ホワイトバード の商品レビュー
ジュリアンの宿題のために、おばあちゃんサラは、覚悟を決め戦争の体験を話し始める。 当初、フランスに住むユダヤ人のサラの家族は楽観的に考えていた。1943年、唐突に学校に現れたナチスは子ども達を連行する。かろうじて逃げられたサラはクラスメートのジュリアン一家に匿われることになる。...
ジュリアンの宿題のために、おばあちゃんサラは、覚悟を決め戦争の体験を話し始める。 当初、フランスに住むユダヤ人のサラの家族は楽観的に考えていた。1943年、唐突に学校に現れたナチスは子ども達を連行する。かろうじて逃げられたサラはクラスメートのジュリアン一家に匿われることになる。ジュリアンはポリオで身体が不自由であり松葉杖無しでは歩けない。一年以上納屋で暮らすサラを家族同様に扱ってくれる一家。 戦争終結のニュースが流れるが、ジュリアンは死んでしまう。 戦後父と再会したサラは、もう一人の両親達と交流を続ける。 孫息子に話す物語。恋心を含め、サラと同化し涙無しには読めない。
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「ワンダー」のスピンオフ、「もうひとつのワンダー」のジュリアン編をグラフィックノベルにしたものの、ノベライズとのこと。 ジュリアン編を長くちゃんとした物語に仕立て直した、という感じか。 ユダヤ人(戦争になる前はそのことも意識すらしてなかったかも)のサラは、ある日ナチスがトラックで...
「ワンダー」のスピンオフ、「もうひとつのワンダー」のジュリアン編をグラフィックノベルにしたものの、ノベライズとのこと。 ジュリアン編を長くちゃんとした物語に仕立て直した、という感じか。 ユダヤ人(戦争になる前はそのことも意識すらしてなかったかも)のサラは、ある日ナチスがトラックで学校に乗りつけた日から、すべてが変わる。 大好きなパパとママには会えず、隣の席のポリオの後遺症で松葉杖を手離せないジュリアンに匿われる生活が始まる。 「ジュリアン編」で話の大筋はわかってはいたが、サラの過酷な生活がつらい。 同時に、ポミエ一家が冒している危険性が怖い。 サラとジュリアンの恋の後の展開が辛かった。
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『ワンダー』ではいじめっ子として登場するジュリアンは、パリに住むおばあちゃん、サラにだけは自分が悪かったことを伝えていた。 意を決しておばあちゃんが語ってくれたのは、フランスで自慢の両親と過ごした幸せな少女時代と、その後に起こったユダヤ人としての壮絶な迫害だった。 絶望の中に...
『ワンダー』ではいじめっ子として登場するジュリアンは、パリに住むおばあちゃん、サラにだけは自分が悪かったことを伝えていた。 意を決しておばあちゃんが語ってくれたのは、フランスで自慢の両親と過ごした幸せな少女時代と、その後に起こったユダヤ人としての壮絶な迫害だった。 絶望の中にも、助けてくれた人たちがいた。中でも学校で無視し続けてきた足に障害のある男の子とその家族がサラをかくまってくれた。 話を聞くジュリアンの胸に湧き起こる決意と変化が誇らしい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
とどまることなく一気読みしました。R・J・パラシオのベストセラー『ワンダー』のスピンオフ作品ですが、『ワンダー』と同等にすばらしい物語でした。 主人公は本編でいじめっこだったジュリアン。彼が学校の宿題でおばあちゃんの幼いころのことを作文に書こうと思い、おばあちゃんから話を聞いているという背景があるため、語り口調で読みやすく、まさにジュリアンになったかのように話に聞き入りました。壮絶な体験で涙が止まりませんでした。 いまなお終わることのない戦争は続いています。本当にこれでいいのか、考える必要があるのではないかとこの物語を通して感じました。
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いじめをして転校したジュリアンは、自分がしたことで傷ついた子がいたことをおばあちゃんに正直に話をした。 転校先の学校の宿題でおばあちゃんのことを書きたいと思い、昔の話を聞くことになる。 1940年代、おばあちゃんが子どものころのこと。 第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって...
いじめをして転校したジュリアンは、自分がしたことで傷ついた子がいたことをおばあちゃんに正直に話をした。 転校先の学校の宿題でおばあちゃんのことを書きたいと思い、昔の話を聞くことになる。 1940年代、おばあちゃんが子どものころのこと。 第二次世界大戦中にナチス・ドイツによって行われた、ユダヤ人の大虐殺があったこと。 その頃のおばあちゃんを助けたのは、小さい頃にポリオに罹り脚が不自由だったひとりの少年・ジュリアンとその両親だった。 彼らの助けがなければ、おばあちゃんの命はなかったかも…。 両親とも会えずに寂しくて辛くて、外に出ることもできなかった少女に寄り添い、手を貸し励ましてくれたこと。 見つかれば自分たちの命の保障さえなかったはずなのに…。 戦争の残酷さにことばもなく、正義とは何かを強く考え、そして人の温かさを感じた。
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アメリカに暮らすジュリアンのおばあちゃんはパリのマダム。お化粧に2時間かけるくらいのおしゃれな女性。 そのおばあちゃんの戦時下のお話。 ユダヤ人だったため、ナチスに追われることになった時、助けてくれたのは、3年間1度も話したことのない、隣の席に座っていた足の不自由な男の子、ジュリ...
アメリカに暮らすジュリアンのおばあちゃんはパリのマダム。お化粧に2時間かけるくらいのおしゃれな女性。 そのおばあちゃんの戦時下のお話。 ユダヤ人だったため、ナチスに追われることになった時、助けてくれたのは、3年間1度も話したことのない、隣の席に座っていた足の不自由な男の子、ジュリアンだった。 ジュリアン家族が、命の危険をかえりみず、かくまって助けてくれた状況は、正しいことをする勇気と優しさが描かれていて、つらい部分もあるが、読んでいて悲しい気持ちには不思議とならなかった。 ジュリアンとの淡い恋も、切なくて美しい。 自分さえ良ければ、逃げられれば、長いものにまかれておけ、考えるのはめんどくさい関係ないや、とすごすことはとても危険だと、このお話には関係ないが、ジュリアン一家の行いを見て、はっとした。
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「ワンダー」でいじめっ子だったジュリアンが登場。でも、この本はワンダーの続編ではありませんでした。ホロコーストがテーマです。主人公はジュリアンの祖母。ジュリアンが転校先で出た宿題をするために祖母に戦争の話を聞きます。祖母はフランス在住のユダヤ人で、ナチスの侵攻が遅い地域だったため...
「ワンダー」でいじめっ子だったジュリアンが登場。でも、この本はワンダーの続編ではありませんでした。ホロコーストがテーマです。主人公はジュリアンの祖母。ジュリアンが転校先で出た宿題をするために祖母に戦争の話を聞きます。祖母はフランス在住のユダヤ人で、ナチスの侵攻が遅い地域だったため、逆に逃げ遅れ、ある日突然ナチス狩りが始まります。これはホロコーストの時代にあったであろう、逃げるユダヤ人と匿ってくれた市井の人々のお話。 ジュリアンの祖母を匿ってくれた家族、特に主人公に寄り添った同級生や、終戦も近いころ匿った家族に起こったことを乗り越えて親切を普通に続ける姿を読むと、涙が止まりませんでした。視聴覚を超えるような超常的な表現に戸惑うこともありますが、おおむね読みやすく、高学年から。ルビも高学年以上のものにはだいたいあるようです。『親切をするには、いつでも勇気が必要。けれど、親切をするために、自分のすべて、自由や命まで犠牲になるかもしれないときに、親切は奇跡になる。親切こそすべて。闇のなかの光。それは人間性の本質。希望なの』
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この体裁から児童書、女の子目線でソフトかつ幻想的に描かれてますけど、内容はキツいです。フランスのホロコースト、他の作品(ポストカード)でも読みましたが全く酷いとしか言いようがありません。 ・過去から学ばないものは同じ過ちを繰り返す ・起きてしまったことは取り返しがつかないけれど、...
この体裁から児童書、女の子目線でソフトかつ幻想的に描かれてますけど、内容はキツいです。フランスのホロコースト、他の作品(ポストカード)でも読みましたが全く酷いとしか言いようがありません。 ・過去から学ばないものは同じ過ちを繰り返す ・起きてしまったことは取り返しがつかないけれど、二度と起きないようにすることはできる こんな言葉が染み渡りました。
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フランスでもユダヤ人迫害があったことを知りました。ドイツやポーランドの出来事と思い込んでいたのでヨーロッパに広く影響していた事を知らずにいました。障がい者差別、いじめと沢山のことを考えさせられました。
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「ワンダー」がとても良い話だったので、そのスピンオフ作品はぜひ読みたい!と思い読んでみた。 いじめをして退学になったジュリアン。 他の学校に転校して、その学校での宿題のためにおばあちゃんに話を聞く。 ジュリアンのおばあちゃんの、戦争の時の体験談。 おばあちゃんが中学生くらいの時の...
「ワンダー」がとても良い話だったので、そのスピンオフ作品はぜひ読みたい!と思い読んでみた。 いじめをして退学になったジュリアン。 他の学校に転校して、その学校での宿題のためにおばあちゃんに話を聞く。 ジュリアンのおばあちゃんの、戦争の時の体験談。 おばあちゃんが中学生くらいの時の話。 ナチスから逃れるために恐ろしい体験をした。 それをジュリアンに話して聞かせてくれた。 アンネの日記のような話で、とても過酷。 同じクラスの隣の席に座っていた男の子が、命を助けてくれた。 その男の子の両親が、ずっとサラを(おばあちゃんの名前)かくまってくれたので生き延びることができた。 でも戦争なので、とても長い間、納屋の屋根裏で藁の中に隠れて過ごしていた。 辛い体験。 かくれる方も、それを助けてあげている家族も命懸け。 命を助けてくれた男の子の名前はジュリアンという。 ハッキリ書かれていないが、身籠ったのは、そのジュリアンの子供なのか? だから、ヴィヴィアンが喜んだ? 子供の名前を「ジュリアン」と名付けだから喜んだ? 不明だったが、 恩人の名前を子供に名付け、その名前は孫にも。 由来を理解して、孫ジュリアンは、その名前に誇りを持って生きていけると思う。 温かいラスト。
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