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傷を抱えて闇を走れ の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/09/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

南部アメリカを舞台とするアメフト物語。 そこに忍び寄る主人公母のボーイフレンド殺傷事件の余波のサスペンス性と、事件の真相は?的なミステリ要素。 〈デントン・パイレーツ〉のランニングバックのビリー・ロウ。 その辺の高校生では、誰も止められない程の優れたプレーヤー。 だが、気性に難あり、家庭にも難あり。 チームメイトへ手を挙げた制裁で、大事な試合への出場が危ぶまれる通達を受けた中、母親のボーイフレンド(内縁の夫的なやつ?)から難癖を付けられ、火の粉バチバチ。 危険を察し、母と幼い弟は家から退散。 これまで我慢してきたが、もう力は自分の方が上。 ついに抑えきれずにノックアウトする。 翌朝様子を見に行ってみると、やつは依然倒れたまま。加えて、自分が後にしたときにはなかった血だまりの広がる光景が。 慌ててその場から立ち去る一方、アメフトの舞台ではプレーオフでの優勝と自身の活躍を勝ち取るべく全力での現実逃避。 最初の数文読んだ感じで、あぁこれはちょっと好きでないかもというやつ。 暴力的で、ぶつ切りな文章で、負なるエネルギー先行型。 それでも少し読み進めるとそれなりに面白そうな展開になってきたのでなんとか読了。 最後まで正義がどこにもなかったなぁ。 それを言いたいやつなのかもだけど。 解説にある通り、精神的につらい読書。 第一回ピーター・ラヴゼイ賞受賞作とのこと。 ピーター・ラヴゼイ? 警察小説のイメージだけど。 チャック・パラニューク賞とかジェイムズ・エルロイ賞とかだったらうなずける作風だが、ピーター・ラヴゼイは、「!?」 逆に読み直してみたくなる。 しかし、何度出くわしても実感が湧かないアメリカのフットボール信仰。 フットボールできる奴がヒーローで神。 社会人スポーツとしてだけでなく、高校の頃からそんな文化。 日本だとやっぱ野球が近いのかな。 興味深い。

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2024/07/03

導入部こそ悪くないし、290頁と短くまとめた力量も良いのだが、趣味が合わないと言われればそこまで。米国社会の抱える闇がもう少しはっきりとした形で見えると楽しめたかもしれないが、そこまで楽しめなかった。残念。

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2024/02/03

SL 2024.2.1-2024.2.3 フットボールが何事にも優先されるという風土が、多分日本人のわたしには理解できないんだと思う。 それはそれとして。ビリーがこんなふうなのは、やっぱり環境のせいなのか。どんなに素晴らしい選手であったとしても、ほんとは無垢な心を持っているとして...

SL 2024.2.1-2024.2.3 フットボールが何事にも優先されるという風土が、多分日本人のわたしには理解できないんだと思う。 それはそれとして。ビリーがこんなふうなのは、やっぱり環境のせいなのか。どんなに素晴らしい選手であったとしても、ほんとは無垢な心を持っているとしても、彼は厄介ごとを自ら引き起こすし、そうする以外に物事に対処する術を知らないことが哀しい。 闇の深い物語だった。貧困と差別と虐待と暴力。なんともやりきれないラスト。

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2024/01/19

アメフトの選手として活躍するビリーが主人公。義父からの絶え間ない暴力が、彼を暴力人間と化していく。新任のコーチは彼の家の事情で何としても大会を勝ち上がりたい野心を抱えている。取り巻く環境は転入者に厳しいアメリカ南部の田舎町。そこで義父の殺人事件。 どこまでも切ないミステリーだった...

アメフトの選手として活躍するビリーが主人公。義父からの絶え間ない暴力が、彼を暴力人間と化していく。新任のコーチは彼の家の事情で何としても大会を勝ち上がりたい野心を抱えている。取り巻く環境は転入者に厳しいアメリカ南部の田舎町。そこで義父の殺人事件。 どこまでも切ないミステリーだったが、私の1番救いになったのはコーチの娘ローナ。彼女によって物語がしっかり帰結した気がした。

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2024/01/16

アメリカ南部の現実… 人間の醜さと歪みを余すところなく描いた社会派ノワール #傷を抱えて闇を走れ ■あらすじ アメリカ南部、高校生のアメフトのスター選手であるビリーは、ある日義理の父親と喧嘩になり殴り飛ばしてしまった。翌日義父の様子を見に行くと、なんと彼は殺害されてしまっていた...

アメリカ南部の現実… 人間の醜さと歪みを余すところなく描いた社会派ノワール #傷を抱えて闇を走れ ■あらすじ アメリカ南部、高校生のアメフトのスター選手であるビリーは、ある日義理の父親と喧嘩になり殴り飛ばしてしまった。翌日義父の様子を見に行くと、なんと彼は殺害されてしまっていたのだ。一方、アメフトのコートであるトレントは、チームを優勝に導くためにビリーを庇うことにした。しかし警察はビリーを疑っていた… ■きっと読みたくなるレビュー アメリカ南部の現実がそこにある。人種差別、貧困、暴力… 読めば読むほど、やりきれない感情に押しつぶされそうになる。 しかしながら、その闇の部分を力強く書き切っている本作。ノワール小説でありながら、エンタメ小説というより文芸作品寄りで書かれているため、一文一文がじわりと胸に染み入ってくる。 誰かが悪いというわけではなく、むしろみんな努力しているに、光がある生活につながらない。さらに物事の解決の仕方や価値観の齟齬が生じることによって、最終的に悲惨な結果を招くことになる。もし環境が違っていたら、きっと経済的にも精神的にも幸せになっていただろうと思わずにはいられません。 特に読んでて辛かったのは、物語の中盤。ローナとの出会いによって変化の兆しが見えてくるんですが… 子どもたちが成長できない環境に置かれてしまうのは、なんともやるせない気持ちになりますね… 私は日本人ですが、ここまで人種差別はヒドいもんなのかとショックでした。もちろん本作はフィクションなんですが、現実も中らずと雖も遠からずなんでしょう。アメリカ南部の知識、社会や人生勉強のためにも読んでおくべき作品です。 ■ぜっさん推しポイント 読書というのは人生に潤いと成長の機会を与えてくれますよね。どんな本であっても、生きるヒントや新しい知識はもちろん、体験できない世界や人との出会いすら叶えてくれる。本作の主人公も、一冊の本によって少し希望の光を感じることができたようです。 世界中に難しい問題はいっぱいあるけど、きっとどこかには解決につながるヒントがあるはずなんです。諦めずに前を向いていたいですね。

Posted byブクログ

2024/01/05

母親と幼い弟、義父と暮らすビリーは、アメフトの天才選手として活躍をしていた。ある日、ビリーは義父とけんかをし、彼を殴り飛ばしてしまう。翌日、家に戻ったビリーは、義父の死体を見つけ…。 今年初の翻訳ミステリは、爽快感ゼロ。しかし、ラストは記憶に残るだろう。

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