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猿の戴冠式 の商品レビュー

3.3

26件のお客様レビュー

  1. 5つ

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  2. 4つ

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    6

  4. 2つ

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2024/02/18
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは…なんというジャンルの物語なのだろう。 登場するのは動植物園にいるボノボのメス、シネノとアスリートの女性、しふみ。しふみはシネノを見て、お姉ちゃんだと思う…というあらすじが気になって読み始めた。 読んでいると、誰の視点なのか?これは現実なのか?夢なのか妄想なのか。わからないところもあって、結局最後まで本当のことは何なのかよくわからなかった。(読み取る力がなくてつらい) ただ、本当はできることをやらないのは苦しいという文章に、なるほどと思わされた。できないことをやらないのはよい。できることをやらないのは苦しい。確かに。というか、むしろできることから逃げたり面倒だから避けたりしてることで、余計に自分を苦しめていることもあるかもと思った。苦しくならないために、面倒だからやりたくないと避けているのに、避けたことで出来たことによる達成感とか得られる経験とかからも避けてしまっていて、日々がつまらなくなっていないかと考えてしまった。 しかし、シネノとしふみの関係性は幼い頃に実験で会っていたということなの…?なんだかそのあたりがよくわからず、すっきりとはしなかった。

Posted byブクログ

2024/02/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

主人公が檻の外に出る物語。あるいは、虎になりそこねた李徴の話。 自我をとろけさせる心地よい相手もずっと存在するわけではない。自分を呪うわかりやすいトラウマがあるわけではない。不倶戴天のわかりやすい敵もいない。自分を不愉快にさせる相手や知らない大勢の悪意も自分を縛るものではない。頭の中で目まぐるしく移る思考を、身体はどう思うか。 空想の安全地帯を何度もループし、主人公は結論に達する。自分は自分というだけで王冠を戴き、誇りをもてばよい。安全地帯を出て無様にもがけばよい。

Posted byブクログ

2024/01/26

独創的すぎる。 自他境界、アイデンティティが曖昧で、ないまぜになって起きる幻想の文芸。 他種とのシンパシーにグラグラする世界観。 その疾走に酔いそうになるけれど読み進める。 前作も主人公は心的現実を生きていたが 言語化できないけれど、ありきたりなさに最後までどう展開するのか全く読...

独創的すぎる。 自他境界、アイデンティティが曖昧で、ないまぜになって起きる幻想の文芸。 他種とのシンパシーにグラグラする世界観。 その疾走に酔いそうになるけれど読み進める。 前作も主人公は心的現実を生きていたが 言語化できないけれど、ありきたりなさに最後までどう展開するのか全く読めない。 けれど、しふみはきっと大丈夫。 いろいろな読み方ができる本は面白くて好きです。

Posted byブクログ

2024/08/01

ジャケットが気になったのと、著者が岩手県出身とのことで同郷のよろこびで購入しました。 自己と他者を理解.識別できるボノボと、臆病な主人公の女性との邂逅から、心の成長を一歩一歩描く様子がとても心に響きます。 現実と空想?の境目をあえて曖昧に描いているためか、途中で読むのをやめられな...

ジャケットが気になったのと、著者が岩手県出身とのことで同郷のよろこびで購入しました。 自己と他者を理解.識別できるボノボと、臆病な主人公の女性との邂逅から、心の成長を一歩一歩描く様子がとても心に響きます。 現実と空想?の境目をあえて曖昧に描いているためか、途中で読むのをやめられなくなり、すぐに読み終えることができました。 芥川賞候補作とのことですが、受賞していい本だと私は感じました。

Posted byブクログ

2024/01/06

群像2023年12月号 前作『家庭用安心坑夫』も、本作も、私にはサッパリ理解できませんでした。 どなたかこの小説の良さを解説していただけないでしょうか。

Posted byブクログ

2024/01/03

群像12月号より 小砂川チト氏の作品は前回の家庭用安心坑夫に続く2作目で、正直前作で感じた違和感より、更に強く感じた違和感とでも言おうか、わけわからなさが増し増しでした。今回も芥川賞候補作に選出されたので、読みましたが、そうじゃないのであれば、最後まで読めなかった作品かもしれない...

群像12月号より 小砂川チト氏の作品は前回の家庭用安心坑夫に続く2作目で、正直前作で感じた違和感より、更に強く感じた違和感とでも言おうか、わけわからなさが増し増しでした。今回も芥川賞候補作に選出されたので、読みましたが、そうじゃないのであれば、最後まで読めなかった作品かもしれない。 自分に読み取る能力がまだまだ備わっておらず、この手の作品は苦手である。 どこからが現実で、どこからが妄想なのかわからず、常に足場は揺ら揺らし、不安定な日常の中、壊れていく精神の崩壊。 実際、物語のメインパーソナリティしふみは引きこもり。アスリートでありながら ある事件で世間を騒がせ、心を病んでいた。そんな中、たまたま観たTVに映った 類人猿ボノボ、シネノに自分の姉を重ね動物園に会いに行く。と言った話だが、最近読んだ中村文則の列で猿の生態や、猿の世界の序列と人間界のシンクロを狙ったものかと思いきや、そうではない。他の人の感想がとかく、気になります。

Posted byブクログ