日本人のための安全保障入門 の商品レビュー
【読書レビュー 647】 兼原信克『日本人のための安全保障入門』日本経済新聞出版、2023年 以下、本書より。 敗戦国の日本はGHQの指令の下で「平和国家に生まれ変わる」ために、国全体から軍事色を消そうとしてきました。そのため、経済官庁、産業界、学術界において安全保障リテラシー...
【読書レビュー 647】 兼原信克『日本人のための安全保障入門』日本経済新聞出版、2023年 以下、本書より。 敗戦国の日本はGHQの指令の下で「平和国家に生まれ変わる」ために、国全体から軍事色を消そうとしてきました。そのため、経済官庁、産業界、学術界において安全保障リテラシーがゼロになってしまったことは先ほど説明しました。軍事に関する巨大な知的真空が日本政府の中枢にできてしまったのです。 さらに、1952年の独立後は、冷戦の冷気が東側陣営から学術界に深く入り込み、学識者の多くが、日米同盟反対、日本再軍備反対(非武装中立)に大きく傾きました。今では想像もできませんが、当時、マルクス・レーニン主義は世界中で一世を風靡していました。日本のアカデミアやメディアも例外ではありません。学術界が防衛省との協力を頑なに忌避するのは、終戦直後のGHQの日本非武装方針だけではなく、社会党の「非武装中立」のスローガンのように、冷戦初期の東側陣営による日本の軍事力弱体化及び対米同盟廃棄の工作の影響を強く受けているからです。 安全保障こそは、本来国家が果たすべき役割のうち、一丁目一番地にあり、その基盤は科学技術、産業技術なのですが、残念ながら、上記のような事情で、日本では学術会が、国家安全保障、特に防衛省との関わりを強く忌避するようになってしまいました。
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一気に読んでしまった。 何となく戦後に生まれ、今日まで生きてきて、記憶の中にリアルに残っている時々の事実が、この本の中に歴史として記されている。 子どもだった頃、不思議だった事や理解できなかった事などの背景をこう解釈すれば筋が通ると、納得出来るところが多くあった。 平和も戦争も一...
一気に読んでしまった。 何となく戦後に生まれ、今日まで生きてきて、記憶の中にリアルに残っている時々の事実が、この本の中に歴史として記されている。 子どもだった頃、不思議だった事や理解できなかった事などの背景をこう解釈すれば筋が通ると、納得出来るところが多くあった。 平和も戦争も一国だけで成り立つものではないから。
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いつもの兼原節というようなもので、これまでの著作を読んできていると、そこまで新しいことは言っていない印象。
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