ぼくは青くて透明で の商品レビュー
高校の同級生の海と忍。2人の恋愛模様を中心に海の育ての母である美佐子さん、父親である縁亮、2人の友人の璃子などの視点から物語が進んでいく。海と忍の心の動きは理解できなくもないが、まあぼちぼちて感じでした。
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窪美澄さんは3冊目ですが、私は読みやすくて好きだなと思いました。 女性の心情を描くのが得意なのかな…と思っていたのですが、男の子たちのリアルさと言ったら! 海くんと忍くんの気持ちの移り変わりがハラハラしつつもじんわり沁み入りました。 育ての親の美沙子さんの海くんへの愛情に涙…。...
窪美澄さんは3冊目ですが、私は読みやすくて好きだなと思いました。 女性の心情を描くのが得意なのかな…と思っていたのですが、男の子たちのリアルさと言ったら! 海くんと忍くんの気持ちの移り変わりがハラハラしつつもじんわり沁み入りました。 育ての親の美沙子さんの海くんへの愛情に涙…。 お互い思い合っているからこそ、本当の気持ちを隠して行動してしまう皆にヤキモキもしましたが最後まで読んで良かったと思いました。 個人的には虐められっ子で引っ込み思案な璃子ちゃんの妙にふてぶてしい面が好きでした。
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いわゆる、普通じゃない、関係性がこうも重なるのか、っていう違和感がほんのり底辺にありつつも、それぞれの立場の視点で進む物語は面白かった。 特に璃子ターンが1番きゅーっときたな。 2024.5.31 84
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
めっちゃ良かった。泣いた。 羽田海(はねだかい)は男の子だけど昔から可愛いものが好き。初恋は小学校の時の担任の先生(男) ちちの緑亮(ろくすけ)はそんな海の好きなようにしてくれた。母は幼い頃出て行った。 しばらくして一緒にすむようになった美佐子さんも、海の理解者。そして、父緑亮も、海と美佐子を捨てて出て行ってしまった。 美佐子の転職(高校生の海を育てるにはWワークも大変だった)に伴い,転校した高校で、忍と出会う。 カースト一番上の存在。頭もよく、クラス委員長。父は町会議員。彼女もいる。そんな忍に恋をした。 この恋は秘めたるものだったつもりだが、駅伝大会で思わずキスをしてしまう。 実は、忍は自分がゲイだと気がついていた。だか、政治家の父は、男は男らしく,女は女らしく、男尊女卑の考え。田舎でゲイなんてバレたら大変な事になる。なので、誤魔化すために彼女も作った。 が、海が転校してきて心が動く。さらにキスをされて,もう誤魔化せなくなった。 彼女に、海が好きだから別れてというと、彼女はソレを言いふらしてしまう。 そして、海も忍も周りから空気のような存在になっていく。 ただ、卒業する2年後二人で東京に行こう。そこでは自分たちの事を誤魔化さなくて生きられる。と希望を持っていた。 2年後、忍は東京の大学に、海も東京の調理の専門学校へ進学。そして同じ時期にハブられててなかよくなった璃子も東京で進学。 たまに3人で忍の家で会うようになる。 忍と海の穏やかな生活が始まった。 が・・・・ 忍の親は裕福で、東京のマンションもいいとこを与え,仕送りも潤沢にしてバイトなんてさせない。 海は美佐子さんに仕送りしてもらうわけにいかなく、バイトと専門学校でバタバタ。家も小さくてなかなか片付ける余裕もない。 でも二人は仲良くて、忍の家で過ごしている日常が尊い。 実は、海を高校生時代から好きだった璃子も、恋心は隠して二人の理解者。 海は必死で働いて,学校でコミュニティを作っていくのが、忍には嫉妬してしまう。 高校の時とはここで,逆転しているのが面白い。 でも、海はほんっとに忍が好きで、他の人になんてこれっぽっちも気持ちがない。 だから何回も忍が、別れる方向に行ってもひっぱってくる強さが、ほんっとにいい子!! マジでこの子は好かれるよ、うん。 今までずっと大変な環境で,そこを生き抜けた彼だからそこなんだよね。 駅伝のキスの前,忍が怪我をして海がおぶって歩く。それが,巻末の最後の最後、忍が海をおぶる!と言い出す。そして,交互におぶって歩く事にする。 高校時代,この恋愛は海が引っ張って忍を「自分らしく生きる」事に足を踏み入れた。海がいないと、きっとずっと偽って生きてた。 でも最後は、二人ともお互いを引っ張っていく。 そんな未来がみえて、いいなー。 個人的には、美佐子さんの章のさいご、人形が置いてった件で号泣でした。 図書館で借りたけど、買おうかなと思うほど好きな話でした
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幼い頃に母親が出て行き、父親と暮らしていた海だったが、そのあと美佐子さんと結婚した父親も出て行ってしまった。 血の繋がりのない美佐子さんとの暮らしも決っして裕福とは言えなかったけれど温かくて居心地の悪さなどなかった。 転校した高校で忍と出会ってから海は、自分の気持ちが彼に向かって...
幼い頃に母親が出て行き、父親と暮らしていた海だったが、そのあと美佐子さんと結婚した父親も出て行ってしまった。 血の繋がりのない美佐子さんとの暮らしも決っして裕福とは言えなかったけれど温かくて居心地の悪さなどなかった。 転校した高校で忍と出会ってから海は、自分の気持ちが彼に向かっていることを意識したのは、駅伝大会のときだった。 その後から忍も自分が好きなのは海だと意識しだす。 海から始まる第一話、そして第二話の美佐子の話。 第三話は、忍。第四話は、保健室登校していた璃子。第五話は、海の父親の緑亮。最終話に海。 と繋がって物語は進む。 高校を卒業してから一人暮らしを始めて、海は随分と強くなったように思う。 逆に感情を素直にあらわせないところや物事を悲観的に考えがちな忍の苦悩が滲み出てくる。 2人の未来は、明るい雰囲気ではないのだがなんとか気持ちに正直に生きようとしている海を応援したくなる。 海と忍、2人とも優しい。 美しくて切なくて哀しくて。 いつまでも2人一緒にいてほしいと思った。
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これは切ない…! 「出会ってしまったから全力で愛するだけ。」 海と忍。まわりに理解されにくい恋愛をする2人は、人より色んなものを背負うから、痛く、切なかった。 2人の恋愛もよかったけれど、第二章の美佐子さんと出会ってからの物語が本当に感情移入しすぎて…何度も泣けました。 ああ...
これは切ない…! 「出会ってしまったから全力で愛するだけ。」 海と忍。まわりに理解されにくい恋愛をする2人は、人より色んなものを背負うから、痛く、切なかった。 2人の恋愛もよかったけれど、第二章の美佐子さんと出会ってからの物語が本当に感情移入しすぎて…何度も泣けました。 ああ、一気読み…
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LGBTが題材。主人公の"海"を取り巻く血縁関係のない母”美佐子さん”との関係や、友人関係が描かれている。心が温まる小説でした。
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男性同士の恋愛を描いた純愛作品。 主人公の海が女の子らしいけれど男前なとこもあって好きです。 自分は同性が好きだということを悲嘆せず受け入れていることもあり、そこまで暗かったり重たかったりせず、サラサラと読めました。 窪美澄さんの作品は初めて読んだので、もう少し他の作品にも...
男性同士の恋愛を描いた純愛作品。 主人公の海が女の子らしいけれど男前なとこもあって好きです。 自分は同性が好きだということを悲嘆せず受け入れていることもあり、そこまで暗かったり重たかったりせず、サラサラと読めました。 窪美澄さんの作品は初めて読んだので、もう少し他の作品にも触れてみようかと思います。
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海という名前から、この主人公は夜に星を放つに収録された「星の随に」に出てくる赤ちゃんだった海くんかと思ってしまった。共通点を探しながら読んでみたけどどうやら別人のようだ。 いつもながら窪美澄さんの描く好青年が私は大好きなんだよなあ。 人の心に優しく触れるところが好き。こういう子が...
海という名前から、この主人公は夜に星を放つに収録された「星の随に」に出てくる赤ちゃんだった海くんかと思ってしまった。共通点を探しながら読んでみたけどどうやら別人のようだ。 いつもながら窪美澄さんの描く好青年が私は大好きなんだよなあ。 人の心に優しく触れるところが好き。こういう子がリアルにいたら絶対に恋に落ちてしまう自信がある。 だから璃子ちゃんの切ない恋もすごくわかる。
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美佐子さん…美佐子さぁあん!! 主人公2人の可愛い純愛にも感動しましたが、美佐子さんの圧倒的な愛情深さに嗚咽しました。 しかし読む本に困っていない時に限って予約本が回ってくるこの世の理…(しかも毎回順番待ち有り) 次はまた一穂さんを読もうとしていたので男同士の恋愛が続く事にな...
美佐子さん…美佐子さぁあん!! 主人公2人の可愛い純愛にも感動しましたが、美佐子さんの圧倒的な愛情深さに嗚咽しました。 しかし読む本に困っていない時に限って予約本が回ってくるこの世の理…(しかも毎回順番待ち有り) 次はまた一穂さんを読もうとしていたので男同士の恋愛が続く事になるのですが、本作はLGBTの問題を軸にした愛の物語でした。 主人公海は幼い頃から男子が好むようなものは好まず、可愛いお人形や可愛い色のランドセルを好む少年でした。そのせいで男女と罵られ虐められる幼少期を過ごします。 また家庭も複雑で、幼少の頃に母親は出て行きカメラマンを目指していた父親と2人暮らしですが、その父親も姿を消し、その後に籍を入れた美佐子さんと2人暮らし。貧しいながらも幸せな生活でした。 そんな海が恋する相手、忍。彼は政治家の父を持ち両親の期待を裏切らぬように己を殺して生きています。勿論、男が好きな事は海と付き合うまでは親にも秘密にしていました。 そんな2人の良き理解者であり、大切な友人である璃子。彼女も長い間虐めに合い、海と出会うまで友人も居ませんでした。BLを愛しており、BLが彼女の癒し。だからと言って海と忍を妄想の対象とする訳でもなく、むしろ3次元の男同士の恋愛は大変そうだと線引きをしているタイプ。 この3人と美佐子さん、海の父親の緑亮の5人の視点で物語が順番に語られて行きます。 窪さんの作品は初めてですが、あまりの読みやすさにあっという間に読了。 優しい文章を書かれる方なんですね。 海には美佐子さんもいたし、捨てたとは言え緑亮も海のありのままを受け入れて人形も与えてくれたし、璃子もいた。大変な事も多かった彼ですが、そのお陰であんなにも純粋で人に優しく出来る人間に成長したんでしょうね。 実際に悩まれている方にとったらこれでも恵まれてるのかも知れませんね…。 下らない事でからかって来たり、後ろ指を刺して来るような相手には毅然とした態度を取りますが、他に関しては誰にでも笑顔で優しく一切の苦労を見せない彼ですが、最後の方で一度だけ本当はしんどい事もあるんだと吐露してしまうシーンがあります。 このシーンはわかる!となる方も多いんじゃ無いでしょうか。別にLGBTに限った事ではなく、顔で笑って心で泣いてる方も多くいらっしゃると思います。 ゆーきさんのレビューを拝見して、すれ違って海の元から去ってしまった忍がどうなるのか気が気じゃ無かったのですが、そこからクライマックスでの美佐子さんとの会話と海の行動と忍を本当に思っている純粋で優しくて力強い台詞の数々に、私のネジの緩い涙腺がまたぶっ壊れました。 誰も見ていないから別に良いか。 でもやはりですね、冒頭にも書きましたが1番涙腺崩壊を起こしたのは美佐子さんの愛の深さにです。 料理が得意な海が美佐子さんと並んで台所に立っている所が1番好きなシーンでした。 私も料理が人並みに出来るので意外だと驚かれるのですが、母が1人になった時に困らないようにと教えてくれたのです。 それを思い出したと言うのもありますが、何より実の息子ではないのに「海と暮らした時は本当に幸せだった」と惜しみない愛情を海に注ぎ、悩む忍にも「忍くんの人生を生きたら良いのよ」と包み込むようなアドバイスを送ったり、虐められていた璃子の話を真剣に聞いてあげたり… なんという…なんという優しい人なんだ…!!女神! そして血の繋がらない親子なのに…なんて似てるんだ! 登場人物が皆それぞれに葛藤や悩みを抱えて生きていますが、窪さんの文章と同じく、とてもとても優しい世界でした。 悪意のある人達が消し飛ぶ位に優しい世界…。主要な登場人物が皆素敵だからだと思います。 これは手元に置いておいて疲れた時に読みたくなる作品です。(すぐ返さないといけないけども) 私信ですが(最早これもお家芸になって来ている) ゆーきさん、私は美佐子さんがゆーきさんにナチュラルに脳内変換されてました。 そして海君には到底足元にも及びませんでした…笑
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