石狩少女 の商品レビュー
強くまっすぐな人間に出会えた作品です。 明治を舞台にしていることから、女性の立ち位置があまり良くありません。 文学を読むことが野蛮とされる。良妻賢母、勉学よりも裁縫や料理。子どもがいて家庭の中心でも、姑や舅によって家から追い出されてしまう嫁などなど.... 私が印象に残っている...
強くまっすぐな人間に出会えた作品です。 明治を舞台にしていることから、女性の立ち位置があまり良くありません。 文学を読むことが野蛮とされる。良妻賢母、勉学よりも裁縫や料理。子どもがいて家庭の中心でも、姑や舅によって家から追い出されてしまう嫁などなど.... 私が印象に残っているシーンは、最初主人公が名前を聞かれるところです。しかし、主人公は答えません。なぜなら答えたくなかったからです。 自分の気持ちに正直で強い。このような自分を強く持てる人間になりたいと思わせてくれました。 また、最後の「私は一生一人でいようと思ったのである。」で締めくくられているのも心に残っています。 最後の言葉は、秋田で過ごして見て、彼女が彼女らしくいたいと思って出た思いなのではないかと考えます。
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明治時代の東北を舞台に、1人の文学好きな少女が様々な経験を通して成長していきます。 主人公はとても芯の通った真っ直ぐな性格だなと思いました。当時の価値観と自身の価値観がずれていたとなれば、さぞ生きにくかったのではないかと思われます。 また、自然の描写が濃密で美しく、とても臨場感の...
明治時代の東北を舞台に、1人の文学好きな少女が様々な経験を通して成長していきます。 主人公はとても芯の通った真っ直ぐな性格だなと思いました。当時の価値観と自身の価値観がずれていたとなれば、さぞ生きにくかったのではないかと思われます。 また、自然の描写が濃密で美しく、とても臨場感のあふれる文章でした。 明治時代の文化がわかるとより楽しめる作品だと思います。
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少女小説が好きなのでまだ未読のこちらを読んでみました。刊行1940年当時の時代の雰囲気を難しくなく女性らしい感性で表現されていて、思ったより読みやすかったです。なかなか当時の作品は復刻がされていないものが多いと思いますが、他にもこの時代の作品を読んでみたいと思いました。
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情景の表現が美しかった。 80年以上も前に刊行されたにも関わらず、主人公の感じる想いにとても共感できるところが多々あった。
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著者の半生を反映した1940年刊行の小説。 北海道を舞台にした明治の文学少女というのが、とても伝わってくる。 風景、季節の表現が目に映るようであり、良妻賢母教育に抗う硬派な明治の文学少女らしい言葉使い。 文学を愛した少女の信念すら感じるほど。 偏見や噂などを気にして、悩みながらも...
著者の半生を反映した1940年刊行の小説。 北海道を舞台にした明治の文学少女というのが、とても伝わってくる。 風景、季節の表現が目に映るようであり、良妻賢母教育に抗う硬派な明治の文学少女らしい言葉使い。 文学を愛した少女の信念すら感じるほど。 偏見や噂などを気にして、悩みながらも成長していく少女の姿をいつまでも追いかけたい気持ちになった。
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作家の佐原ひかりさんがおすすめしていたので読みました。 北海道が舞台ということもあり、自然の描写が目に浮かぶようでした。そして氷室冴子さんのことや岩井俊二さんの映画なども思い浮かべたり。 そして全ての登場人物の揺れ動く心が良くも悪くも魅力的でした。 言葉とはまったくふしぎな...
作家の佐原ひかりさんがおすすめしていたので読みました。 北海道が舞台ということもあり、自然の描写が目に浮かぶようでした。そして氷室冴子さんのことや岩井俊二さんの映画なども思い浮かべたり。 そして全ての登場人物の揺れ動く心が良くも悪くも魅力的でした。 言葉とはまったくふしぎないきものである。
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森田たまさんの復刊、手にとれてよかったです。 明治という時代に良妻賢母になろうとは思わず将来学問で身を立てたいと思っていた悠紀子はこの時代では珍しかっただろうと思う。でも、いつの時代も周りがそうだからと合わせることなく、女性であるとか関係なく自分の道を自分で切り開く人が必ず1人は...
森田たまさんの復刊、手にとれてよかったです。 明治という時代に良妻賢母になろうとは思わず将来学問で身を立てたいと思っていた悠紀子はこの時代では珍しかっただろうと思う。でも、いつの時代も周りがそうだからと合わせることなく、女性であるとか関係なく自分の道を自分で切り開く人が必ず1人はいるんだなと思いました。 男性でも、女なんだから学問などしなくてもよしと考える人ばかりではなく土屋先生のように「あなたは必ず文章で身をたてる事のできる人です」と言ってくれる人もいて、この時代にそう言ってくれる人と出会えるのは稀だったんじゃないだろうか。 フェミニズム的なものを感じました。
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「本読む少女は生きづらい」明治末の北海道で文学や自然を愛した著者の自伝的小説。文学かぶれして煩悶が何とか言うだけで不良少女とされ周囲の無理解に苦しむが、理解し背中を押してくれる存在にはどんなに心強かったことか。詩的な自然描写、揺れ動く感情の表現に酔いしれた。
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特に知識なしで読み始めてしまい 時代背景が飲み込めず、ひたすら もどかしく哀しい気持ちになっていった。 解説を読み著者の自伝的な位置付けや家長が結婚を決める時代背景を知る。 読んでいて、文学への想いを抱えて気持ちを随筆、自伝小説にこめていく姿が「更級日記」を思い出させた。 当人...
特に知識なしで読み始めてしまい 時代背景が飲み込めず、ひたすら もどかしく哀しい気持ちになっていった。 解説を読み著者の自伝的な位置付けや家長が結婚を決める時代背景を知る。 読んでいて、文学への想いを抱えて気持ちを随筆、自伝小説にこめていく姿が「更級日記」を思い出させた。 当人が「恋」であることに気づいてない感じが、解説を読んで理解出来た。それくらい恋をすることが禁じられていたのね。
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自伝的な中編。一八九四年(明治二七年)に札幌で生まれた女の子は文学少女となっていくが、その頃は文学や恋愛は不道徳なものであり、お裁縫に長けた姉と母に虐げられ、周囲の男たちからは揶揄われ、当時としては当然のことながら勝手に顔も知らぬ男を婿養子に迎えることを決められたり、と、散々な青...
自伝的な中編。一八九四年(明治二七年)に札幌で生まれた女の子は文学少女となっていくが、その頃は文学や恋愛は不道徳なものであり、お裁縫に長けた姉と母に虐げられ、周囲の男たちからは揶揄われ、当時としては当然のことながら勝手に顔も知らぬ男を婿養子に迎えることを決められたり、と、散々な青春時代を歩んでいく。しかしそんな時代にもちゃんと理解者は現れる。それが主人公(というか森田たま)を勇気づけていく。正直いってあちこちなんだかなあと思う箇所はあるけれど、それは、今の時代に読むから思うこと。最後の一文には、現代に生きる自分も共感。姉との別れの場面はとても切なくも愛おしい。
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