ゴキブリ・マイウェイ この生物に秘められし謎を追う の商品レビュー
第118回アワヒニビブリオバトル テーマ「進化」で紹介された本です。ハイブリッド開催。チャンプ本。 2024.9.3
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2023年刊。害虫の大代表格としてのゴキでは無く、アジア圏の極限られた場所にしか生息しない、朽木にのみ住むゴキの研究者。世界中で他に研究者が居ないという生き物。しかも雌雄が互いの翅だけを食い合うという、全生物中で例の無い行動を取るとのこと。 研究者の事、修士・博士課程、研究者は総...
2023年刊。害虫の大代表格としてのゴキでは無く、アジア圏の極限られた場所にしか生息しない、朽木にのみ住むゴキの研究者。世界中で他に研究者が居ないという生き物。しかも雌雄が互いの翅だけを食い合うという、全生物中で例の無い行動を取るとのこと。 研究者の事、修士・博士課程、研究者は総合格闘技のプロ、何より「楽しい」の原動力が根源にある、考えることが好き、等など。言葉や表現の緩急・崩し具合、リズムが良くて面白い。硬い話も、構成よく、抵抗感少なく読めた。
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クチキゴキブリの後尾相手の翅を食い合うという習性を研究している研究者の本。 大学の博士課程を卒業し現在はポスドクとしてアメリカで研究をしている。 大学での研究過程や博士課程の誤解について説明したり、学会や研究者同士のつながり、教員とのやりとりが丁寧に記されている本でした。同じ理系学生としてとても面白かった。 自分の専攻は数学だが、確かに数学の研究も似たようなものなのだろうなーと同時に数学にはないフィールドワークとか、他の研究室の見学だとかはとても羨ましくなった。 修士課程、博士過程に進まなかったことをほんの少し後悔している自分的にはその後悔が掘り起こされ、とても羨ましくなった本でもありました。面白かった。
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「ゴキブリマイウェイ」とはなかなかうまい題名。思ったほどゴキの事は少なかった。研究者としての苦労や、歩み方が多いので、こちらに進む方には参考になるかも。お若いようなので今後が楽しみ。
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小気味よくてユーモアたっぷりな文章でとても読みやすかったです。著者の研究に対する熱が伝わってきて、こちらもワクワクしながら読んでました!また、研究に対する哲学も書かれており、耳が痛いような内容もありましたが、良い刺激を受けることができました。
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すごく面白かった! 「研究は総合格闘技」...そうだよね、コミュ障じゃ貴重な人脈も作れやしない。研究だけじゃなく、他のたくさんの仕事にも当てはまる言葉。 博士課程や研究についての話を、時々真面目に、時々軽妙に書かれてあって、とても読みやすかった。(「カビがルンルン」が特にお気に入...
すごく面白かった! 「研究は総合格闘技」...そうだよね、コミュ障じゃ貴重な人脈も作れやしない。研究だけじゃなく、他のたくさんの仕事にも当てはまる言葉。 博士課程や研究についての話を、時々真面目に、時々軽妙に書かれてあって、とても読みやすかった。(「カビがルンルン」が特にお気に入り)
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クチキゴキブリ研究という天職ともいえる対象にめぐりあった若き研究者が、その対象への愛と、研究生活の日々をつづったお気楽なエッセイ。 オス・メスが互いに相手の翅を食べ合い、子育てを共に行い、一生添い遂げる。その行動の謎を追った研究成果ではあるが、第10章に「研究者という生き物」と題されているように、全般に、研究者というものが、どのように研究対象と出会い、研究を進め、関連学会で知己を得、論文を発表し、己の研究がいかに学術的価値があるかを世に認めてもらうために、日々、足掻き続ける様を、面白おかしく綴っている。 「ティンバーゲンの4つのなぜ」「べイトマン勾配」「性的対立」 etc. etc., 研究を進めていく上で、いくばくかの専門用語、学術的解説もあるが、それらは、ちょっとした薬味程度の刺激。本書は、だいたいが以下のようなトーンで綴られる。 「クチキゴキブリは、朽木というセルロースだらけの非常に消化の悪いお菓子の家に棲んでいる。さらに、このお菓子の家は非常にじめじめしていて、放っておけばカビがルンルンしてしまう。」 著者自身が楽しんでいるような文章は、基本、笑えないのだが、まぁ、その緩さも許容範囲。もう少し洗練されても良いとは思うが。 これから、研究者の道を歩もうとする学生などは、本書を読んで、その生態の理解が進むことだろう。愛すべき対象に出会えたら、研究職も意外と楽しそうだ。 著者が属する生態学会では、「アウトドアブランドのモンベル(mont-bell)製品を着た、これから登山ですか?という服装の人で溢れかえっている」らしい。 “「生態学会はモンベルが正装」とまことしやかに言われているくらいだ。” そうだ。 モンベルさんも、そんな購買層があることは知らなかっのではなかろうか? 新たな商品開発をフィールドワーカーと進めるべきだろう。 でないと、けっして裕福ではない若き研究者たち、ワークマンに流れてきかねない。 余計な心配もした。
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大学での卒論から修士課程博士課程とクチキゴキブリ一筋に研究者としての道を邁進する著者の赤裸々な記録。学術的なゴキブリ生態学あり、苦労話や学会事情など裏話も含めて非常に面白かった。 また装画の著者による点描画が素晴らしい。
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すごくいい! ゴキブリに学生時代を捧げた、良い意味でオタクな筆者 大学院や研究職についても本音で書いてある 自分の経験を重ね合わせて「わかるわかる」となった 時折挟み込まれるギャグは筆者の好みなのか編集者の好みなのか、不要かなと思った 昆虫の研究は興味があるが、今の自分にはもう出...
すごくいい! ゴキブリに学生時代を捧げた、良い意味でオタクな筆者 大学院や研究職についても本音で書いてある 自分の経験を重ね合わせて「わかるわかる」となった 時折挟み込まれるギャグは筆者の好みなのか編集者の好みなのか、不要かなと思った 昆虫の研究は興味があるが、今の自分にはもう出来ない 筆者には代わりに突き抜けて欲しいと思う
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