御社のチャラ男 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本筋とずれるが、自分もうつ病で仕事を休んでいるので、伊藤さんの独白が特に印象的だった。 「うつ病というのは、完璧主義の罰としていちばんきついものを集めたものだと思う」というくだりは本当に共感だった。 そんな彼女が、のちのちに仕事に復帰して、きつそうながらもまた働いている様子は希望に見えた。 また、別の人の話で、「うつは心の甘え」みたいなことを言ってるくだりもあって堪えたが、この本の中でたくさんの人の独白が出てくる中で、みんな考えてることや価値観が違っていて、「そう思う人もいるし思わない人もいるし、いちいちショックを受けることないな」と思った。 ぜんぜん別件だが、正義感が強く人の平等性を大切にする伊藤さんを評して「人類の半分を敵に回すと考えるのはきつそう」と漏らすくだり、身につまされる思いだった。正義感、というより自分が大切だと思うことを貫くことと、それによって他者を決めつけることは違うのだと肝に銘じたい。 そのほうが、生きるのが楽そうだ。
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チャラ男について同僚や身近な人がエピソードなどを用いて語っています。 細かく登場人物が入れ替わるので読んでいて飽きません。 そもそもチャラ男ってナニモノか…そんなに深く追求しないのでそこも面白くていかように受け取ってもいいのかなと感じました。 また登場するジョルジュ食品という会社...
チャラ男について同僚や身近な人がエピソードなどを用いて語っています。 細かく登場人物が入れ替わるので読んでいて飽きません。 そもそもチャラ男ってナニモノか…そんなに深く追求しないのでそこも面白くていかように受け取ってもいいのかなと感じました。 また登場するジョルジュ食品という会社もなかなかの味を出しています。 まったり読めていいと思います
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タイトルから、軽く読めて笑える小説かと思った。違った。 なんだか不穏な空気がまとわりついた小説だぞ、と思った。奥付けを見て出版された年を知り、納得した。コロナ禍かその直前に書かれたものだった。 これまでの日常が激変することへの恐れが、文章の端端から読みとれた。 章ごとに主役が変わ...
タイトルから、軽く読めて笑える小説かと思った。違った。 なんだか不穏な空気がまとわりついた小説だぞ、と思った。奥付けを見て出版された年を知り、納得した。コロナ禍かその直前に書かれたものだった。 これまでの日常が激変することへの恐れが、文章の端端から読みとれた。 章ごとに主役が変わるところが群像劇のようだった。複数の人の頭の中をのぞいているようで、楽しかった。
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タイトルからして少し笑えるようなストーリーをイメージしがちだけど、凄く重たい内容の連続だった。 人が大なり小なり持つダークサイドを巧みな表現力で赤裸々に語る短編?の積み重ね。分からんでもないけど、もう少し楽観的に、楽しいことを考えてみようよ、そんな気持ちで読み進めた。
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絲山さんの語彙力に脱帽!スマホ片手に調べながら読みました。頭良くなった気分! 組織の様々な人の視点で書かれているので、なんなんだよこいつと思ったり、うわーうちの会社にもこういうやついるわーと思ったり、正直賛同できない人も多かったけど、こんなに忠実に人格の描き分けができるのがすごい...
絲山さんの語彙力に脱帽!スマホ片手に調べながら読みました。頭良くなった気分! 組織の様々な人の視点で書かれているので、なんなんだよこいつと思ったり、うわーうちの会社にもこういうやついるわーと思ったり、正直賛同できない人も多かったけど、こんなに忠実に人格の描き分けができるのがすごいなと思った。
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日常のちょっとしたモヤモヤ感を言葉として明確に描くのは上手だと思う。お話しとしてはモヤモヤしてしまうところがどうだろう?
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リアルな社会のようすを表している感じはする。時代遅れの地方の企業で、何かができると信じている無謀さだったり、それに文句が言えないブラックさだったり、よくあるんだろうなぁということのオンパレード。 淡々と進んでいく感じがあんまり合わなかった。
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>軽くて世渡り上手なチャラ男 という紹介文のフレーズからチャラ男を自称する某芸人のような人物像を思い描いていたが、実際に描写される人物像が異なっていたので違和感を持ちながら読み進めることになった。 三芳部長がいかにチャラ男かと説明するパートが時々あるが、「チャラ男ってそうい...
>軽くて世渡り上手なチャラ男 という紹介文のフレーズからチャラ男を自称する某芸人のような人物像を思い描いていたが、実際に描写される人物像が異なっていたので違和感を持ちながら読み進めることになった。 三芳部長がいかにチャラ男かと説明するパートが時々あるが、「チャラ男ってそういうことを指すんだ?」となる。 もしかしたら年代によってチャラ男のイメージに乖離があるのかもしれない。 また、ストーリーに対しても同じようにチャラ男が微妙に疎まれながらもなんだかんだ会社をうまく回していく感じかと思ったら、入れ替わり立ち替わりチャラ男への悪口を紡いでいく短編の詰め合わせのような感じで、読み進めるたびにぼんやり暗い気持ちになっていった。いや、悪口を言われてもしょうがない人物像ではあるんだけど。 なんか、ボイリングポイントっていう映画を観た時と同じような感覚だった。小さな良くない事が重なり合って最後に破滅するような展開。 組織に属する各人物の多種多様な思考を掘り下げて書き分けているのは見事だった。
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書店でピックアップされており、タイトルや作品紹介で気になった購入。 面白くなるのかと思いながら読み続けたが自分にはあまり刺さらず… 読むのが結構苦痛だった。 1つの会社に勤める様々な人の思考や起こった出来事を表現する能力はすごいなと思った。
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不肖わたくし、気が付くと社会人というやつになり会社組織の中に放り込まれて早10年を過ぎ、悟ってしまった世の理の一つに、いろいろな人がいろいろな所でいろいろな事を言う。 その具合を余すことなく描いてくれた小説。ありがとう!
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