甘藍の芽 の商品レビュー
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六つに章立てされていて章ごとにテーマ性がある。呼応する句が多く句集全体を一編のストーリーとして鑑賞したい。引用少しだけ。 詩人ではない右側がよく渇く(巻頭句) 左側は詩人として生きていて、そちら側は満たされている。作中主体の二面性は表裏ではなく左右にある。 一対のわたし鏡の罅なぞる(p.27) 二面性が左右にあるなら、この「一対のわたし」の読みは変わってくる。 困ったな獣の耳が隠せない(p.27) 罅が入り隠せなくなった「獣の耳」。この耳を自覚してから捉える世界が変わる。 乗り遅れたのでカボチャに戻します(p.51) 第二章「るるるるる」はモチーフが楽しい。内にあるざらりとした感情をごまかすように。 繋がれた糸に鋏をそえておく(p.62) 第三章は家族の句が多い。その句群の中にそえられた「鋏」。 潔く誰かのものになる玩具(p.88) 「潔く」のどうにもならなさがせつない。 始まりの針を重ねたシンデレラ(p.117) 最終章「キャベツ」の一句目。カボチャに乗り遅れたシンデレラは自ら時計の針を重ねて次へ進む。 伏線は回収しない揚花火(p.136) 「伏線」は獣の耳が捉えたものか。「揚花火」との取り合わせがスカッとする。 ラストは作中主体が前向きになっていくのを感じて気持ちよく読み終えた。 そして、句集タイトル「甘藍の芽」に込められた想いに気付く。 是非一冊通してどうぞ。
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図書館で借りました。【字余りの分だけいつもより無口】【哀しいのだろうか濡れたままの傘】【泣きたくて笑窪の位置がずれてゆく】【わたくしの脱け殻を干す日曜日】【その次の言葉を待っているピアス】【別れ際やっと同じになる温度】 はっとさせられる言葉に委ねて、ページをひらひら捲った。
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