顔に取り憑かれた脳 の商品レビュー
外見、顔を超えて人を理解できるようになりたい。 苦しい時に無理して笑うべきではないという所は強く同意する。
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顔というのは人間の社会活動において欠かせない存在である。どの人種にも共通の感情を表すパーツであり、相手の能力や信頼性を判断する際の重要な指標となる。人間の目は他の霊長類よりも白い部分が多く感情を伝えやすく、自分の顔を他人の顔よりも歪んで評価しやすい。また、犬や猫は長年の歴史の中で...
顔というのは人間の社会活動において欠かせない存在である。どの人種にも共通の感情を表すパーツであり、相手の能力や信頼性を判断する際の重要な指標となる。人間の目は他の霊長類よりも白い部分が多く感情を伝えやすく、自分の顔を他人の顔よりも歪んで評価しやすい。また、犬や猫は長年の歴史の中で人間が判断しやすい顔の表情を伝えやすいように進化して来たという観点も面白かった。この本の重きを置くところは、昨今のディープテクノロジーやバーチャル空間、AIの発達による顔を取り巻く環境の激甚な変化であり、初めて1万年前に現在のトルコで鏡が使われ始めた時と同じくらいの劇的な役割の変化が、私たちの周りで起き始めているのかもしれない。どうなるかは誰にも分からないが、人間が顔を通して悩むのは、犬や猫にはできず、鯨や像や人間にしかできない、鏡像的認知ができるゆえなのである。
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『顔に取り憑かれた脳』 2025年5月15日読了 昨今では美容整形する人が増え、アプリでの写真加工は日常茶飯事のこととなった。これほどまでに自分の「顔」について、意識を向けざるを得ない時代もなかっただろう。SNSを開けば見知らぬ誰かのキラキラした日常、モデルのようにすらっとした...
『顔に取り憑かれた脳』 2025年5月15日読了 昨今では美容整形する人が増え、アプリでの写真加工は日常茶飯事のこととなった。これほどまでに自分の「顔」について、意識を向けざるを得ない時代もなかっただろう。SNSを開けば見知らぬ誰かのキラキラした日常、モデルのようにすらっとした体型、そして華やかで美しい顔貌…と、単純に羨ましいと思う写真や情報が次々と投稿される。気にしなければいいのに、やっぱり気になってしまい、彼らと自分との差に愕然としてしまう。なぜ現代人はこれほどまでに「美」を追求するのか。追求せざるを得ないのか。そう言ったことが気にかかり、本書を手に取った。 人間の脳には「自分の顔がより美しく変化したときに反応する、ドーパミン報酬系がある」というのが、もはや端的に答えを述べているのではないだろうか。魅力的な人物になるということは、それだけパートナーとして選ばれる確率が高くなるということだ。クジャクがきれいな尾羽でもって求婚するように、魅力的な人をパートナーにしたいというのは、動物として優秀な子孫を残したいという本能がある以上、仕方のないことのように思う。また、「自分の顔は…(略)…お金や名誉などの抽象的な価値に近い形で捉えられている」とあるように、自分の顔が美しくなることは、社会的な地位や価値といった気持ちよさと繋がっているようだ。 動物的な生存戦略に生き残るために、そして社会で生きやすくなるために、美しくなることでドーパミンが放出され気持ちよくなるわけだ。それは「美」への依存も高くなるというわけだ。 また興味深かったのは、魅力的なアバターと魅力的でないアバターを使用した実験である。被験者たちは仮想空間上での自分自身「アバター」を駆使して、お金の分配に関する交渉をする。必ず自分に利があるようにしなくてはならないのだが、魅力的なアバターを使用した時のほうが、より強気な交渉をするという実験結果が得られた。 「外見ではなく内面をみましょう」とは、よく言われる言葉だ。だがこれほどまでに、人間の脳は「美」に執着しているのか。我々が「美しい顔」を追い求める理由の一つを理解することができた。
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『#顔に取り憑かれた脳』 ほぼ日書評 Day817 新書版の理系書。巻末の参考文献リストだけで10ページというかなり真面目な本だが、内容は読みやすい。 人の目には"白目"がある。他の動物では皆、目がまん丸(黒目しか見えない)か、霊長類で"白目&...
『#顔に取り憑かれた脳』 ほぼ日書評 Day817 新書版の理系書。巻末の参考文献リストだけで10ページというかなり真面目な本だが、内容は読みやすい。 人の目には"白目"がある。他の動物では皆、目がまん丸(黒目しか見えない)か、霊長類で"白目"が見える種類でも「白」ではなく体色と同じ(褐色)である。 "白目"が白いと、黒目との比較で、目がどこを向いているかが一目瞭然となり、外敵から身を守るにおいて著しく不利である。 一方で人類はこの白い"白目"を目配せといった意思疎通に使うことで、集団による狩猟等に有利に働かせたと推測される。 といったエピソードの紹介から始まり、赤ちゃんが人の顔を認識できるようになる時期、鏡に映った自分を認識できる動物の種類(魚にもそうした種がいるというのは驚き)、動物の中でも犬にのみ表情を動かす筋肉が発達している(狼にも猫にもない)、さらに古くはプリクラ、近年はスマホアプリで自分の顔や体型を修正せずにはいられない人間のサガ等、人が人としてコミュニケーションできるために備わった様々な認識能力を平易に紐解いてくれる。 https://amzn.to/4e6DgY8
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顔の写真加工の評価が、他人の顔に対するものと自分の顔に対するもので違う(自分の顔には強い加工を好む)とかって話はおもしろい。あれはへんだもんねえ。
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覚悟していたけど私には難しかった〜心理学的なところが知りたかったけどがっつり脳科学でした。2章はだいぶ飛ばしてしまった 内容としてはとても興味深かった
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全5章にわたって顔の認識について考察。 1章2章の顔の認識と脳の働き仕組みや新生児がどのように顔を認識していくかなど詳しい説明。3章や4章は自分の顔への重要性、ドーパミンとの関連、そして他者の顔認識と自分の顔を使ってのコミュニケーション。表情へのこだわりも興味深かった。 AIやS...
全5章にわたって顔の認識について考察。 1章2章の顔の認識と脳の働き仕組みや新生児がどのように顔を認識していくかなど詳しい説明。3章や4章は自分の顔への重要性、ドーパミンとの関連、そして他者の顔認識と自分の顔を使ってのコミュニケーション。表情へのこだわりも興味深かった。 AIやSNSにより顔の意味が変化している。他者への通路としての関係性がどうなるか興味深い。
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難しく、読み進めるのが大変 でも気になるテーマなので興味深く、最後の方は内容に慣れてスラスラと読むことができた
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著者は「心」の仕組みを解明する研究に取り組む認知神経学者。脳神経学を軸に精神科学や文学の分野にまで切り込みながら、「自分の顔」にまつわる種々のテーマを掘り下げていく。 まず1章で顔を認知する脳神経ネットワークが、続く2章で鏡に映る自分の顔を社会的文脈の中で象徴化された客体と...
著者は「心」の仕組みを解明する研究に取り組む認知神経学者。脳神経学を軸に精神科学や文学の分野にまで切り込みながら、「自分の顔」にまつわる種々のテーマを掘り下げていく。 まず1章で顔を認知する脳神経ネットワークが、続く2章で鏡に映る自分の顔を社会的文脈の中で象徴化された客体として解釈する能力の獲得過程がそれぞれ紹介されたのち、3章ではいよいよメインテーマとなる「自己の顔を編集することの喜び」が語られる。自分の顔を見ると脳幹のVTA(腹側被蓋野)という部分的が活性化されドーパミンが分泌されるのだが、このドーパミンは報酬に伴う快楽そのものではなく、事前に期待された報酬からの快楽と実際に得られた報酬からの快楽の開差に応じて分泌されるため、毎日見ることで刺激が薄れていく自分の顔からは次第にドーパミンによる報酬系の賦活化の度合いが逓減していく。その結果としてモチベーションの低下をもたらすため、我々の動機は自己の顔をより極端に編集・加工する方向にドライブされることになる。 それではそもそも自分の顔を魅力的に見せることでこのような報酬が得られる理由は何か、ということになるのだが、それは自分の外見の内面化、すなわち本来自分では伺い知ることのできない自分の社会的評価を鏡や写真により知ることができるようになったという社会的・文化的要因によるのだという。しかも昨今では画像編集などで容易に自分の社会的容貌をコントロール下に置くことができてしまうのだから尚のことだろう。 面白いと思ったのは、この報酬系のスキームを構成する要素には「他人からの自分の評価」は含まれているが、「他人の視点」そのものは巧妙に取り除かれているという点だ。他人の視点を内面化するということはすなわち「他人はこう自分を見ているはず」と自らを思い込ませることに他ならず、そうなってしまえばも最早本当に他人がどう思っているかは問題にならない。これが自己イメージの編集作業に、独り善がりな印象が伴う理由なのだろう。
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非常に示唆に満ち、深掘りしたくなるトピックスを理路整然とわかりやすく伝える本。 人間が他者の顔を認識する仕組み、自分の顔を認識する過程、その意味などを科学的かつ社会的に分析。 今後の深掘りを促す内容だ。 読了120分
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