雨滴は続く の商品レビュー
西村さんの名前を鶯谷のルポで知り読み始めた。 私小説家が芥川賞を受賞するまでの物語。自分の才能に悩み、女に逃げ、卑怯な二股を掛ける。まあ酷い主人公なんだけど、そこが真理を抉っていて怖いもの見たさでついつい引き込まれていく。 この本が絶筆となった由。残念
Posted by
西村賢太という作家の人間そのものが溢れ出た名作です。読んでいて何度も自分にも当てはまるフシがあるなと思い、それを隠すこともなくさらけ出す私小説書きの貫多の心情に共感と賛美しかありません。喫茶店で一人読んでいて、あまりの人間味の強さに吹き出しそうになりました。葛山久子さんからの特別...
西村賢太という作家の人間そのものが溢れ出た名作です。読んでいて何度も自分にも当てはまるフシがあるなと思い、それを隠すこともなくさらけ出す私小説書きの貫多の心情に共感と賛美しかありません。喫茶店で一人読んでいて、あまりの人間味の強さに吹き出しそうになりました。葛山久子さんからの特別原稿は感動で心が震えます。もう西村賢太さんはいないのだ、という事実に寂寥を覚えます。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
電車内で笑いをこらえるのがつらかった。 初の1000枚長編は、実にダラダラ、ジワジワとしか進まない。 ・シングルマザーのデリヘル嬢おゆう、こと川本那緒子。 ・七尾〈清造忌〉の取材に来た新聞記者の葛山久子。 ・作家としての成り上がり前夜の時期に、作家であることがプライオリティになるのではとヤキモキ、フラフラ。 ・新川の活躍も見所。 ・ワンシーンワンシーンというより、一文一文のサービス精神が凄い。
Posted by
西村賢太「雨滴は続く」(文春文庫)読了。商業誌デビューから初単行本までの顛末。未完なのが惜しいけど、最後に岡惚れの対象として登場する葛山久子さんの寄稿が収録されてて泣ける。聖俗を見苦しく反復した生き様を肯定されるような、あるいは優しく突き放されるような切なさがあり、余韻が残った。
Posted by
【芥川賞受賞“前夜”の知られざる姿を描いた遺作】完結直前に著者急逝、衝撃を呼んだ遺作が待望の文庫化。新進作家・北町貫多の奮闘を描く。小説のヒロイン葛山久子の原稿も収録。
Posted by
- 1