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なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか の商品レビュー

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58件のお客様レビュー

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2026/04/15
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※このレビューにはネタバレを含みます

■Z世代の特徴 総論としては、いつの時代も上の世代から見た若者は「分からない・理解するのが難しい」存在であるという点です。著者はデータを基にZ世代の二極化を指摘していますが、昔ながらの上昇志向を持つ層・中間層・変化を嫌う層は2:6:2の割合で分布しています。 その中で、若手は「キャリア安全性」を強く意識しており、業務の質的負荷を上げることを有効な打ち手として見出しています。 例えば、育成対象者は一年前または半年前の自分と比較したとき、新しい知識・経験が積み上げられていないと感じる場合、「自分はこのままこの会社に在籍し続けた場合、同世代と比較して差がつけられているのではないか?」という不安です。SNSが当たり前に存在する彼ら彼女らは、他人からの評価を他の世代よりも「重視する」結果がデータで示されています。 キャリア安全性(将来のキャリア選択権を持つ)を保つためには、業務の質的負荷を上げる、またはこの会社は相対的(他の会社と比較して)に良いと自身が判断できる・納得できる必要があります。このキャリア安全性に対する施策が “上昇志向を持つ層” のリテンションに強く影響します。 自社と他者を比較するには、外に出る(社外の人と交流する、社外の人と一緒に仕事する)経験が打ち手として考えられます。上司や先輩から社外の勉強会に出席を促す方法もあれば、学生時代の同級生とコミュニケーションを促す方法もあると思います。 また、労働環境の変化は重要なファクターとして存在します。下記法律改正や施行に伴い、残業時間・有給取得率の変化があります。労働時間減少やキャリアの早期化により、昔ながらのOJTで全てを教えるやり方は通用しないのが実情です。 ・2015年:若者雇用促進法 ・2019年:働き方改革関連法 ・2020年:パワハラ防止法 ■マネージャーと若手の関わり方 マネージャーと若手の関わり方にいくつかの傾向が見られています。基本、マネージャーは褒めるスタイルを採用していますが、褒めるだけでは当人の知識や経験が伸びることは少ないと報告されています。フィードバックする目的を明確にして伝え、ポジティブな表現でフィードバックする方法が効果的です。 また、マネージャーと部下でコミュニケーションの頻度が双方の育成満足度の向上に寄与しています。一回の時間を長くする(ex: 月次1on1 30分)よりも、1日5分で複数回実施した方が効果の高いデータが示されています。この点は指導する立場にある人は基本姿勢として持つべき点だと思います。 日々の業務に即した技能・スキルのフィードバックから始めて、最終的にキャリアづくりに関するアドバイスまでできれば、一般的に育成力上級のマネージャーであると言えそうです。 若手は昔よりもキャリアを判断する機会が多いかつ早期化しているため、マネージャーは若手に対して、2か月程度で目標を設定し、評価するような施策も有効であると示されています。例えば、「今のルーティーン業務の改善策を週一2時間考える時間にして、2か月後に提案して」などです。半年や1年間は超長期の評価期間に受け止められ、若手はより近い目標設定で成長実感を得たい傾向が強いです。

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2026/04/11

かつてほとんど考えなくてよかった『この仕事をして将来、自分は社外で通用する社会人になれるのか?』という根源の問題に現代の若者はまず取組まなくてはならない。 終身雇用なんてあてにできない。 環境の変化が激しい現代では、かつてのような見て覚えろ!のような機会がそもそも激減している。...

かつてほとんど考えなくてよかった『この仕事をして将来、自分は社外で通用する社会人になれるのか?』という根源の問題に現代の若者はまず取組まなくてはならない。 終身雇用なんてあてにできない。 環境の変化が激しい現代では、かつてのような見て覚えろ!のような機会がそもそも激減している。 根性で乗り切るというようなことが起こり得なくなってるわけだ。 若手は合意的に失敗回避をしているだけなのに上司からの指示がうまく伝わらないというミスマッチが起きる。 若手は成長実感が欲しい。意味のある仕事をしたい。フィードバックを求める。 上司は仕事を通じて意味を説明する必要がある。(きっかけを与える) だが、いくらきっかけを与えたところで当の本人(若手)に自主的改善がなければ若手は育たない。 その辺のノウハウを試すより、接する若手を見るしか改善の余地はないと思う。

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2026/03/31

なぜ「若手を育てる」のは今、こんなに難しいのか 解決策かなと理解したのは以下です。 ・量的負荷ではなく質的負荷を増やす ・職場外での学びを増やす 若いうちから積極的に負荷を高める企業姿勢が必要なことと、後者は転職のリスクを抱えますが社員のレベルアップに繋がり成長します。

Posted byブクログ

2026/03/29

 新しい年度になる前に読んでおきたかった一冊。ここ数年、若手の育成を取り巻く現状が大きく変わってきていることを実感しているものの、本書を読むことで、客観的に再認識することができました。  自分が社会人になった時に先輩から教えてもらったときのように、新人を育成していくことが困難にな...

 新しい年度になる前に読んでおきたかった一冊。ここ数年、若手の育成を取り巻く現状が大きく変わってきていることを実感しているものの、本書を読むことで、客観的に再認識することができました。  自分が社会人になった時に先輩から教えてもらったときのように、新人を育成していくことが困難になっている今、正直、どうしていったら良いか悩んでいます。若手への指導の仕方もさることながら、自分自身のキャリアを磨いていく姿勢だったり、社外間交流を職場に還元していく姿勢であったり、プロボノ的な活動の一端を自己開示したり、自分も若手と一緒に成長しようとする姿を見せていくことはポイントかと思いました。  若手を「ほめる」ことを心掛けてきましたが、ただ褒めるだけではだめ。褒めながら、業務上のフィードバックや、将来的なキャリアに関するフィードバックもできるように心がけないといけないと思いました。  プレイングマネージャーとして日々の業務に没頭してしまいがちですが、きちんと客観的に仕事の現場の状況をみていくこと。新人と先輩との関係であったり、若手同士のつながり、中堅社員のポジショニングなど、俯瞰してみていく必要はあります。  そして、マネージャー職がしっかりと認識しなければいけないことは「ゆるい職場」が不可逆であるということ。だからこそ、自分自身の働き方も見直さないといけないですし、育て方改革も意識しないといけないことをしっかり認識しておくが大切。  頭を整理して、新しい年度を迎えます。

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2025/12/30

「若手」の正しい理解と育て方について、どの会社でも使いやすい一般的なアドバイス、基本方針を整理して、示してくれている。いわゆる中間管理職を欠乏させてきた日本の会社には、それでも難しいところはあるものと思うが、今行動を起こさないと、人材からジリ貧になることは必至と思えるので、何とか...

「若手」の正しい理解と育て方について、どの会社でも使いやすい一般的なアドバイス、基本方針を整理して、示してくれている。いわゆる中間管理職を欠乏させてきた日本の会社には、それでも難しいところはあるものと思うが、今行動を起こさないと、人材からジリ貧になることは必至と思えるので、何とか育成プランをスタートさせたいと感じた。

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2025/11/18

ここ数年、「転職」や「早期退職」という言葉をよく耳にするようになった。企業側が何を考え、若手をどのように育てようとしているのか知るために、本書を手に取った。 特に印象に残ったのは、会社には若手を育てる機会が少なくなっており、つまり「会社は私を育ててくれない」という現実だ。若手は...

ここ数年、「転職」や「早期退職」という言葉をよく耳にするようになった。企業側が何を考え、若手をどのように育てようとしているのか知るために、本書を手に取った。 特に印象に残ったのは、会社には若手を育てる機会が少なくなっており、つまり「会社は私を育ててくれない」という現実だ。若手は、自分が掲げる目標やキャリアのために、現在地と目標との間にある機会しか成長の場として認識できず、会社側はそれを提案して最短で導く。しかし、その方法では、自分が予想もしなかった未来には出会えない。 転職意識についても、会社で終身雇用として活躍するのではなく、市場価値を高めるために業界で通用するスキルを身につける手段として、転職を繰り返す若手もいる(もちろん一部ではあるが)。 さらに、Z世代はまだ特徴が一括りにできるほど明確ではなく、多様な価値観を持つ世代が集まっている。そのため、団塊の世代など自分たちが受けてきた育成方法を若手に当てはめることが難しく、企業は育成に困難を抱えている。 私は、本書を通して、来年から社会人として働くにあたり、目標ややりたいことを働く前から十字架のように背負う必要はないのではないかと思った。未来を見据えたキャリア形成も大切かもしれないが、自分が描く通りの未来でなくても、たどり着いた場所で一生懸命に努力していきたいと感じた。

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2025/12/06

この本を読んで、若手育成が直面している困難は、文化人類学や民俗誌研究が抱えてきた課題と構造的に似ていると感じた。 かつて民俗誌研究は、前近代社会を近代的な枠組みの中で語ろうとした。その結果、対象社会を正しく理解できていないのではないかという批判が生まれた。前近代を「近代の発展段...

この本を読んで、若手育成が直面している困難は、文化人類学や民俗誌研究が抱えてきた課題と構造的に似ていると感じた。 かつて民俗誌研究は、前近代社会を近代的な枠組みの中で語ろうとした。その結果、対象社会を正しく理解できていないのではないかという批判が生まれた。前近代を「近代の発展段階」とみなす進化論的な見方と、文化ごとの価値観を相対的にとらえる見方が対立し、研究の方向性そのものが問われた。 同じ構図が、現代の職場における若手育成にも見られる。選択回数の増える職業人生や法改正による「ゆるい職場」の登場、「成長しなければいけないのではないか」という機運の高まりにより、もはや世代で括れる共通の価値観は存在しない。上司が自身の経験や枠組みを前提に若手を導こうとしても、それが若手の価値観や動機とずれることが多い。つまり、上司を「発展段階の先」に置く進化論的な成長モデルが、現代には適合しにくくなっている。 では、相対論的に考えればよいのか。たしかに心理的安全性を重視し、個人の価値観を尊重する姿勢は不可欠である。しかしそれだけでは、負荷の少ない関係にとどまり、キャリアの方向性を見失う危険もある。本書ではそれを「キャリア安全性」という言葉で示していた。心理的安全性が「ありのまま」であることを受容し、キャリア安全性が「なにもの」かになることを促すファクターとなる。 現実的には、進化論的モデルと相対論的モデルのあいだにある「ハイブリッド」が求められているように思う。若手が自ら成長の方向を主体的に定めつつ、上司がそのベクトルを整える。上司の役割は「答えを教えること」から「問いを投げかけること」へと移行する。また、上司と若手の二者関係にとどまらず、学びを共有する多層的な育成の仕組みが必要となる。具体策は本書をヒントにしながら試行錯誤するしかない様に思った。

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2025/10/13

ゆるい職場を作っているのは自分たちではないのか?という問題にどう向き合うかは、現代のマネージャーの共通認識だと思う。 最初に読んだ時には反発さんがあってあまり入ってきていなかったが、数ヶ月おいて再読して多くのヒントが散りばめられていることに気付かされた。

Posted byブクログ

2025/08/11

変わったのは、若者じゃなくて職場の方。 Z世代の価値観の特徴は、 ・人から羨ましがられるか、行動する際友人にどう思われるかが重要。 ・「どちらとも言えない」みたいな中間回答が減ったこと=二極化したことで、平均値をとっても実態は見えない。 他人が幸せかいなかに関心があるかないか、...

変わったのは、若者じゃなくて職場の方。 Z世代の価値観の特徴は、 ・人から羨ましがられるか、行動する際友人にどう思われるかが重要。 ・「どちらとも言えない」みたいな中間回答が減ったこと=二極化したことで、平均値をとっても実態は見えない。 他人が幸せかいなかに関心があるかないか、地元思考かどうか、などの項目で、二極化が見られる とか。 新しい視点だったのは、 管理職は、自分のチームの若手を育成できている、と実感している人ほど、ワークエンゲージメントがたかい、という結果。へーへー。 また、この職場が変わり、育ててもらえない今、若手は自立しなければならなくなっている。育ててくれない、育たないといけない。だけど、それ、自己責任論でいいの?というのも、ハッとさせられた。 上位層の、やりたいことがあり、自分で動ける人は良い。そうじゃない中間層以下をどうするのか。 経験すること、動くことで良い経験が得られることを、知る機会を、こちらが意図的に、強制的に作ってあげないといけない。 なるほど。

Posted byブクログ

2025/08/02

タイトルにある疑問を丁寧に解き明かす一冊。 Z世代に関する様々な言説があるが、本当にそれは正しいのか?データを示しながら解説がなされています。 特に印象的だった点は、心理的安全性の高さだけでは不十分で、「キャリア安全性」の高さも求めれれるという点。そして、仕事の「質的負荷」(×量...

タイトルにある疑問を丁寧に解き明かす一冊。 Z世代に関する様々な言説があるが、本当にそれは正しいのか?データを示しながら解説がなされています。 特に印象的だった点は、心理的安全性の高さだけでは不十分で、「キャリア安全性」の高さも求めれれるという点。そして、仕事の「質的負荷」(×量的負荷)をいかに高めるかがキーになるという点、自分の経験と照らし合わせても納得感が高かったです。

Posted byブクログ