明朝体の教室 の商品レビュー
“プロの凄さ”を思い知らされたような一冊。 専門的な解説や図解、素人にはまるで間違い探しのようにしか見えないいろいろな種類の書体デザイン。書体から受ける印象ってこんなに違うんですね。デザイン大事だわー。そしてそれを一冊の本の形にする職種の方々にも尊敬しかない。
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書体設計士の著者が明朝体フォントの作り方を解説するという、帯に「こんな本いままでなかった」と書いてある通りにマニアックな実用書。 フォントをデザインして作ることのない人には、まず役に立ちそうにない内容ではあるのだけれど、 フォントを作るのにここまで細かいところまで意識して、手作...
書体設計士の著者が明朝体フォントの作り方を解説するという、帯に「こんな本いままでなかった」と書いてある通りにマニアックな実用書。 フォントをデザインして作ることのない人には、まず役に立ちそうにない内容ではあるのだけれど、 フォントを作るのにここまで細かいところまで意識して、手作業で作られているのか、と発見のある本だった。 また、文字の歴史についてもコラム的に書かれており、そのあたりも勉強になった。 (ところで、明朝体は中国の明と関係あるのかと疑問だったのだが、明の時代の印刷用の書体が起源になっているらしい) 明朝体は2万3058文字の書体セットからなっており、その1文字1文字に錯覚や色味を加味した細かな調整がほどこされており、まさに職人による手作業で出来ているようなものだと思う。 これまで、気にもせずに使ってきたフォントだけれど、これからはタイピングするときに、そこに製作者の様々な苦労や思いがあることに思いを馳せてみたいと思う。
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書体デザインの技術に加えて、哲学も感じさせる内容。対象は違うが、辞書愛あふれる人々を描いた「舟を編む」をどこか思い出す、フォント愛強いプロたちのアツい仕事。他フォントと比較しながらも、うちの子はここがこだわり、でもここはちょっとダメですねぇ、でもやっぱりかわいい。と我が子を愛する...
書体デザインの技術に加えて、哲学も感じさせる内容。対象は違うが、辞書愛あふれる人々を描いた「舟を編む」をどこか思い出す、フォント愛強いプロたちのアツい仕事。他フォントと比較しながらも、うちの子はここがこだわり、でもここはちょっとダメですねぇ、でもやっぱりかわいい。と我が子を愛するごとき游明愛が伝わってくる。私は出版関係の仕事をしているので難しさはなかったが、一般の方にはとてもオタクな内容ではないかと…!しかし語り口がわかりやすく、決して難しい専門書ではない。また書道とのバランスの取り方の類似点も多く、書を嗜む身としても興味深かった。明朝テロップで知られる市川崑作品が大好きで、これまでざっくりと明朝が好き!と思っていたが、今回さまざまな明朝体に触れて、クールでスマート、明るく癖のない「ヒラギノ明朝体」がより好きだなぁと思った。柿落としの柿(こけら)を、これまで柿(かき)だと思っていた恥ずかしい気づきも付記。
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重版出来!をきっかけに知った鳥海さんの本。 読書していて、この書体読みやすいなーと思ったり、事務職なので書類作成時にこのフォントが好きだ!などと考えたりしていたわけですが、それらを作る工程を知り、感動。 趣味でも仕事でも、文字に囲まれて暮らしていて、活字中毒な自分を再認識する1...
重版出来!をきっかけに知った鳥海さんの本。 読書していて、この書体読みやすいなーと思ったり、事務職なので書類作成時にこのフォントが好きだ!などと考えたりしていたわけですが、それらを作る工程を知り、感動。 趣味でも仕事でも、文字に囲まれて暮らしていて、活字中毒な自分を再認識する1冊に。 そして、字が上手な人は絵が上手く、逆もまた然り…の理由も垣間見え…写実能力、デッサン力がある… 自分にはなかったので、よくわかりました…(涙) ひらがなの成り立ち(もとの漢字)から柔らかく感じる理由など、半世紀以上文字と関わっていてもいまさらながら知る内容が多く、私自身にはとても有益な1冊でした。 教科書体との違いについての「小学校の書写の時間に(中略)「×」をもらうかもしれない…(P197抜粋)」 「明朝体は、教育の現場などで楷書体と触れることの多い方にとっては、違和感を覚える書体だと思います。(P90)」などの記述にも、そうか!と思わされました。 その他 ・「約」の訓読み(つづめる!) ・フトコロ、重心など、デザインのポイント ・レタリングの技術(自分にないもの…) ・「の」が中国、台湾などで人気 ・「永字八法」(書道に必要とされる八つの技法が「永」の一文字に含まれていることを指した言葉(P60)) ・垂水かなによる太宰の「きりぎりす」(P187)(すごい!) などなど、とても楽しめ、有益でした。 ある意味テキスト。 本の構成になじむのに時間がかかり、初めは苦戦しましたが、その後は没頭。 1回借り直しで、2024.5.30読了。 読書を楽しむポイントが増えました。
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書体の説明の本は多いものの、書体の作り方がわかる貴重な一冊。デザインの参考というよりも、書体の深みに触れたい人向け。
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読了。明朝体のフォントの作り方を解説した本。膨大の数になる漢字、ひらがな、カタカナ、役物など、まさに線の引き方、その考え方を詳かにする。職人の技術の一端を覗き見できる楽しさがあった。 複数の書体を比較しながら、こちらはここがいいとか、もっとこうしたほうが良かったということを一文字...
読了。明朝体のフォントの作り方を解説した本。膨大の数になる漢字、ひらがな、カタカナ、役物など、まさに線の引き方、その考え方を詳かにする。職人の技術の一端を覗き見できる楽しさがあった。 複数の書体を比較しながら、こちらはここがいいとか、もっとこうしたほうが良かったということを一文字一文字解説していく部分では、言われてみれば…となるが、ふだん本で読んでいるときにはほとんど気にならないだろう。ただ、本を読むのにフォントが主張しては読みにくくなるので、「気にならない」ことが重要なのだろうと思った。
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書体デザインについての本。 読み物なのか?これは。。 専門書だ。マニアックだ。 知らない世界が広がってる。 書体設計士という仕事を初めて知った。 新しい書体・フォントを作るとき 何に気を付け、検討し、ルール化しているのか その思考過程が詳しく述べられている。 すごい。 いろいろな...
書体デザインについての本。 読み物なのか?これは。。 専門書だ。マニアックだ。 知らない世界が広がってる。 書体設計士という仕事を初めて知った。 新しい書体・フォントを作るとき 何に気を付け、検討し、ルール化しているのか その思考過程が詳しく述べられている。 すごい。 いろいろな書体を並べることで、 門外漢な自分でもなるほどなるほどと 見比べることができる。 美術好きな人にも楽しめそう。
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明朝体フォントの本。 どのように創るか、他の同じように見えるフォントと何が違うのか書かれています。 こんなに詳細にノウハウを公開していいのか、と思えるほど具体的です。 なお基礎知識として4つ挙げられています。 •大きさ(書体の使われ方に合う大きさで) •骨格(字体にふさわしい字...
明朝体フォントの本。 どのように創るか、他の同じように見えるフォントと何が違うのか書かれています。 こんなに詳細にノウハウを公開していいのか、と思えるほど具体的です。 なお基礎知識として4つ挙げられています。 •大きさ(書体の使われ方に合う大きさで) •骨格(字体にふさわしい字形をコンセプトに沿って考える) •エレメント(ハネやハライ等骨格に肉付けし印象をつくる) •太さ(繊細/無骨/弱さ/強さ等を表現) この4つが各文字においてどのように使われているか、何故そうなのかがわかります。 Illustratorを使っているのにフォント選びが雑だったことを反省しています。 P280-P281にて、横書き用の明朝体と普通の明朝体の比較があり、こんなにも読みやすさに違いがあるのかと気付かされた。 「文字」を扱う多くの方にお勧めしたい。
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明朝体をどのようにデザインしていくかを,漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベットや数字,役物について丁寧に解説した本。書体を作る人のノウハウを公開してしまって良いのか? とも思いつつ,書体を作るのにここまで考えるのか? と驚いた。 例えば漢字は基本となる文字を決めていて,そこから...
明朝体をどのようにデザインしていくかを,漢字,ひらがな,カタカナ,アルファベットや数字,役物について丁寧に解説した本。書体を作る人のノウハウを公開してしまって良いのか? とも思いつつ,書体を作るのにここまで考えるのか? と驚いた。 例えば漢字は基本となる文字を決めていて,そこから徐々に広げていくとか,縦書きと横書きで文字の形を変えるべきかとか,様々なことが考えられた結果として書体ができあがる。 私が本を読むときには全く書体を気にしていないが,気にしていないということは書体を制作した人にとっては成功なのだろう。
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