顔に取り憑かれた脳 の商品レビュー

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9件のお客様レビュー

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2024/10/31

『#顔に取り憑かれた脳』 ほぼ日書評 Day817 新書版の理系書。巻末の参考文献リストだけで10ページというかなり真面目な本だが、内容は読みやすい。 人の目には"白目"がある。他の動物では皆、目がまん丸(黒目しか見えない)か、霊長類で"白目&...

『#顔に取り憑かれた脳』 ほぼ日書評 Day817 新書版の理系書。巻末の参考文献リストだけで10ページというかなり真面目な本だが、内容は読みやすい。 人の目には"白目"がある。他の動物では皆、目がまん丸(黒目しか見えない)か、霊長類で"白目"が見える種類でも「白」ではなく体色と同じ(褐色)である。 "白目"が白いと、黒目との比較で、目がどこを向いているかが一目瞭然となり、外敵から身を守るにおいて著しく不利である。 一方で人類はこの白い"白目"を目配せといった意思疎通に使うことで、集団による狩猟等に有利に働かせたと推測される。 といったエピソードの紹介から始まり、赤ちゃんが人の顔を認識できるようになる時期、鏡に映った自分を認識できる動物の種類(魚にもそうした種がいるというのは驚き)、動物の中でも犬にのみ表情を動かす筋肉が発達している(狼にも猫にもない)、さらに古くはプリクラ、近年はスマホアプリで自分の顔や体型を修正せずにはいられない人間のサガ等、人が人としてコミュニケーションできるために備わった様々な認識能力を平易に紐解いてくれる。 https://amzn.to/4e6DgY8

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2024/09/27

 ∵ という記号だけでも、何となく顔に見える。これが人間の脳機能であるが、本書は、こうした顔に関する最新研究の四方山に触れる内容だ。なんでそんな風に顔を認識する事が重要なのか、自他にとって顔の見え方はどう違うのか、表情の重要性、どれだけの数の顔を認識できる能力があるのか、などなど...

 ∵ という記号だけでも、何となく顔に見える。これが人間の脳機能であるが、本書は、こうした顔に関する最新研究の四方山に触れる内容だ。なんでそんな風に顔を認識する事が重要なのか、自他にとって顔の見え方はどう違うのか、表情の重要性、どれだけの数の顔を認識できる能力があるのか、などなど。美しい顔とは。 ー 紡錘状回、後頭顔領域、下側頭回の3つの領域が、それぞれ顔の要素と構成(全体配置)のどちらの情報表現により深く関わっている。…誰にでもパレイドリア現象は起きるので、人面魚ブームが起きるわけなのですが、レビー小体型認知症では、この錯視が特徴的な症状の一つとなっています。例えばなんでもない模様が顔に見えたり、壁の黒い点々が虫に見えてしまったりする、というケースなどです。 誰にでも、黒い点やシミが顔に見える機能が備わっている。これは、生きる上で必要な機能だったという事が本書で説明される。乳幼児が顔を持つものを識別できる必要が最初にあるからだ。 ー 人が知っている顔の数は、およそ5000人と推定されました。人間が維持できるソーシャルネットワークのサイズは100~250人と言われていますので、その数十倍もの顔を人は覚えることができるのです。このように大勢の人の顔を覚える能力があるおかげで、私たちは、世界を大きく広げることができるのです。ただし、顔を覚えている数の個人差はとても大きいようで、この研究では、人によって1000人から1万人の幅がありました。 ロビンダンバーの仮説ではネットワークで150人程度との事だが、認識するだけならば、人間の脳は5000人までいけるらしい。でも、名前まで5000人覚えられるだろうか。恐らく、この人見たことあるな、程度の話だろう。それならば納得感がある。 これも面白いなと思ったのは、以下の内容。 ー ニック・イーらは、アバターの見た目が、そのユーザーの気持ちや行動に影響を与えることを、ギリシャ神話に出てくる変幻自在に姿を変える神、プロテウスにちなんで「プロテウス効果」と名付けました。このプロテウス効果のすごいところは、アバターを1分間ほど操作しただけで、瞬時に自己評価が変化し、行動変容が起きる点です。アバターをツールとして使いこなしているだけでなく、自己の一部として取り込んでいるのです。 自己認識を向上すると人の態度が変わる。人間は顔や見た目に敏感であり、その見た目で瞬時に自己を含めた序列化をするような社会性機能が備わった生き物だ。顔に特化した興味深い内容だった。

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2024/05/21

顔の写真加工の評価が、他人の顔に対するものと自分の顔に対するもので違う(自分の顔には強い加工を好む)とかって話はおもしろい。あれはへんだもんねえ。

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2024/06/06

覚悟していたけど私には難しかった〜心理学的なところが知りたかったけどがっつり脳科学でした。2章はだいぶ飛ばしてしまった 内容としてはとても興味深かった

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2024/04/12

全5章にわたって顔の認識について考察。 1章2章の顔の認識と脳の働き仕組みや新生児がどのように顔を認識していくかなど詳しい説明。3章や4章は自分の顔への重要性、ドーパミンとの関連、そして他者の顔認識と自分の顔を使ってのコミュニケーション。表情へのこだわりも興味深かった。 AIやS...

全5章にわたって顔の認識について考察。 1章2章の顔の認識と脳の働き仕組みや新生児がどのように顔を認識していくかなど詳しい説明。3章や4章は自分の顔への重要性、ドーパミンとの関連、そして他者の顔認識と自分の顔を使ってのコミュニケーション。表情へのこだわりも興味深かった。 AIやSNSにより顔の意味が変化している。他者への通路としての関係性がどうなるか興味深い。

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2024/03/29

難しく、読み進めるのが大変 でも気になるテーマなので興味深く、最後の方は内容に慣れてスラスラと読むことができた

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2024/05/29

 著者は「心」の仕組みを解明する研究に取り組む認知神経学者。脳神経学を軸に精神科学や文学の分野にまで切り込みながら、「自分の顔」にまつわる種々のテーマを掘り下げていく。  まず1章で顔を認知する脳神経ネットワークが、続く2章で鏡に映る自分の顔を社会的文脈の中で象徴化された客体と...

 著者は「心」の仕組みを解明する研究に取り組む認知神経学者。脳神経学を軸に精神科学や文学の分野にまで切り込みながら、「自分の顔」にまつわる種々のテーマを掘り下げていく。  まず1章で顔を認知する脳神経ネットワークが、続く2章で鏡に映る自分の顔を社会的文脈の中で象徴化された客体として解釈する能力の獲得過程がそれぞれ紹介されたのち、3章ではいよいよメインテーマとなる「自己の顔を編集することの喜び」が語られる。自分の顔を見ると脳幹のVTA(腹側被蓋野)という部分的が活性化されドーパミンが分泌されるのだが、このドーパミンは報酬に伴う快楽そのものではなく、事前に期待された報酬からの快楽と実際に得られた報酬からの快楽の開差に応じて分泌されるため、毎日見ることで刺激が薄れていく自分の顔からは次第にドーパミンによる報酬系の賦活化の度合いが逓減していく。その結果としてモチベーションの低下をもたらすため、我々の動機は自己の顔をより極端に編集・加工する方向にドライブされることになる。  それではそもそも自分の顔を魅力的に見せることでこのような報酬が得られる理由は何か、ということになるのだが、それは自分の外見の内面化、すなわち本来自分では伺い知ることのできない自分の社会的評価を鏡や写真により知ることができるようになったという社会的・文化的要因によるのだという。しかも昨今では画像編集などで容易に自分の社会的容貌をコントロール下に置くことができてしまうのだから尚のことだろう。  面白いと思ったのは、この報酬系のスキームを構成する要素には「他人からの自分の評価」は含まれているが、「他人の視点」そのものは巧妙に取り除かれているという点だ。他人の視点を内面化するということはすなわち「他人はこう自分を見ているはず」と自らを思い込ませることに他ならず、そうなってしまえばも最早本当に他人がどう思っているかは問題にならない。これが自己イメージの編集作業に、独り善がりな印象が伴う理由なのだろう。

Posted byブクログ

2024/02/06

非常に示唆に満ち、深掘りしたくなるトピックスを理路整然とわかりやすく伝える本。 人間が他者の顔を認識する仕組み、自分の顔を認識する過程、その意味などを科学的かつ社会的に分析。 今後の深掘りを促す内容だ。 読了120分

Posted byブクログ

2024/01/21

顔を見る脳の仕組み:目の進化 fMRI 物体のパターン分類 ひっくり返った顔 おばあさん細胞仮設 心のシグナル 自分の顔と出会うとき:倒立顔<正立顔 ベピニユーロン・顔ニューロン 知覚狭窄 鏡像自己認知の3段階 恥じらいの感情 自分の顔に夢中になる脳:自分の顔=VIP 強めの美加...

顔を見る脳の仕組み:目の進化 fMRI 物体のパターン分類 ひっくり返った顔 おばあさん細胞仮設 心のシグナル 自分の顔と出会うとき:倒立顔<正立顔 ベピニユーロン・顔ニューロン 知覚狭窄 鏡像自己認知の3段階 恥じらいの感情 自分の顔に夢中になる脳:自分の顔=VIP 強めの美加工 字ギルトハイド 報酬系・ドーパミン ミニマルセルフ サリエンスネットワーク アイデンティティの座 自己と他者をつなぐ顔:表情の普遍性 類似性・相補性の法則 瞬きで会話の間を共有 未来社会における顔:SNSの弊害 プロテウス効果

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