黛家の兄弟 の商品レビュー
この方の作品はとにかく文面が緻密で美しい情景が浮かんできて圧倒される。 導入部では黛の三兄弟が内記の策略により翻弄される。選択を迫られる苦悩に新三郎の未熟は罪だ、と至らなさを痛感する場面、分かってしまう。無知であるのが恐ろしいんだ。 第二話になると成長した織部正(呼び方が役職で引...
この方の作品はとにかく文面が緻密で美しい情景が浮かんできて圧倒される。 導入部では黛の三兄弟が内記の策略により翻弄される。選択を迫られる苦悩に新三郎の未熟は罪だ、と至らなさを痛感する場面、分かってしまう。無知であるのが恐ろしいんだ。 第二話になると成長した織部正(呼び方が役職で引き継がれているのが新鮮)が内記の懐刀になっているのだからどうしても勘ぐってしまう。 本当に疑う余地がなかったのだけど、十年近くも一緒にいたら情か移ってこやんのかと。 読み進めてたら物語の締めにはやはり、師の様な存在でもあったとわかり敵でもあったが複雑な思いが垣間見えた。 後半はミステリー的な感じもあり、騙し合いとドロドロとした流れであったが、最後は爽やかな締め方でスッキリした。 後、男衆は裏表が激しかったが、女性は強く可愛い人が多かったのが印象に残った。
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前半は、初々しい、少年の主人公の成長と父、兄達の様子がその時代の景色と共にいきいきと描かれているいて、読んでいてストレートに楽しい。そして後半。13年もの時が、経ってしまっていた。あれあれ?あれあれ?の連続。そしてこの変化の奥には何かあるぞ。と思わせる展開。時代小説を越えた、人間...
前半は、初々しい、少年の主人公の成長と父、兄達の様子がその時代の景色と共にいきいきと描かれているいて、読んでいてストレートに楽しい。そして後半。13年もの時が、経ってしまっていた。あれあれ?あれあれ?の連続。そしてこの変化の奥には何かあるぞ。と思わせる展開。時代小説を越えた、人間社会の絡み合いが、最後まで興味深く読み進めた。何か悔しさや納得のいかないもどかしさをゴクンと飲み込む。現代と変わらね人の世を実感。
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とても面白かった。前作同様、かつての侍たちが持つ矜持と、現代人にも理解しやすい情や心理がとてもうまくミックスされていると思う。激しく豊かな想いを持ちながらも、自分を律し滅私奉公に徹する姿は美しい。 神山藩シリーズ3作目も楽しみ。年末にでもゆっくり味わって読んでみたい。
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続きが気になって時間があれば読んでましたとてもおもしろかったので、他の作品も読んでみたいと思いました
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めちゃ面白かった。 庄左衛門には関係ないが、 同藩の立花さんや啓一郎が学んだ藩校が、まだ構想程度だった時代の神山藩。 そして、『庄左衛門』よりもエンターテイメント性が飛躍的に高くなっている。 ミステリ、ツイスト、アクション、そしてロマンス こなれてはりますな。 個人的には『庄左衛...
めちゃ面白かった。 庄左衛門には関係ないが、 同藩の立花さんや啓一郎が学んだ藩校が、まだ構想程度だった時代の神山藩。 そして、『庄左衛門』よりもエンターテイメント性が飛躍的に高くなっている。 ミステリ、ツイスト、アクション、そしてロマンス こなれてはりますな。 個人的には『庄左衛門』のほうが好きではある。 というのも 今度の主役は黛家三兄弟、そしてその末っ子が主役である。 若い、、 しかし、育成系の楽しさがある。 そして、きっと腐味を見出す人が多そうではある(あははは) 前作の庄左衛門もそうだが、部屋住の武家の次男三男以下同文たちが 養子や婿に入って、そのお家を盛り上げたり、 主家の長男に不幸があったり差し障りがあって、元家に戻されるとか そういう、ままあることながらあんまり物語になってこなかったタイプの なんていうか、個人だけでなく”家”というパックを存続させるという 強い意志をもった人々が描かれるのが非常に面白い。 何かをなすときに、全てを薙ぎ倒していくいわゆる西洋スーパーヒーロー的なんではなく、 根回しをして、我慢をして、何がプライオリティなのか、というのを忘れず 周りの噂に屈せず、 これこそ、さぶらふもの、 侍である。 うっとりさせられた。 今作は、ものすんごくさらに長い期間の赤穂浪士的な黛と 平安の藤のような漆原、 というのが個人的な感想。 それが正しいとか正しくないとか、 司法にのっとってるとか、違法だとか、 そういうのではなく、何が大切か、という刀を 首につきつけられている心持ちのする作品であった。 あいかわらず、野鳥がええ感じに出てくる 「真鴨が一羽、燃え立ちような光を浴びながら水面をすべっていった。」 織部正(先代/舅)があげた笑い声に 「頬白の飛び立ってゆく音が耳にとまる」 友垣、情、血族、そして家 「おなじことなら、強い虫になられるがよい」 「所詮、個々の生に意味などないことは、いま足もとを這っている虫をみれば分かる。ただいのちをつなぎ、子や孫に伝えることだけが求められているすべてなのだろう。それでは満足できぬのが、おのれをふくめて、ひとという生きものの不幸というべきだった。」 余韻の良い小説である。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
それぞれの人生を丁寧に描く。久しぶりに物語世界にはまり込むことができた。山本周五郎賞は裏切らない。兄弟の強い絆が最後に示されて、こちらは気づいていなかったので仇敵と一緒に驚いてしまった。
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時代小説は舞台が限られているからやむ得ないのだが、筋書きはありきたり・・だが、砂山氏の筆は違う! 何といっても骨太い。 時を、藩ののドラマはともに伏線がびっしり惹かれている。それは論理的にきっちり回収されており、読後の充実差に通じている。 1冊目で読んだ「高瀬庄左エ門」でも十分...
時代小説は舞台が限られているからやむ得ないのだが、筋書きはありきたり・・だが、砂山氏の筆は違う! 何といっても骨太い。 時を、藩ののドラマはともに伏線がびっしり惹かれている。それは論理的にきっちり回収されており、読後の充実差に通じている。 1冊目で読んだ「高瀬庄左エ門」でも十分に満足したが、こちらはそれを上回る重厚、かつ複雑な筋の展開だ。 代々筆頭家老の家に生まれた3兄弟。 長ずるにしたがって、想いを抑えて人生が展開していき、藩の運命とリンクしてあたかも転がる石の如く半ば宿命ともいうような時間が流れた。 新三郎を主軸に置き、長兄次兄、そしてそれぞれの伴侶、女を配し、愛の種々の形が見事。 キャラ立ちが良い・・りう、みや、すぎ、おとき・・・ 最初の頃に登場した一人一人が歩みを見せ、皆それぞれに、タガを締めている。 最期の頁に登場する壮太に・・影のように寄り添ってきた圭蔵はもとより佐倉、五郎兵衛、登場が少なく、ヒール的立ち位置に餅を通わせた群像絵巻は素晴らしい。 次作、期待高まってしまう。
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「神山藩」シリーズ第2作目は、本屋が選ぶ時代小説大賞など4冠を獲得した『高瀬庄左衛門御留書』以上の傑作。 今まで読まずにいたのが惜しまれたと思わずにはいられない第35回山本周五郎賞受賞作。 神山藩で筆頭家老を勤める黛家の三男新三郎が主人公。 三兄弟それぞれに描き分けられ、どんでん...
「神山藩」シリーズ第2作目は、本屋が選ぶ時代小説大賞など4冠を獲得した『高瀬庄左衛門御留書』以上の傑作。 今まで読まずにいたのが惜しまれたと思わずにはいられない第35回山本周五郎賞受賞作。 神山藩で筆頭家老を勤める黛家の三男新三郎が主人公。 三兄弟それぞれに描き分けられ、どんでん返し的なミステリー性もあって、これぞ時代小説と堪能の読後感。 「それはわれらが、黛家の兄弟だからでござる」に、カタルシスを覚える。
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高瀬庄左エ門が素晴らしかったので、神山藩シリーズを読むことにした3冊目。 前作も面白かったが今作も期待を裏切らない出来栄え。 辻村深月の伏線回収が見事で好きなのだが、砂原浩太朗の伏線回収も素晴らしい。 今回も読了後二回読みかえした。 兄弟の絆に感動。
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神山藩シリーズ第二弾 藩の相続が絡んだ派閥争い 雌伏する兄弟 策略に策略が重なる。 長い時間をかけて発現した策略 どんな状況の中でも信頼して行動できる兄弟の絆が鮮やかに描かれる。
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