キオクがない！ の商品レビュー

いとうみく(著者),平沢下戸(イラスト)

2024/10/27

いとうみくさんに対する期待値を大分下回る。
まあ、字も少ないし、あまり読まない子どもにはいいのかもしれないが、読めない子が求めるカタルシスは小さいかな。
コンスタントに本を出せるのも作家の力なので、その点については申し分ないと言えるけど、もう少し書けたんじゃないの？と思う。
先日読んだ『きみの話を聞かせてくれよ』（村上雅郁作）の方が、よほど登場人物の心情が描けてたので、ベテランのいとうさんにはもう少し頑張ってほしい。まあ、こういう風に書け（文字量、見た目、内容など）という出版社からの縛りもあるのだろうけど。
あと内容は『リスタート』（ゴードン・コーマン作）にそっくりで、そこもいただけないなと思った。あれもいいとは思わなかったけど、よほど人物は描けていたなと。
過去に読んであんまりいいとは思わなかった作品が良く見えてしまう作品だった。

2024/06/22

1時間半くらいで読める程、読みやすい。
感動して泣くことはなかった。
最後、バスケ部に戻らないのが良いね。
そこが事故前の自分を自身が受け止めようとしてる終わり方だと私は感じた。

いじめをテーマにした他の作品などを読んだ後であれば、この本に出てくる登場人物からの視点を想像出来るからより味わいがあるのかも。
中学生の息子は途中で読むのをやめた。

自殺しようとしてる人、自殺してしまった人々にもこんなかんじの神様からの贈り物があれば良いのに。

2024/06/19

人間に初期化なんて都合のいい機能はついていない。
自分の人生をゲームみたいに簡単にリセットして、またスタートすることはできない。
今まで生きてきて、出会った人や関わってきた人との日々のつながりで、今の自分があるから。
良い事も悪い事もゼロにはできない。
でも、それに気がついて、ここからもう一度生き直すことはできる。
様々な出来事を通して、それに気がついた主人公がこれからのいまを生きようと一歩踏み出すストーリーに、色々と考えさせられる一冊。

2024/04/13

記憶喪失になって、過去の嫌な人間ぶりだった自分と向き合って、〃リセットはできないけれど、ここから、もう一度生き直すことはできる。〃と一回り成長するお話。
サクサク読み進められて、話の流れや登場人物の心情がつかみやすい。面白かったんだけど、記憶喪失でここまで性格変わるのかな、、、と設定が整いすぎているのがちょっと違和感あって、✩3.5。

2024/03/12

記憶喪失の僕。
どうも以前の僕は嫌なやつだったみたい。
人を平気で傷つけたり、怖がらせるような。
記憶のない僕が過去の自分のことで悩む。
うまい設定、心の襞をよく描いた。

2024/01/24

一ノ瀬家の大罪みたいなことが始まったな・・・と読み始めましたが、きちんとYAらしい自分探しの物語になっていて展開も抑制されつつもひねりがあって面白かった。起きたことを変えることはできず今これからを生きていなければならない、は作者のテーマの１つにあるような気がする。

2024/01/04

5年から。自転車事故で記憶を失った主人公。学校や家族の違和感ある気遣いに、過去の自分を見つめ直し今の一つ一つに真っ直ぐ生きようとする様子が描かれる。中に、認知症や多様性話題が出てくるが、記憶喪失からメッセージが十分に汲めるので、そこまで彼方此方にメッセージを汲ませなくても良い気もする。軽めですぐ読めるが、YAでは大したことないエロ本との言葉が児童には気になった。

2023/12/16

ふりがな少しあり
小学校高学年から

主人公　中２男子

事故で記憶喪失になった男の子の話
家族のこともわからないけど
フツウに応対していたら
誰もに今までの自分と違うと言われ
自分がどんなに嫌な人間だったのかと探り始める

記憶喪失でも、記憶が戻っていいことばかりじゃない。でも、自分に起こったことを、一歩引いて見つめ直すことができた。