1,800円以上の注文で送料無料

清算 の商品レビュー

3.2

24件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

    8

  4. 2つ

    4

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2024/01/03

貧乏クジを引いた畑井以外は自分勝手な社員大集合の話。 畑井自身も優柔不断な自分の性格に不甲斐なさを感じながらも、上司や周囲からの要請に流されるように易々諾々と清算をしてゆく姿は、読んでいながら苛々してしまう。 が、精算渦中での様々な事件や、トラブルの真相を解明してゆく中で、畑井が...

貧乏クジを引いた畑井以外は自分勝手な社員大集合の話。 畑井自身も優柔不断な自分の性格に不甲斐なさを感じながらも、上司や周囲からの要請に流されるように易々諾々と清算をしてゆく姿は、読んでいながら苛々してしまう。 が、精算渦中での様々な事件や、トラブルの真相を解明してゆく中で、畑井が精神的に逞しくなってゆく姿は好ましい。 会社を解散して清算する異常事態を、頼まれ易い中間管理職がどう決着をつけるか? サラリーマンの悲哀を淡々と描いていた。

Posted byブクログ

2023/12/22

 大手新聞社のグループ子会社の1つを解散し、清算することになった。  会社をたたむ筈の手続きを担うために総務部長のに抜擢されたのは、なんの知識も経験ない主人公の畑井。  知識も経験もない彼がなぜ選ばれたのか?  そして、清算手続き中に消えてしまう2億円が入った通帳と主人公の...

 大手新聞社のグループ子会社の1つを解散し、清算することになった。  会社をたたむ筈の手続きを担うために総務部長のに抜擢されたのは、なんの知識も経験ない主人公の畑井。  知識も経験もない彼がなぜ選ばれたのか?  そして、清算手続き中に消えてしまう2億円が入った通帳と主人公の相方。  2億円はどこにいった?何で通帳が消えたのか。  2億円の通帳が消えてからが本番のホワイダニットのミステリーです。  はじめの会社の解散手続きあたりは、正直、淡々と粛々と話が続くので、何か退屈感があったのですが、2億円の通帳が消えてから次々に事件が起こり目まぐるしくなってきて、その辺りからは、これどうなるの?感が楽しかったです。  ただ、あまりにも話が広がり過ぎて、これ本当にまとまる?とは思いましたが、納得するかどうかは別として、こういうまとめ方もありなのかな?とは思いました。  とか言いつつ、私はいろいろモヤッとしたかなぁ。  ミステリーのルールっていうのはよくわかっていないのですが、この程度のネタバレなら大丈夫だと思うのですが、全ての謎の解がないんじゃないか?あるいは中途半端じゃないかとは思います。  しかし、リアルな面でいけば、謎は謎のまま終わることもあるし、そもそも問題自体は解決されることがなかったりするし、本作品は本作品でこういうものなのかもなと思ってます。  なるべくネタバレなしで感想を書くのは難しいなと思いつつも、私がこの本を読んだ感想は、モヤッとボールを投げたい、でも確かに途中は楽しかった…  この2つの感情が入り乱れる、そんな作品だったと思います。  何か気持ちが「清算できないような…」  リアルな会社の清算手続きもそんなものなのかもしれませんね。  

Posted byブクログ

2023/12/17
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

お人よしの主人公がずっといやな目に遭い続ける企業小説で、読んでいるあいだずっといらいらしていました。

Posted byブクログ

2023/12/16

Amazonの紹介より 明日、会社がなくなる。 最後に残った二億円、俺がもらってもいいはずだ。 広告代理店「八千代アドバンス」は、経営悪化により、会社を解散し清算することが決まる。制作部の畑井伸一は、総務部長に任命され、経験のない会社解散の手続きを担当することに。そんな中、負債の...

Amazonの紹介より 明日、会社がなくなる。 最後に残った二億円、俺がもらってもいいはずだ。 広告代理店「八千代アドバンス」は、経営悪化により、会社を解散し清算することが決まる。制作部の畑井伸一は、総務部長に任命され、経験のない会社解散の手続きを担当することに。そんな中、負債の返済用資金二億円が元社員と共に消えてしまう。虎の子の二億円の行方を捜す畑井の前に次々と巻き起こるトラブル。金を取り戻し、八千代アドバンスの秘密を“清算”することはできるのか? 伊岡作品というと、嫌な人の描写が抜群と思うほど嫌な気持ちにさせるのが上手いのですが、今回も発揮していました。 ただ今回は、今までとは違い、比較的ジャブのような「悪」を突きつけてくるので、「どいつもこいつも」と思った人が多く、イラッとするばかりでした。 そんな人達に耐える主人公には、お疲れ様でしたと言いたくなりました。なんでもイエスではなく、しっかりと自分の意見を持つことが大切であるとしみじみ感じました。 今までの伊岡作品と比べると、「悪」といった面では控えめかなと思いました。むしろ、経営悪化から始まり、会社が完全になくなるまでの清算を主人公が奔走するといった展開やお金をなぜ盗んだ?といったミステリー要素が強調されていた印象でした。 清算に至るまでの道筋をあまり知らなかったのですが、倒産してハイ終わりではなく、従業員のケアやお金関係などあらゆる苦労があって、大変すぎるなと思ってしまいました。 それにちょっかいを出す人達。まぁムカっとするばかりで、 した。特に女の元総務課長には胸糞悪かったです。 実際にそういった人がいるかと思うと、不幸を楽しむ人に天罰がいつか訪れてほしいと思うばかりでした。 さて、一番の注目は、「なぜ持ち逃げしたのか?」です。 次第に見えてくる驚きの真実、そしてその背景にある様々な事件。色んなことが絡み合っていく描写は、今後どうなっていくんだろうと心を掻き立てられました。 企業サスペンスというと、池井戸さんが頭に浮かぶのですが、今回の作品は、そういった作品とは違い、嫌味たらしい人達の描写が際立っていて、一味違った作品でした。 ただ、今までの伊岡作品でみると、比較的悪意が弱めでしたので、ちょっと物足りなさはあったものの、ミステリーとしての面白さがあって楽しめました。

Posted byブクログ