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香子(一) の商品レビュー

3.8

8件のお客様レビュー

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2024/07/22

大河ドラマの描かれ方との違いを比較しながら読め、楽しかった。 源氏物語の下地には、紫式部の漢籍の素養があり、本当に偉大な文学なのだなぁ。 漢詩が多く出てきていて、一度で理解するのは難しかったので、再読して味わえるようになりたい。

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2024/06/18

なるほど、そりゃ全5巻にもなるわ。一作で二度美味しい。といいつつ作中作の部分はさらさらと…。頑張って5巻まで読みます。

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2024/04/24

一つで二度味わえる小説。紫式部物語を読む中で作中で書かれる源氏物語を読んでいることになる。香子(かおるこ)は父から「香子(きょうこ)、今日からそなたのことを、かおること呼ぶことに決めた」と言われた。女子にしておくのは惜しい。男子であればこの堤第を再興してくれるだろう。誰でもが認め...

一つで二度味わえる小説。紫式部物語を読む中で作中で書かれる源氏物語を読んでいることになる。香子(かおるこ)は父から「香子(きょうこ)、今日からそなたのことを、かおること呼ぶことに決めた」と言われた。女子にしておくのは惜しい。男子であればこの堤第を再興してくれるだろう。誰でもが認めるひとかどの人物になる、その資質が薫るからだ、と言われる。和歌と漢詩が作中にふんだんに出てくる。漢詩は漢字が難しく意味を取りがたいものも多いが、和歌は二度読んでみるとなんとなく雰囲気で分かってくるものが多い。源氏物語の桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫、末摘花まで書かれた。

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2024/09/25

「香子(一) 紫式部物語」帚木蓬生著、PHP研究所、2023.12.26 462p ¥2,530 C0093 (2024.04.12読了)(2024.02.23入手) 紫式部の物語と思って読み始めたのですが、紫式部が『源氏物語』を書きはじめると紫式部が書いている『源氏物語』の内容...

「香子(一) 紫式部物語」帚木蓬生著、PHP研究所、2023.12.26 462p ¥2,530 C0093 (2024.04.12読了)(2024.02.23入手) 紫式部の物語と思って読み始めたのですが、紫式部が『源氏物語』を書きはじめると紫式部が書いている『源氏物語』の内容がごっそり入ってきました。全文が挿入されているのかどうかは、他の翻訳本などと比較してみないことにはわかりません。いずれにしても、帚木蓬生さん訳の『源氏物語』を読むことになりそうです。 他の紫式部物語では、実の母親は紫式部が幼いうちに亡くなったことになっているのですが、この本では母親は健在です。 【目次】 第一章 香子 第二章 蔵人 第三章 北山詣で 第四章 今上帝出家 第五章 新帝即位 第六章 出仕 第七章 新手枕 第八章 宇治行 第九章 越前下向 第十章 越前国府 第十一章 起筆(1帖 桐壺) 第十二章 雨夜の品定め(2帖 帚木) 第十三章 越前の春(3帖 空蝉)(4帖 夕顔) 第十四章 京上り(6帖 末摘花) 第十五章 懸想文(5帖 若紫) ●内面が書けてない(402頁) 「桐壺」「帚木」「空蝉」「夕顔」「末摘花」とひととおり書き整えて来たのも、これでひと区切りだった。考えてみると、これまでは光源氏のいわば外向きの行為で、まだ内面は全く描き切れていない。いわば浮かれ出ての逸話であり、光源氏が自らの意志で動く話が欠けていた。物語としては、中が空洞のままなのだ。 ☆関連図書(既読) 「紫式部」山本藤枝著、火の鳥伝記文庫、1987.03.21 「散華(上) 紫式部の生涯」杉本苑子著、中央公論社、1991.02.20 「散華(下) 紫式部の生涯」杉本苑子著、中央公論社、1991.02.20 「小説紫式部 香子の恋」三枝和子著、福武文庫、1994.12.05 「小説紫式部」三好京三著、鳥影社、2006.04.24 「新・紫式部日記」夏山かほる著、日本経済新聞出版社、2020.02.21 「紫式部日記」紫式部著・山本淳子訳、角川ソフィア文庫、2009.04.25 「紫式部の娘 賢子」田中阿里子著、徳間文庫、1992.05.15 「藤原道長」北山茂夫著、岩波新書、1970.09.21 「平安人物伝藤原道長(コミック版日本の歴史44)」静霞薫原作・中島健志作画、ポプラ社、2015.01. 「入道殿下の物語 大鏡」益田宗著・赤坂三好絵、平凡社、1979.07.05 「大鏡(ビギナーズ・クラシックス日本の古典)」武田友宏編、角川ソフィア文庫、2017.12.25 「道長ものがたり」山本淳子著、朝日新聞出版、2023.12.25 (アマゾンより) 5ヵ月連続発刊、第1弾! 千年読み継がれる物語は、かくして生まれた―― 帚木文学の集大成にして最高到達点の長編小説〈全五巻〉 父や祖母の薫陶を受けて育った香子(紫式部)は、「いつの日か、『蜻蛉日記』を超えるものを書いてほしい」という早世した姉の想いを胸に、物語への素養を深めていく。夫との短い結婚生活、家族とともに向かった越前での暮らし……その中で、香子はまったく新しい物語を紡いでいく。 香子の人生とともに、1巻では『源氏物語』「桐壺」~「末摘花」の帖についても描き出した、著者渾身の長編小説。

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2024/03/08
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 著者作品は3作目。  そのペンネームから源氏物語とはなにかしら所縁があろうことは想像できたが、ついに手を付けたかという感じだ。  折しも今年は大河ドラマでも紫式部の物語が放映されている。満を持してということだろう。  400頁を超える文量だが、まだ第1巻。今後も、続巻が予定されている(すでに3巻までは出てる?!)。毎月の上梓とは恐れ入る。  この第1巻は、紫式部こと香子が8歳のときから物語は始まり、藤原宣孝と結婚する20代半ばのころまでが描かれる。  そして、「源氏物語」はすでに書き始めている。  もとより、謎多き女性であり、生没年も不詳。世界最古の小説である「源氏物語」も、いつ書き始め、どの章から書いたのかも不確かなところがある。  本書では、父為時の越前赴任を機に書き始めたことになっている。理由は、そこが越前紙の生産地であり、物語をしたためる紙、料紙を自由に手にすることができたから、と。  そして、もうひとつは、全五巻にまんべんなく「源氏物語」のお話をちりばめるには、1巻ですでに書き始める必要もあったのだろうと邪推もする(笑)  本書の一番の白眉は、第十一章の「起筆」だろう。  父の影響で、古今の書、詩歌どころか中国の漢詩にも通じた博学ぶりを遺憾なく発揮し、「長恨歌」を下地にしたという「源氏物語」を書き始める。  ”これまでの物語の書き出しの部分には、不満があった”と、まずは「竹取物語」の、「今は昔」の書き出しを批評し、「宇津保物語」は、”この書き出しだと、説明がくどく、物語を予感させる広がりに欠ける”と。  そして、大歌人伊勢の家集の冒頭の詞書にある、”いずれの御時”にいきつく。  「これだと、時代をぼかしながら、いかにも今の出来事のように思わせる文章になっている。しかも、物語の舞台が内裏であることをほのめかす効果もあった」  と、ひとり得心し、自画自賛気味にほくそ笑む感じが、実に良い。  後半は、こうして書き始めた「源氏物語」を、章ごとに家族に読ませるのだが、著者による現代語訳が、各「帖」ごとに披露される。  曰く、「桐壺」「帚木」「空蝉」「夕顔」・・・。  さて、今後の続巻でもこの体裁は続くのか? 全54帖を繰り広げられるのは、さすがに萎えそうだ。  続きも読むかどうかは、二巻まで見てみて考えるとするか。

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2024/02/29
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

幼少期から長いなーと思いつつ、中盤、良質な紙の産地・越前守に任ぜられた為時についていったことで、存分に紙が使えるようになり、『源氏物語』が始まる。いや、作品の成立事情として重要なとこよね。  作中作としての『源氏物語』、第一巻では《末摘花》まで。香子は越前から都へ帰京し、宣孝がまた通ってきています。  皆が皆、音読するのが新鮮。そうだった。黙読って明治以降なのよね。

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2024/02/26

わたしの勘違いなのだけれど・・・ 紫式部の評伝小説家と思っていたので ★3 中盤以降、ほとんどは「源氏物語」の再話のような感じ。 式部が書いた物語として続いていく。 今更「源氏物語」を読む気になれず これを読むなら谷崎源氏あたりを読み返すよ~ と途中からは飛ばし読み。 第2...

わたしの勘違いなのだけれど・・・ 紫式部の評伝小説家と思っていたので ★3 中盤以降、ほとんどは「源氏物語」の再話のような感じ。 式部が書いた物語として続いていく。 今更「源氏物語」を読む気になれず これを読むなら谷崎源氏あたりを読み返すよ~ と途中からは飛ばし読み。 第2巻も図書館から借りているのだけれど、 どうだろう?たぶん読まないな。 紫式部や「源氏物語」に初めて触れる人なら良いのではないかな?

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2024/01/26

箒木蓬生の名前は知っていたけど読むのは初めて。ペンネームを源氏物語の巻名から取るほどの思い入れのあったとは驚くとともに期待も膨らみました。第1巻を読んだ限りでは、源氏物語の意訳をベースにして合間に同時代を生きる紫式部(香子)の様子を書き進める構成のようです。源氏物語の歌物語として...

箒木蓬生の名前は知っていたけど読むのは初めて。ペンネームを源氏物語の巻名から取るほどの思い入れのあったとは驚くとともに期待も膨らみました。第1巻を読んだ限りでは、源氏物語の意訳をベースにして合間に同時代を生きる紫式部(香子)の様子を書き進める構成のようです。源氏物語の歌物語としての側面を重視して原作の和歌や催馬楽などを書き込んでいるのが特徴ですね。作品が思いつきで描かれたとする箇所が多くあったり、香子の描写が平板だったりするのは、紫式部像とのギャップを感じました。また、このペースだと宇治十帖までは進まなそうな予感がします。だとすると残念。

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