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その世とこの世 の商品レビュー

4.3

23件のお客様レビュー

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2024/09/01

とっても軽快で面白かった。 谷川俊太郎はもう言わずと知れたレジェンドで ブレイディみかこは両手にトカレフをいつか読みたいと思ったまま..この作品が初めましてな作品になった。 谷川俊太郎へ手紙を書く... って凄いなって単純にとっても俗な感情で。 もちろんそれがファンレターでどこの...

とっても軽快で面白かった。 谷川俊太郎はもう言わずと知れたレジェンドで ブレイディみかこは両手にトカレフをいつか読みたいと思ったまま..この作品が初めましてな作品になった。 谷川俊太郎へ手紙を書く... って凄いなって単純にとっても俗な感情で。 もちろんそれがファンレターでどこの誰とも分からない面識もない読者がただ個人的に宛てるものなら簡単かもしれないけど 作家として仕事として書くっていうのはスゲー! のっけからの谷川さんの「あるとない」の詩から ユーモアは正しく無邪気なものでないといけないという世界的な風潮や みかこさんの住む英国のブリティッシュユーモアについての説明でもうぐいぐいみかこワールドにのめり込んでしまった その後の谷川さんの返信文もキレッキレで! とか書く自分の言葉の乱暴さにげんなり..してしまうくらいに 手紙のやりとりはとても丁寧で無邪気なおふたりがとっても新鮮に感じられました その後もみかこワールドはセックス・ピストルズやビートルズなんとドストエフスキーまで登場する... そのあとのちょっと内容についていけなかった感じの谷川さんの返信「その世」が完璧にこの本の核になっているから不思議でしょうがない! 少なくとも私にとって「その世」は音楽を浴びたあとの気持ちにビタ沿いしてくるものだった そして初めて聞いた「トランスヒューマン」 もうここまでいくと映画化してほしいレベルの イヤ、映画化されているような気もするけど 体があることの不自由さから解放された世界のこととかデータとして生きること 内と外からデータと幽霊という独特な世界観(みかこワールド) でもエネルギー不足で停電したらデータより幽霊が強くね?って相手に思わせる前に書いてしまう人間性にも思わずニヤつく。 ページをめくるとバッと描いてある絵も 久々に好きな感じだなーと思いました。 谷川さんの「好き嫌いの判断を、知的な善し悪しの判断よりも信用している気配が私にはあるんです。」というところがとっても好きです。 私もあーだこーだより好き!でいいんだって思って生きていきたい。 そして最後にこの本に掲載されている谷川さんのたくさんの詩...最後の1行がどの詩もとってもステキ!!!

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2024/08/18

言葉のセンスに秀でた(というのもヘンだけど)おふたりだけに、このやりとり、なんだかすごくよかった。読んだだけで自分もお二人と同じような目線までいけたかのような気がしてしまった。 あと、表紙もとても良い。

Posted byブクログ

2024/06/16

図書館で借りてきて、そのままカフェで読みだしたらするっと最後まで読んでしまった。 プレイディさんのお手紙に、短い文章と詩でお返事する谷川俊太郎さんの往復書簡。 詩は、苦手ですが、(言葉のリズムなどはいいなと思いますが読解できない)手紙に詩で答えるなんて素敵ですね。 「これ」という...

図書館で借りてきて、そのままカフェで読みだしたらするっと最後まで読んでしまった。 プレイディさんのお手紙に、短い文章と詩でお返事する谷川俊太郎さんの往復書簡。 詩は、苦手ですが、(言葉のリズムなどはいいなと思いますが読解できない)手紙に詩で答えるなんて素敵ですね。 「これ」という詩は、好きです。 オムツを履きたがらない父に聞かせたい…

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2024/06/07

特に前半、谷川さんが誰と話しているのかわからなくて不安になったけど、現場の話くらいからこの世に戻ってきてくれて良かった。文章はもちろんお二人ともとても面白いです。 ブレイディみかこさんのお話は、他者とのやりとりを具体的に想像できるので、自分ならどう考えるのか、どう答えるのかと考え...

特に前半、谷川さんが誰と話しているのかわからなくて不安になったけど、現場の話くらいからこの世に戻ってきてくれて良かった。文章はもちろんお二人ともとても面白いです。 ブレイディみかこさんのお話は、他者とのやりとりを具体的に想像できるので、自分ならどう考えるのか、どう答えるのかと考えながら読めました。

Posted byブクログ

2024/06/04

みかこさんが谷川さんのお手紙をしりとりしながら繋いでいるような 不思議な手紙のやり取り お互いの感性や知識力は素晴らしく でも詩が苦手な私は 声に出して読んでみても時としては置いてきぼりに。 それでもその世のありかや トランスヒューマンの考え方を知ったり 老いや母親との関係に...

みかこさんが谷川さんのお手紙をしりとりしながら繋いでいるような 不思議な手紙のやり取り お互いの感性や知識力は素晴らしく でも詩が苦手な私は 声に出して読んでみても時としては置いてきぼりに。 それでもその世のありかや トランスヒューマンの考え方を知ったり 老いや母親との関係にハッとさせられたり 有意義な時間を持てました。

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2024/05/26

二人の著者による手紙のやり取りが、繋がっているようで、ずれているようで、相手のことを話しているようで、自分の内面だけを曝け出しているようで、不思議なやり取りだった。

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2024/05/26
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※このレビューにはネタバレを含みます

韻文と散文、年齢も性別も違う、生きてる場所も大きく違う二人の手紙のやり取り。言葉のキャッチボールが気持ちよくされているというよりは、何事も否定しない大きな他者に対して独り言を投げかけているような、そんな感じ。とくにみかこさんは、人生の大先輩を前に持論を語り、深めていったようだ。  「その世」あの世でもこの世でもない不思議なところ。あの世のこともこの世のことも考えたくないときにさまよいたくなる場所。肉体を失った未来の人間トランスヒューマン、ヒトラーの生まれた時代と場所、・・・・いろいろなことを考えさせられた。

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2024/05/03

「言語を疑うことで言語では名指すことのできない実体に迫ろうとする矛盾が、私には必要であるらしい」(117頁)谷川俊太郎さんの詩作の源を感じました。ブレイディさんが情報量豊富で、谷川さんが昇華した場面を発見し、モンドくんの絵に切り出される。最後の絵(ビール飲んでる他人?)がサイコー...

「言語を疑うことで言語では名指すことのできない実体に迫ろうとする矛盾が、私には必要であるらしい」(117頁)谷川俊太郎さんの詩作の源を感じました。ブレイディさんが情報量豊富で、谷川さんが昇華した場面を発見し、モンドくんの絵に切り出される。最後の絵(ビール飲んでる他人?)がサイコーに良いです。

Posted byブクログ

2024/03/31
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ところどころに刺さる言葉が。そしてそこはかとないユーモアが。二人のお人柄なのでしょうか。 p93プレイデイさんの「幽霊って元気ですよね」に吹き出しました。しかしその理由(?)言われてみると確かに。 生きてる人間は日々起きてくるアレヤコレヤに対処するだけでだんだん一杯になって行き、余程のことでなければそんなにねちねちじっとりと恨んだり妬んだりを持続できなくなってくるように思います。特に年取ってきたら(笑) 何事にも体力がいるというのは本当に実感しかない今日この頃で。それどころじゃない、からそんなことどうでもいいになってくるというか。 p132谷川さん「生きる上で意味のない笑いがもしかすると訳ありの涙より強力である証」という言葉もこの一遍の中では流れるように読めてしまう一節ですが、なかなか大事な真理のような気がしてならない箇所です。 奥村門土さんという絵描きさんを知りませんでしたが本書で知ることができたのも良かった。上手い下手より感性で描いていると感じます。お若い人なのですね。 谷川さんの最後の詩に絶対的な個というようなものを感じます。孤独ともちょっと違う。孤独には感情が入る余地を感じますがこの詩には乾いたものを感じます。(ビールとか妻とかウェットを感じさせる言葉は出てきますが) 他人ではないのは自分だけ、というのは言葉にすれば当たり前なのだけど誰とも取替えのきかない、どんなに親しくても愛していても信頼していても成り代わることは不可能な絶対の一つと考えたらなかなか壮絶なものがあります。(かけがえのないという言葉はありますが、その言葉はここではウェットに感じられます) アタマで意識することはあっても、実感としてそう感じることは日常ではなかなか稀なのではないでしょうか。日々そんなふうに感じていたら生きるのがしんどくなってしまいます。 この詩を読んで、谷川さんはまさに本書でいう「その世」へ向かいつつあるのかもと感じました。 トランスヒューマンなどという考え方が若い人の中に生まれているんですね。 驚きました。肉体が存在することの苦しみ、身に沁みるというよりは体に沈むと表すほうが馴染むと感じること、幽霊は足がないけどおばけは足があることなどの本書の考察(?)を通じて体がなくなって心と思考だけの存在になるというトランスヒューマンについて考えてみたけれども、自分にはとりとめなさすぎて想像できませんでした。 逆に死なないことの苦しみもあるのではと思いましたがどうしたっていつか死ぬ生身の私では想像できなかった。 自分の生きてる間には多分実現しないだろうなと安心して思考停止しようと思いました。

Posted byブクログ

2024/03/06

図書館で借りたので手元にはないが、きっといつかまた読みたくなる時がくるんだろうなと思える一冊だった。 ブレイディみかこさん、谷川俊太郎さんお二人の言葉や詩は私の心持ちを穏やかにしてくれた。谷川さんの詩のあとに描かれている奥村門土くんの絵があたたかくてこの本をより一層素敵なものにし...

図書館で借りたので手元にはないが、きっといつかまた読みたくなる時がくるんだろうなと思える一冊だった。 ブレイディみかこさん、谷川俊太郎さんお二人の言葉や詩は私の心持ちを穏やかにしてくれた。谷川さんの詩のあとに描かれている奥村門土くんの絵があたたかくてこの本をより一層素敵なものにしている。 谷川さんがところどころでご自身が人生の終わりが近い旨のお話をされるので少し寂しい。

Posted byブクログ