日本の会社員はなぜ「やる気」を失ったのか の商品レビュー
書評で気になって購入したものの放置していたが、たまたま著者が報道番組にゲスト出演していて、本書の内容も取り上げられていたので、取り出して読み直してみた。(途中までは読んでいたのだが、なぜか途中で挫折して読破できていなかった) 著者は少し年齢が上だが業種は違うものの同じ年に社会人に...
書評で気になって購入したものの放置していたが、たまたま著者が報道番組にゲスト出演していて、本書の内容も取り上げられていたので、取り出して読み直してみた。(途中までは読んでいたのだが、なぜか途中で挫折して読破できていなかった) 著者は少し年齢が上だが業種は違うものの同じ年に社会人になったこともあってその後の企業や社会の変化という点で共感というか同じ視点で見ていることが多く、まさに自分の社会人人生をなぞる様で妙に懐かしく感じた。そういう意味でほとんど肯定的に受け入れられたのだが、最後の提言を日本の企業が受け入れて、我々が社会人になった直後の様な世界に伍する輝きを取り戻すのは無理だろうと思う。提言の方向がずれているのか、提言自体は正しくてもそれを受け入れることが難しいのか、評価は難しい。本書に書いているある意味ミクロなことはすべて正しく、日本の企業経営者はこのことに耳を傾けるべきとは思う反面、経済や社会には著者や我々に見えていることとは別のもっと大きなマクロの力が働いていて、それに抗うことはできないのではという諦めに近いものとが同居しているという不思議な読後感である。私自身が当事者意識の欠けた一種の責任転嫁(どこへかも不明という)なのかも知れないが。
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発売当初から気になった一冊。 大きく四つの章となっている。 【安い賃金の国】 【脅しの経営】 【コストカッター】 【無駄の仕事と自主性、成長機会を奪うマイクロマネジメント】 どれも身に覚えのあるものばかり。。。。 この本を多くの人が読む事で日本が輝きを取り戻す事を期待したい。
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うちの会社だけではなかった。 やる気がなくなる理由は「給料が上がらない・低い」「忙しすぎる」「正当に評価されない」など。 それは日本が30年かけて安い賃金の国へと変えてしまったことが原因の一つ。 社員をコストとして削減する方向に走り、成果主義、安い製品作成による独創性・付加価値欠...
うちの会社だけではなかった。 やる気がなくなる理由は「給料が上がらない・低い」「忙しすぎる」「正当に評価されない」など。 それは日本が30年かけて安い賃金の国へと変えてしまったことが原因の一つ。 社員をコストとして削減する方向に走り、成果主義、安い製品作成による独創性・付加価値欠如、減点主義の脅し経営によるやる気を蝕んできた。 人を育てられず、投資できず、上司は部下を信用できずにマイクロマネジメントを行うことで無駄な仕事が蔓延する。 救うためには、「社員に報い社員に投資すること」「社員を信じ加点主義で評価すること」「起業家タイプのイノベーターに活躍の場を与えること」 124冊目読了。
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日本企業が輝きを取り戻すための3つの提言 1社員に報い社員に投資する 2社員を信じ 加点主義で評価する 3 企業家タイプのイノベーターに活躍の場を 日本の企業 会社には 元気がないと感じている それは一部の 企業人たちでははないのかと思っていた 本書を読んで どうやら...
日本企業が輝きを取り戻すための3つの提言 1社員に報い社員に投資する 2社員を信じ 加点主義で評価する 3 企業家タイプのイノベーターに活躍の場を 日本の企業 会社には 元気がないと感じている それは一部の 企業人たちでははないのかと思っていた 本書を読んで どうやら 多くの会社全体に 問題があることがわかった 給与面待遇面 やる気きが起こらない原因は一つではないようだ 日本の 企業の賃金は上がらない 脅しの経営で 社員を追い詰める コストカット 人材が育たず 競争力が損なわれる 無駄な仕事の 蔓延と 自主性 成長機会を奪う マイクロマネジメント
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米国はemployment at willであって、企業には解雇する自由がある。 雇用が流動的だからこそ、企業は有能な社員を厚遇する。基本的に転職しないと給与はあまり上がらないから、社員は自己の能力を最大限に伸ばし、転職に備えようとする。 本書は、日本の病的な法制度に対する問題提...
米国はemployment at willであって、企業には解雇する自由がある。 雇用が流動的だからこそ、企業は有能な社員を厚遇する。基本的に転職しないと給与はあまり上がらないから、社員は自己の能力を最大限に伸ばし、転職に備えようとする。 本書は、日本の病的な法制度に対する問題提起が全くない。企業経営者だけを責めるのはいささか酷であろう。 経営者は安い給料で働く社員に依存し、社員は無意味な仕事をやっていても給与を払う会社に依存している。マッカーサーは日本人の精神年齢は12歳だと言った。現在も、もたれあいを良しとする日本人の精神構造は変化していない。
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日本の経済の停滞について語る本は、今、多いよねぇ。実際、もうダメなんじゃない?という気はするし。俺が読んだ印象としては、日本の経済がダメになっているのは、企業の経営層がコストカット、賃金カットとマネジメントを勘違いし、結果として働く人がやる気を失ったという話だ。 説得力はあっ...
日本の経済の停滞について語る本は、今、多いよねぇ。実際、もうダメなんじゃない?という気はするし。俺が読んだ印象としては、日本の経済がダメになっているのは、企業の経営層がコストカット、賃金カットとマネジメントを勘違いし、結果として働く人がやる気を失ったという話だ。 説得力はあったし、実際そういう側面はあるのだろう。ただ同時に思うのは、そういう組織にしてしまっているのは経営層に含まれない会社員を含めた、日本人的なありかたなのではないか、ということだ。 上に従っていれば大丈夫、上の言う通りしていれば、悪いようにはならない。どうしても上に頼る気持ちが日本人は強いんじゃないかなあ、なんてことは思うのだ。だから、カットされる側の社員自身が、それを正統だと思い込んでしまう。その中で必死に頑張って上に行ったとしても、同じことをやるだろう。もはやそれでは通じない、という状況に、今なってしまったのだろうな。 そこで問われるのは、マネジメント層とか経営層と言われる人の言われるままに動くのではなく、自分はどうしたいのか、どうすればいいのか、そこを考えらえるようになる力だ。自分自身、どこまでそういう力があるのか、疑わしいところはあるわけでさ。だからこそ、学んだり、人の話を聞いたりして、力をつけないといけないんだよね。
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これも今の日本の厳しい現実を突きつける新書だ。 安い賃金、、、 成果主義の名のもとに、大半の社員の賃金を下げる経営者。 設備投資もせず、人材育成もせず、目先の利益確保だけを目指す経営者。 そのくせ、やった感を出すためにマイクロマネジメントに勤しむ管理者。 悪循環。 従来の家族的...
これも今の日本の厳しい現実を突きつける新書だ。 安い賃金、、、 成果主義の名のもとに、大半の社員の賃金を下げる経営者。 設備投資もせず、人材育成もせず、目先の利益確保だけを目指す経営者。 そのくせ、やった感を出すためにマイクロマネジメントに勤しむ管理者。 悪循環。 従来の家族的経営、終身雇用、年功序列がいいとは決して思わないが、 英米式の株主重視の経営が求められるようになった途端、 よい経営者とは工場閉鎖などコストをカットするだけして、 未来への投資など考えず、利益を株主に還元する経営者のことになってしまった。 偏差値優等生が社長に上り詰めたとして、正解が「株主への利益還元」だとしたら、 それに向けて視野狭窄でコストカットに励むのだろうか。 それで優秀な経営者として報酬をたくさんもらえれば満足、、、 ばかじゃなかろうか。 でもそういう廻りのことを考えられない経営者が多いから、 現状のように内部留保ばかり膨らみ、従業員は疲弊し、 社員のアイデアによる素晴らしい新商品も生まれない。 なんだか負のスパイラルだ。 ただ、、、 3章かな。会社が教育にお金を使わない、と嘆く社員はアホだと思う。 自分で学べばいいのだ。 ネットビジネスができなくて部下に使われることを嘆く上司も、 だったら自分で身をもってネットショップを使ってみて、 わからなければ本を読むなりで調べればいいのだ。 それもせずに、もし通勤電車ではゲームばかりやってるとしたら、 それはアホだ。 会社が何でも与えてくれるわけはない。 自分への投資は自分がするのだ。 ただ、、会社に必要なスキルは会社が用意すべきとも思う。 けっして経営者を擁護はしない。 もっと金を使って、使った以上のバックがあればいいのだ。 シュリンクする日本。 サラリーマン経営者はだめだよ、やはり。 起業で成長する国にならないと。
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タイトルに惹かれて読んでみました。 日本が経済大国今は昔…となってしまった理由の一端が見えた気がしました。こんな国に誰がしてしまったんでしょうか。 ざっと書いてあることをまとめてみました。 ■第1章 「安い賃金の国」への転落ー日本企業の賃金はなぜ上がらないのか ・日本の賃金は...
タイトルに惹かれて読んでみました。 日本が経済大国今は昔…となってしまった理由の一端が見えた気がしました。こんな国に誰がしてしまったんでしょうか。 ざっと書いてあることをまとめてみました。 ■第1章 「安い賃金の国」への転落ー日本企業の賃金はなぜ上がらないのか ・日本の賃金は30年で12.5%しか上がってない! ・韓国にも抜かれ日本の賃金はアメリカの半分強 ・人件費削減が目的の偽りの成果主義がやる気を蝕んだ ・「安い賃金」をもたらした低い労働生産性は日本製品が「安い」から ・「安い」のは独創的な機能や魅力的なデザインを製品に盛り込めないから ・その元凶も会社員のやる気をくじく「安い賃金」にある ■第2章 「脅しの経営」の弊害ー減点主義的処遇 ・会社の都合で異動や転勤を命じられる日本企業の「メンバーシップ型雇用」 ・それでも社員がやる気を維持できたのは終身雇用神話があったから ・1997年の金融危機以降、企業はリストラを推進、終身雇用は崩壊した ・仕事を無理強いし、できなければ減点する「脅しの経営」がやる気をもつかさらに蝕む ■第3章 コストカッターの罪ー人材が育たず競争力が損なわれる悪循環 ・日本企業の教育、研修費の割合はアメリカ企業の20分の1 ・英、独の企業と比べても10分の1、しかも年々減っている ・設備投資、研究開発費も欧米企業に比べると見劣りする ・人を育てず、モノにも技術にも投資しない日本企業の競争力は失われ、人への投資がさらに細る悪循環に陥ってしまった ■第4章 「無駄な仕事」のまん延と、自主性・成長機会を奪う「マイクロマネジメント」 ・「無意味な書類提出や報告」「会議のための会議」など今も増え続ける「無駄な仕事」 ・背景には社員の裁量、自主性を縛る上司の過干渉、マイクロマネジメントがある ・「無駄な仕事」が労働生産性を低迷させ、それがやる気を失わせる悪循環から脱却しなければ明日はない ■おわりに ファストリ(ユニクロ)は経営者の英断で度肝を抜くような賃上げをして今や社員平均年収959万円 社員に報え、社員に投資しろ 社員を信じ、加点主義で評価しろ
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まさに5Cなど戦略論の話でなぜ日本が差別化できてないか?と言う点が、腑に落ちてわかる本だった。コストカットばかり、減点主義やマイクロマネジメントばかりで、クリエイトしようと言う思考が育たない会社経営。バブル崩壊後当然と思われた経営は、一時的なものとの認識でやらなきゃ行けなかったの...
まさに5Cなど戦略論の話でなぜ日本が差別化できてないか?と言う点が、腑に落ちてわかる本だった。コストカットばかり、減点主義やマイクロマネジメントばかりで、クリエイトしようと言う思考が育たない会社経営。バブル崩壊後当然と思われた経営は、一時的なものとの認識でやらなきゃ行けなかったのに、慢性的な癖がついて、それが代々引き継がれてしまっている。どこかで打ち切らないとね。 単に給料あげればいいだけの話でもない気はするけど、、。 OJTもいいものと思っていたけど、既存の運営をスムーズにするためのものであって新規思考を思いつくための訓練ではないんだろうなぁと。
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