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先祖探偵 の商品レビュー

3.7

30件のお客様レビュー

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2024/03/10

先祖を調査する探偵事務所を開く邑楽風子を主人公に据えたオムニバス。 キャッチーなタイトルだが、内情は各地に向かい、戸籍を調べ、聞き込みをし…と地道な調査作業。 自分のルーツを辿るというストーリーの中に旅要素や社会問題も織り込まれていて、興味深い物語だった。 調べてみたら、実際に祖...

先祖を調査する探偵事務所を開く邑楽風子を主人公に据えたオムニバス。 キャッチーなタイトルだが、内情は各地に向かい、戸籍を調べ、聞き込みをし…と地道な調査作業。 自分のルーツを辿るというストーリーの中に旅要素や社会問題も織り込まれていて、興味深い物語だった。 調べてみたら、実際に祖先を辿る調査事務所があるんですね。

Posted byブクログ

2024/03/08
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※このレビューにはネタバレを含みます

2022年の同名単行本の文庫化で、特殊な戸籍にまつわる5話 先祖調査を業としている邑楽風子のもとに持ち込まれた依頼と、風子が自分の出自を調べる話で、近代戸籍の範囲の調査だけで、私が依頼を受けている過去帳や宗門人別帳を使わないのはちょっと残念。 1)幽霊戸籍  111才になる曾祖父の最高齢表彰をすると町役場から通知があったので、曾祖父を探して欲しいという依頼は、死亡届が出されない幽霊戸籍だとわかり、おまけにその戸籍をめぐって昔も今も他人になりすました事件が判明する。  でも、戸籍係の職員が他人になって転職するというのはちょっと設定としてどうかなぁ。 2)棄児戸籍  中学生の少女が父方の先祖を調べたいと来た。戸籍から出身地をたとり、訪問した家の亡父は中学生の祖父の従兄弟だが、その写真は少女にそっくりで、少女は両親に似ていない自分の出自に疑問を持っていたので安心した。  風子が実は捨て子で、姓名は役場の戸籍係がつけたもの、というということが明かされる。 3)焼失戸籍  小学生の息子が、紙を二つ折りにして咥えて呪文を唱える発作を起こすようになって、先祖の祟りだと言われたという相談があり、先祖を調べに岩手へ行くと火事で一家のほとんどが死に、残った子も行方不明になっていた。  憑(つき)祈祷をしてもらうと、「火事、死体、キョンちゃん恨んでねえ」という男の声が聞こえ、その声の主が曾祖父でハッケと呼ばれる占いをしていて、息子の発作と同じ所作、呪文を唱えていたという。  風子と同行者も、キョンちゃんの家で座敷童を目撃し、曾祖父の霊が息子に降りて、キョンちゃんに伝えたかったのだとわかり、息子の発作もなくなってめでたしめでたし。・・裏表紙の「新たなハードボイルド小説」ってなんだかなぁ。 4)無戸籍  出産の費用が払えずに出生証明書をもらえなかったため無戸籍で、学校にも行けず、定職にも就けない男性からの戸籍取得の依頼を受け、産院を突き止めて出生証明書を入手し裁判所に申し立てたが、実は戸籍のある弟が兄になりすまそうという悪企みだと判明。 5)棄民戸籍  風子を探しているという男性がいて群馬県へ向かうが、面会して自分の親ではないと分かる。しかし、直後知らない男たちに襲撃されて、父親が日系ブラジル人のマテウス・オガタというギャングだったとわかる。さらに資料館で自分と瓜二つの女性の写真を見つけて、母親が玉城カメといい、沖縄へ行ったことを知って、風子は沖縄へ向かうと、すでに病死していた。  母親は沖縄からブラジルに移住した一家に生まれ、終戦近くだったため日本国籍がなく、特例で日本に来たものの帰れなくなってオガタと知り合い、子供を産んだもののオガタはいなくなり、「棄民は戸籍を取得できないが、棄児なら取得できる」から娘の将来のために捨てたのだという。風子はショックを受けるが、自分の出自がわかって、これからも先祖探偵を続けようと思う。  最後は母親と似ていることに気づいてほろりとする場面もあるけれど、『元彼の遺言状』の著者の作品としては理不尽さに納得ができない。  巻末に同じ東大法学部出の辻堂ゆめとの対談があって、辻堂ファンとしてはお得感はある。

Posted byブクログ

2024/03/06

家系を探ってくれる生涯孤独の女性探偵の話。 あらためて実家があること、両親がいること、妻、娘、仲良く生活できていることに有難く感じた。家族がいる当たり前のことが嬉しい。

Posted byブクログ

2024/03/02
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新川帆立は読んで失敗はない。 文章に、1991年生まれとは思えない狡猾さを感じる。年齢の割に経験値が高くて、うまいなぁと感心する。 また今回はグルメ的な要素もあり、へぇーそんな郷土銘菓があるのかと興味を持った。 以前NHKで放送していた『ハムラアキラ〜世界で最も不運な探偵〜』にモチーフが似ている気がして、ヒロインはシシドカフカをイメージして読んだ。

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2024/02/25

先祖を探す、つまり家系をさかのぼる探偵のお話。戸籍を取得したり、郷土資料に当たったり、ともすれば地味なお話になりがちなテーマだと思いますが、主人公自身の親探しを軸に、依頼人毎の様々な事情も絡めながら作品を彩ってますね。 情に流されず、それでいてクールすぎない。いい塩梅の主人公だと...

先祖を探す、つまり家系をさかのぼる探偵のお話。戸籍を取得したり、郷土資料に当たったり、ともすれば地味なお話になりがちなテーマだと思いますが、主人公自身の親探しを軸に、依頼人毎の様々な事情も絡めながら作品を彩ってますね。 情に流されず、それでいてクールすぎない。いい塩梅の主人公だと思います。

Posted byブクログ

2024/02/10

有名人の家族の歴史を辿る番組を見ていて面白い企画だなあと思ってたので興味深かった。 もっと色々なエピソードを読んでみたい

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2024/02/03
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先祖、自分のルーツを辿るのは案外面白いかもしれない。風子は自分のルーツを知りたいために先祖探偵になったのかな。

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2024/01/27

自分も先祖を探している、先祖探し専門の探偵を営む主人公の話。 先祖探しの需要がどれほどあるのか分からないけど、自分のルーツを知りたいという欲求は人間の根源的なものなのかもしれないと思った。さすが新川帆立作ということで、法律の知識もしっかり生かされている。といっても小難しくなく、分...

自分も先祖を探している、先祖探し専門の探偵を営む主人公の話。 先祖探しの需要がどれほどあるのか分からないけど、自分のルーツを知りたいという欲求は人間の根源的なものなのかもしれないと思った。さすが新川帆立作ということで、法律の知識もしっかり生かされている。といっても小難しくなく、分かりやすかった。 最後は主人公が前向きになれる終わり方ですっきり。

Posted byブクログ

2024/01/13

戸籍について、知らないことだらけだった。 小説の中のことではあるけれど、現実にもそういうことがあるのかと思うと、考えさせられる。 依頼人の先祖をたどる中、とある墓の前で風子が考えたように、とれだけ懸命に生きていたとしても、年月が経って私を知っている人たちもいなくなれば、消えてし...

戸籍について、知らないことだらけだった。 小説の中のことではあるけれど、現実にもそういうことがあるのかと思うと、考えさせられる。 依頼人の先祖をたどる中、とある墓の前で風子が考えたように、とれだけ懸命に生きていたとしても、年月が経って私を知っている人たちもいなくなれば、消えてしまう。そう思うと、今悩んだり迷ったりしていることなんて、ちっぽけ。 一方で、どんなに孤独を感じていても、私たちは人と人の縁でこの世に存在することができている。 自分のルーツについても知りたくなった。

Posted byブクログ

2024/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

依頼人の先祖をたどる調査をしながら、自分のルーツを探す探偵?の話。 最初の『幽霊戸籍と町おこし』がどんでん返しで面白かった。第三話の『焼失戸籍とご先祖様の霊』は思いがけずオカルトになってしまってびっくりした。 そして最終話の『棄民戸籍とバナナの揚げ物』は話よりも女性の鼻の骨を折る不逞ブラジル人にビビった。 本の中ではリーマンショックまでそういう輩がいっぱいいたらしい。 リーマンショックで外国人が不況で帰らないといけない、みたいなニュース読んだときは同情したけど、けしからん人も帰ってくれて良かったのかも?と小説の中身とは違う感想を考えてた(笑) 母親にはめちゃ感情移入してたけど、父親はそうではなかったのは、記憶がないってのもあるだろうけど、とんでもないやつだったからってのもあるんだろうか。 主人公の家族、日本からブラジルに帰って来れなかったって、大使館と行っても無理だったんだろうか。 社会問題に全くなってないのも闇深すぎる。

Posted byブクログ