め生える の商品レビュー
ありのままでいることが出来ない側の人たちを描くのが高瀬さんは上手い。 みんなとは違う事にモヤモヤを感じる真智加や琢磨のような人たちは、エンタメ小説では主人公にはならないかもしれない。 けれどこの小説では、二人の微妙な思いと 自分が得られないものへの嫉妬をする人たちの描かれ方が素晴...
ありのままでいることが出来ない側の人たちを描くのが高瀬さんは上手い。 みんなとは違う事にモヤモヤを感じる真智加や琢磨のような人たちは、エンタメ小説では主人公にはならないかもしれない。 けれどこの小説では、二人の微妙な思いと 自分が得られないものへの嫉妬をする人たちの描かれ方が素晴らしかった。
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2024.7.11市立図書館 なにかのきっかけ(書評などに登場した)で読みたいと思って予約を入れた。 文庫より一回り大きくハンディな「100 min. NOVELLA 」という中編小説のレーベルらしく、実際に電車で移動しながら2時間ぐらいで読めた。 原因不明の感染症か何かで、お...
2024.7.11市立図書館 なにかのきっかけ(書評などに登場した)で読みたいと思って予約を入れた。 文庫より一回り大きくハンディな「100 min. NOVELLA 」という中編小説のレーベルらしく、実際に電車で移動しながら2時間ぐらいで読めた。 原因不明の感染症か何かで、おとなになるまでにみんながはげてしまうようになった世界の物語。自分の髪を急に失って心身に異常をきたす人がいれば、はげや薄毛のコンプレックスを持つマイノリティだった人たちがマジョリティに埋もれて生きやすくなったり、髪の毛のあるこども時代の終わり方にも変化があらわれたり、変化に乗り切れずに苦しむ人もいれば社会の変化に便乗して生きる人もいたり…といった混乱が群像劇として描き出されていておもしろかった。 急な変化にぱっと順応する人もいれば時間をかけて慣れていく人もいる。少数派だった人が多数派になっても、長年のコンプレックスが解消されたはずでも、ある種のもやもやは根強く残るものだし、あらたなもやもやの種もあちこちにある。実際にコロナ禍のマスクへの対応なんかにもこういう悲喜劇はあったなあと重ねながら読んだ。
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みんながはげる世界になって、人々のコンプレックスが逆転するとは… コンプレックスって、何であったとしても「周りと違うこと」が原因なんだろうなと思った。 真智加ちゃんには周りの目を気にせずに、ほんものの髪が生えているというコンプレックスを抱かず、堂々と生きていってほしい
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設定が斬新でテレビ番組「世にも奇妙な物語」のようだった。そういう不思議な話が好きな私には刺さる作品だった。最初はB級ホラーみたいな展開だけれどその後のお話はシリアス。色んな人物の話が繋がるのが面白かった。
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読んだ。 あれこれ書いたが、どうにもファンの方に申し訳ないので消した。ただ、自分には合わなかった、と自分用のメモとして残しておく。 ★3とし茶を濁す。
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視点が斬新すぎる。 みんな禿げた世界を通してマイノリティの生きにくさや人間関係のモヤモヤを炙り出していくのは相変わらずさすがです...。
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原因不明だがある日大人がみんなハゲるようになってしまった世界。元々薄毛だった真智加は大人になってハゲた。だがそこは大人になればみんなハゲるのだ。みんな平等にハゲ、ウィッグでおしゃれをしたり、頭にタトゥーを入れてそれぞれハゲに馴染んでいる。真智加もやっと薄毛を気にしなくてよくなった...
原因不明だがある日大人がみんなハゲるようになってしまった世界。元々薄毛だった真智加は大人になってハゲた。だがそこは大人になればみんなハゲるのだ。みんな平等にハゲ、ウィッグでおしゃれをしたり、頭にタトゥーを入れてそれぞれハゲに馴染んでいる。真智加もやっと薄毛を気にしなくてよくなった。なのに突然髪が生えてきた。ところがせっかく生えた地毛なのに外では地毛と言えない。人の目が無ければ自分の髪を触って幸福感に浸れるのに。この世界で髪が生えた真智加は幸せなのか?…なんとも難しい…
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例えば「老い」の中でも、シワができるとか老眼になるとかだと、全員に訪れるからそれほど恐れないけど、ハゲるに関しては、明らかにハゲる人とハゲない人といるから、そこに劣等感や優越感が生まれる。全員がハゲる世界、いいかも。 ハゲる感染症が流行るという設定が面白いので、奥田英朗さんとか...
例えば「老い」の中でも、シワができるとか老眼になるとかだと、全員に訪れるからそれほど恐れないけど、ハゲるに関しては、明らかにハゲる人とハゲない人といるから、そこに劣等感や優越感が生まれる。全員がハゲる世界、いいかも。 ハゲる感染症が流行るという設定が面白いので、奥田英朗さんとか森見登美彦さん、吉川トリコさんみたいな作家さんが書いたらまた別の面白い話になりそう
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みんなハゲるとなってても、必死に抗う人はいるのか… アンチエイジングに躍起になる人がいるんだから、いてもおかしくないのかー、と自分自身で納得。 みんなと一緒が正である日本だと主人公のような苦しみになるけど、もっと個性的であることが正の国ではどうなるのかな?などと本編とは関係ないことを考えたりした。
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