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絡繰り心中 新装版 の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/10/24
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男性が主人公で遠山の金さんの若かりし頃なのかなって感じだった。容疑者と上がってくる人達の過去とか飽きさせない内容で面白かったけど、終わりがスッキリとしないから何か読んだ気がしなかった。

Posted byブクログ

2024/08/11
  • ネタバレ

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☆読了。  とても良かった。  まず「遠山金四郎」というと、どうしても昔の時代劇ドラマ「遠山の金さん」を思い出すのだが、本書に登場する若き金四郎は、名奉行として名を馳せた後の金四郎とそのまま違和感なく繋がっているように感じられる。  内容としては、吉原で一人、他殺体となった遊女雛菊の死の真相を金四郎が探ってゆくというものだ。  雛菊を死に追いやったのが「現世の絡繰り」だったとはー。意外な結末に辿り着くまでに、息をもつかせない魅力的な筆致で読者を引っ張ってゆく。  私が蛇足的な感想を延々と述べるより、本書の中の特に印象に残ったフレーズを引用として、感想の代わりとしたい。 「『ただ、割り切れないのです』  南畝は静かにうなずいて、金四郎の目を見つめた。  『もしも誰かが殺したというなら、この町の絡繰りだろうよ』  『絡繰り』  『そうさ』  跡継ぎについては、法度で定められている。そのため、跡継ぎがなければ家は潰れるし、長男が継げば、次男以下は無役のまま生涯を過ごすことになる。身分ははっきりと分かれ、女郎に落ちたら這いあがれないし、武士に斬られても文句は言えない。世を守るためとして、数多の法度や習いが張り巡らされ、それはさながら精緻な絡繰りのようなものだ。  そのすべての絡繰りが、あの日、あの時、カラカラと音を立てて回り、雛菊を、たった一人で死なすように追い立てた。 『誰が悪いわけでもないとは言わねえ。だが、誰かひとりだけというわけでもねえ。どうすることもでぎすに絡まっていったものが、確かにあったのさ』  ☆この世には人として生きて行く上で、どうしても避けられない試練がある。時に人はそれを「宿命」だとか「定め」とか呼ぶのだが、本作は「抗いがたい運命」に巻き込まれ、それでも何とか生きようともがく人の悲哀を余すところなく描ききっている。  とても余韻のある、味わい深い作品だと思った。 今日、読み始めたばかりである。 実のところ、ずっと読みたいと思っていた作品だ。ここのところ、江戸期を舞台にした小説から浅野あつこさん以外は、すっかりご無沙汰だった。 本作の主人公は「あの遠山の金さん」こと遠山金四郎の若き日である。金さんが吉原遊廓で起きた殺人事件を解決するという筋立てを知って以来、妄想をかきたてられて止まなかった。そもそも、著者を知ったのは、一年前に同氏が書いた小説を読んで、とても面白かったからである。 しかし、生憎と文庫本の流通は本屋にはなく、古本で入手しようかと考えていた矢先、新装版が出て、手に入れることができた。 まだ読み始めたばかりだが、ドキドキしている。 きっと浅学な自分には学ぶところも多い優れた作品だと思うので、じっくりと味わいながら読みたい。

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2024/05/06

吉原花魁のむくろを金四郎が見つけたところから物語りは始まる。江戸時代の身分制度のしがらみに苦しむ人達。浮世絵師らと共に真相に迫って行く金四郎も又旗本の身分でありながら芝居小屋の笛吹き見習いとして長屋で暮らしている。東山裁きは有名だがそれは後のこと、この話はまだ若い金四郎の物語。

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2024/03/18

「絡繰り」とは社会のシステムのことと解説の末国善己氏に教えられた。いまを生きる私たちも様々な絡繰りに絡めとられて生きている。本書の登場人物の悩みや苦しさは現代とあい通じる。つぶされずにどう生きるか。自分という主体を失わずに前を向くしかないと思った。

Posted byブクログ

2024/03/12
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旗本の息子でありながら、訳あって歌舞伎森田座で、笛方が見習いとして町に暮らしている遠山金四郎。 早朝の田んぼで花魁の骸をみつけ、花魁殺しの下手人探しをする羽目になる。 真相を探る金四郎。 関わった人々の知られざる過去が明らかになり、自分自身の境遇と重なる部分を感じた金四郎は苦悩する…。 江戸の町人達の生活の様子が色鮮やかに描かれており、時代物好きな私としては大変楽しめた。 あの遠山の金さんの若かりし頃のお話。 名奉行と言われる所以が少しわかったような気がします。

Posted byブクログ

2024/02/23

著者の小説は”木挽町のあだ討ち”からの2冊目。 今回も芝居小屋の”森田屋”は出でくるけど話し登場人物はまったく違う。 金四郎(武士だけど、実家をを出て町人として”芝居小屋の笛吹の見習い”)が正面向いて刺されて死んでいた遊女の雛菊の死の真相をたどっていくというもの。 この時代の女性...

著者の小説は”木挽町のあだ討ち”からの2冊目。 今回も芝居小屋の”森田屋”は出でくるけど話し登場人物はまったく違う。 金四郎(武士だけど、実家をを出て町人として”芝居小屋の笛吹の見習い”)が正面向いて刺されて死んでいた遊女の雛菊の死の真相をたどっていくというもの。 この時代の女性っていくら武士の地位にあっても両親が亡くなって家が没落してしまえば遊郭に売られていってしまって 死んだあとも遊女ってことで簡単に葬られてしまうなんてね。 その心中しそこねた男(雛菊のただの客のひとり)死にたい男と刀で人を刺殺したい男の間をこの金四郎の活躍でどうにか収めるという話し。 絵描きの国貞や金四郎を預かる南畝先生など魅力的な登場人物たちもいい。 旗本って武士の中でも上の方なんだね。 この本を読むまでそれも知らなかったわ。

Posted byブクログ