのかもしれないが、それ以外の登場人物も子供すぎたり冷た過ぎたりみんな極端で、誰一人として感情移入できる人がおらず、可哀想とは思っても、世界の広がりもスケールの大きさも感じなかった 「謎」についても、まあそうだろうな、という感想しかなく… そこまでの傑作とは思えないかな

Posted byブクログ