地中の星 の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
へぇーっ!ベルトコンベアは、日本で開発されたものだったんだ。地下鉄を1km造るのと、地上の鉄道を1km造るのでは、ずいぶんとコストがちがうんだ。 ずいぶんと苦労しながら、主人公(早川徳次)は日本で初めての地下鉄を造った。ライバル敵意な存在である五島慶太のことを、これまでは、強盗慶太という呼び方そのもので理解していたが、この本を読んで、地上の鉄道を造りながら利益を上げて、地下鉄も手がけていった優秀な実業家だったんだとわかった。 いい本でした。
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東京初、すなわち日本初、東洋初の地下鉄が完成するまでの実話 創設者である早川徳次さんが主人公で、「前例のない大きなことを成し遂げたい」という気持ちから、イギリスで見た地下鉄を日本にも持ち込むと言うことを決めて、その事業の立ち上げから完成までの壮絶な物語が描かれていました 地中...
東京初、すなわち日本初、東洋初の地下鉄が完成するまでの実話 創設者である早川徳次さんが主人公で、「前例のない大きなことを成し遂げたい」という気持ちから、イギリスで見た地下鉄を日本にも持ち込むと言うことを決めて、その事業の立ち上げから完成までの壮絶な物語が描かれていました 地中に鉄道を走らせると言うことに対して、前列が無いので、懐疑的な意見が大勢を占める中、技術的、事業的に成立する見込みがあることを、泥臭く、コツコツエビデンスを積み上げていく姿は壮絶でした 加えて、地下鉄敷設の工事に携わった面々にもスポットを当て、工事総監督を担った竹五郎さんはじめ、5人の監督、監督同士の意見のぶつかり合い、工事を進めるうえで立ちはだかる様々な困難、新しい技術を導入しながら、工夫しながら、なんとか完成させる姿も壮絶でした 現在の銀座線、浅草から渋谷までの路線が完成するまでの紆余曲折がまとめられていて、面白かったです 次回、乗車する機会があれば、色々思いを馳せながら端から端までじっくり乗ってみたいなと思いました
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当時の時代の背景からこのような選択がされてることが勉強できた。感動というよりも学んだ側面が大きい。しかし、ラストの3人の会話、感動した。
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大事業に乗り出したのは早川徳次―地下鉄建設の歴史を知ることができる一冊です☝️渋沢栄一や五島慶太といったビッグネームも登場する一方で、現場で働く人々にスポットライトをあてた物語。これから地下鉄に乗るのも路線図を見るのも楽しみになりそう☺️
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日本で最初の地下鉄工事の物語。 時代は第二次世界大戦の前、関東大震災のすぐ後に着工したことに驚いた。 しかも東京のど真ん中に地下鉄を作るというチャレンジングな発想。 早川徳次だけでなく、危険と隣り合わせの工事現場の人たちの苦労も描かれ、銀座線の歴史を十分に知ることができ楽しめた。
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日本に初めて地下鉄を通した人の物語。 色々な登場人物の感情が描かれていて面白い。 もっと長く描いて欲しかった。
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日本で初めて地下鉄を通した経営者の生涯。演出はあれどほとんど史実なのかなと思われ、男の名誉欲や不器用さがリアルで面白かった。 結構若い人が仕事の中心となって動かしてるのが意外であり(20代で親方とは…)、人手不足もあったのだろうが熱意ややる気で立場を得て地下鉄開通のような大仕事を...
日本で初めて地下鉄を通した経営者の生涯。演出はあれどほとんど史実なのかなと思われ、男の名誉欲や不器用さがリアルで面白かった。 結構若い人が仕事の中心となって動かしてるのが意外であり(20代で親方とは…)、人手不足もあったのだろうが熱意ややる気で立場を得て地下鉄開通のような大仕事をやっているのが羨ましくもあった。
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【地中の星】 中島みゆきさんのヒット曲に『地上の星』というのがありましたが、この著書は『地中の星』です。 日本で初めて地下に鉄道を走らせようとした男たちが数々の難局を乗り越えてみせる壮絶な冒険記です。 主役となる早川徳次、名前を見たときに最初はSHARP創業者かと思いましたが...
【地中の星】 中島みゆきさんのヒット曲に『地上の星』というのがありましたが、この著書は『地中の星』です。 日本で初めて地下に鉄道を走らせようとした男たちが数々の難局を乗り越えてみせる壮絶な冒険記です。 主役となる早川徳次、名前を見たときに最初はSHARP創業者かと思いましたが、生年月日、名前の呼び方が違いました。 その早川徳次、大学卒業後、南満州鉄道に就職、その後も地上の鉄道会社でそれなりに力を発揮していた人物ですが、ある時、地下鉄道を作ることを命じられます。 もちろん日本にはそのようなノウハウもスキルもなく、またどれくらいの費用がかかるのかも見当がつかない中でのスタート。まずは資金集めから物語は始まります。 来年お札にも登場する渋沢栄一はもちろん、大隈重信氏などに懇願、資金集めに東奔西走します。 そして事業は幕を開けます。 物語の前半のハイライトでもある、悪戦苦闘しながらの工事、手さぐり状態、とにかく少しでも前に前に掘り進める工夫たちの姿に胸を打たれます。 ここから先は読んでからのお楽しみに。 銀座線、この時代にすでに自動改札機、ATSを採用しています。もちろん仕組みは単純で原始的なものですが、世間をアッと言わせる技術が詰められた地下鉄誕生であったことは間違いないです。また、徳次氏、乗客の顔がきれいに見えると言う理由で、車内に間接照明を採用したそうです。 1941年、半官半民と言う名ばかりの営団が誕生以来、2004年に営団地下鉄は民営化、60余年ぶりに民営化しましたが、この物語を読んでから地下鉄に乗ると、今までは見なかった壁や線路、階段などを吟味してしまいます。 私が、この著書で最も心に響いたことば、それは『先入観は過去の空想』 これこそが地下鉄誕生に欠かせないことばであったことは間違いありません。 物語後半の感動的な場面ですが、二つの新橋駅が統一されます。そんなドラマがあったんだなぁ。 駅は狭苦しいので、今は都営浅草線を利用していますが そして、それでも地下鉄の車両たちは、乗客を乗せ、ささやかな希望を乗せて、みじかい線路を往復しつづける。 男たちのロマン、またそれを支える妻たちの思いもあって、今日私たちが利用する地下鉄網が発展してきたことを感じさせる物語です。 ちなみに著者である門井慶喜さん、私と同じ年、これまでの作品は2018年に直木賞作品となる『銀河鉄道の父』などがあります。また一人お気に入りが増えました。
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