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まぼろしを織る の商品レビュー

3.8

25件のお客様レビュー

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2024/07/12

川越の染織工房を手伝いながら「なぜ生き続けなければならないのか」という問いと向き合っていく物語。答えは見つからないまでも、読後は少しだけ、前を向けたようなすっきりした気分に。主人公達が「自分の生きる意味がわからない。死ぬ気力もないから生きている」ともがく姿には、数年前の自分を見て...

川越の染織工房を手伝いながら「なぜ生き続けなければならないのか」という問いと向き合っていく物語。答えは見つからないまでも、読後は少しだけ、前を向けたようなすっきりした気分に。主人公達が「自分の生きる意味がわからない。死ぬ気力もないから生きている」ともがく姿には、数年前の自分を見ているようで共感した。染織の世界にも興味が持てた。

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2024/07/02

織物の世界を知りながら、主人公・槐と従兄弟・棆が生死と向き合う物語。 生きること、死ぬことが、製糸、染物、機織とリンクさせているのが感慨深い...

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2024/06/16

生きるとは、自身の存在意義とは、、そんな思いに絡め取られる事のある主人公、槐。 これは、私の思考をトレースしているのかと思う程に共感する部分があったのですが、、 生きていく事を前向きに捉えられた終わりでよかった。 染めと織物の世界観にも触れられて読み応えありました。漢字難しかった...

生きるとは、自身の存在意義とは、、そんな思いに絡め取られる事のある主人公、槐。 これは、私の思考をトレースしているのかと思う程に共感する部分があったのですが、、 生きていく事を前向きに捉えられた終わりでよかった。 染めと織物の世界観にも触れられて読み応えありました。漢字難しかったけど。

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2024/06/16

ほしおさん、舞台はおなじみ川越で今回は染織工房。主人公の槐(えんじゅ)という名前をはじめ、織物の機械に使う道具の名前の読み方が難しくなかなか読み進められずにいましたが、草木染や藍染の奥深さ、特に藍染は生き物だという所はとても勉強になりました。 母を亡くし生きる意味を見いだせなく...

ほしおさん、舞台はおなじみ川越で今回は染織工房。主人公の槐(えんじゅ)という名前をはじめ、織物の機械に使う道具の名前の読み方が難しくなかなか読み進められずにいましたが、草木染や藍染の奥深さ、特に藍染は生き物だという所はとても勉強になりました。 母を亡くし生きる意味を見いだせなくなっていた槐。そして、転落死事件に巻き込まれて心を閉ざしていた綸。2人とも親の考えや言葉に縛られていたんですよね。綸の織る青の帯を見てみたい。才能があるって素晴らしい。私は槐同様に何の才能も特技もないけれど、生きてるだけで丸儲けです。

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2024/05/24

「夜叉五倍子」 仕事と住処を失い。 次の仕事探しと共に住宅を探すなんて、声をかけてもらえなければ中々厳しい状況に陥っていただろうな。 「臭木」 巻き込まれた後に。 意識を取り戻し日常生活に戻れたとしても、非日常的な事に関わってしまったことによる疲弊は凄いだろ。 「藍」 レール...

「夜叉五倍子」 仕事と住処を失い。 次の仕事探しと共に住宅を探すなんて、声をかけてもらえなければ中々厳しい状況に陥っていただろうな。 「臭木」 巻き込まれた後に。 意識を取り戻し日常生活に戻れたとしても、非日常的な事に関わってしまったことによる疲弊は凄いだろ。 「藍」 レールの上を歩け。 親を頼りに生きる計画を立てているなら兎も角、自分の道を見つけて決めたのだから少しは聞くべきでは。 「蘇芳」 実際に行ってみた。 野次馬的思考を持っていたとしても、ここまで行動に移すということは何かしら疑問があるのではないか。 「紫根」 朝から出かけてく。 バレないようにといっても、急ごしらえで変装もせずに後ろ姿を探し続けていたらバレても仕方ないだろ。

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2024/05/15

ほしさんの作品は「ものだま探偵団」、「三日月堂」、「月光荘」、「ふじさき記念館」と読んで来て、雰囲気が好きなんだけど、この作品はちょっとミステリー掛かってる。染織の話が全然分からんのは、紙や凸版印刷と同じなんだけど、なんか出てくる人たちにあまり好きになれる人がいなくてイマイチだっ...

ほしさんの作品は「ものだま探偵団」、「三日月堂」、「月光荘」、「ふじさき記念館」と読んで来て、雰囲気が好きなんだけど、この作品はちょっとミステリー掛かってる。染織の話が全然分からんのは、紙や凸版印刷と同じなんだけど、なんか出てくる人たちにあまり好きになれる人がいなくてイマイチだった

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2024/05/13

生きること、死ぬこと。たまたま2作続いた。日々、漫然と暮らし、あまり深く考えないが…目指すものが無くても生き続けられるし…大上段に構えると苦しいだろうな。「僕たちはただ誰かに何かを渡すために生きている」うーむ。

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2024/04/29

/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/    活版印刷シリーズが好きでしたので、ほしおさなえさんの新作楽しみにしてました。 生きることの意味を見出せない、槐と、綸。 自分がなんのために生きているのかわからない。 その意味を見出そうと抗う感じでしょうか。 明るい...

/_/ 感想 _/_/_/_/_/_/    活版印刷シリーズが好きでしたので、ほしおさなえさんの新作楽しみにしてました。 生きることの意味を見出せない、槐と、綸。 自分がなんのために生きているのかわからない。 その意味を見出そうと抗う感じでしょうか。 明るい要素は少なくて、重いお話でした。 毎回、いろんなものに影響を受ける私ですが、織物には、惹かれなかった…です。深い意味はないです。できなさそうだし。 何かを目指して、そこに向かっていく、、、 それも素晴らしいことですが、 目の前のやりたい事に夢中になって、積み上げた結果、考えいなかった世界にぶちあたる。 そうありたいな〜と、感じる今日この頃です。 この作品を読みながら、そんなことを考えちゃいました。 /_/ 主な登場人物 _/_/_/  槐 えんじゅ、26、27歳、自分の意見はしっかり伝える 綸 りん、伊予次男、成績イマイチ、大学4年、飛び降り事故に巻き込まれ重症 鈴音 友達 伊予子 槐叔母、染職家、三女、母から仕事を引き継ぐ、優しい人 栞里 満子弟子 多佳子 伊予子姉、長女、微妙な人 聡 伊予子長男、成績優秀 珠美子 すみこ、伊予子姉、次女、美人、派手、槐母、亡くなっている 城倉満子 まこ、槐祖母、染職家 亡くなっている 未都  海神 /_/ えんじゅ _/_/_/_/_/ なぜ生きているのかわからないこの身体を生かし続けるために働きに出る。 そうやって1日を過ごす。 特別悪いことはない。 いいこともない。 そんな1日を過ごし、これがいつまで続くのだろう、と考えながら目を閉じる。 そしてまた次の朝をむかえる。 そうやって生きている。 /_/ 参考 _/_/_/_/_/_/  藍建て https://www.ayasilk.com/workshop/japan_blue.html

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2024/04/20

自分は生きていていいのか、生きる価値、意味はあるのか…。母の死からの喪失感をもつ槐。才能ある画家の転落死に巻き込まれた後、心を閉ざしていた綸が、糸を染め織る職人の伊予子の下で再生する物語。派手な物語ではないけど、こうやって心は回復し、人は前に進むのだなぁと思う。

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2024/04/20

共感する部分もあって、あっという間に読み終えた。 染めと織りの世界も興味深かった。 「まぼろしを織る」いいタイトル。

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