Q の商品レビュー
全663ページ、図書館の返却期限までに読み切った! 第一の感想がこれ。それほどに重くて分厚かったです。 ダンスの天才的才能を持った少年キュウこと侑久に魅了され陶酔した人々の破滅の物語といったところでしょうか。 まず魅せられたのはキュウとは血の繋がりがない姉2人。ロクこと睦深、そ...
全663ページ、図書館の返却期限までに読み切った! 第一の感想がこれ。それほどに重くて分厚かったです。 ダンスの天才的才能を持った少年キュウこと侑久に魅了され陶酔した人々の破滅の物語といったところでしょうか。 まず魅せられたのはキュウとは血の繋がりがない姉2人。ロクこと睦深、そしてハチこと亜八。キュウをスターにするため2人は人を殺めることすら厭わない。 コロナ禍の閉塞した世界で、キュウは動画配信を利用して知名度をあげていく。キュウに熱狂する人が増えていく。 キュウの過去を隠すため、キュウを輝かせるため、姉2人は時に手を組みながら、それぞれの方法で彼を守ろうとする。 私自身、誰かの大ファンになったことがないせいか、いまいちのめり込めませんでした。 一方的に知ってるだけの有名人にそこまでできる?そんな感情抱けるの?と。 睦深と亜八の2人は義理とはいえ家族ですが、キュウに抱く感情はやはり異質としか言えません。亜八の方がそれを自覚して自制しようとしてるだけ理解できる部分もあるかな。 3姉弟が育ってきた環境の劣悪さ、後半明らかになる関係性などはよく練られているなと思いました。そして何より天才的なダンスを言葉だけでここまで書き上げた呉さんの表現力の高さは流石です。 ただ、小説として面白かったと言えるかというと普通かなぁ。つまらなかったわけではないのですが。 付録も読みました。 これが1番理解できたかな、凡人寄りの話なので。
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読書備忘録832号。 ★★★★★。 脱帽のストーリーテラー呉先生! この物語には660p必要でしたね。確かに。 神から与えられたギフト、人知を超えたダンスの才能で人々を魅了する町谷侑九(Q:キュウ)。 血の繋がらない義弟のキュウを愛し、彼の幸せの為には人殺しすら厭わない2人の...
読書備忘録832号。 ★★★★★。 脱帽のストーリーテラー呉先生! この物語には660p必要でしたね。確かに。 神から与えられたギフト、人知を超えたダンスの才能で人々を魅了する町谷侑九(Q:キュウ)。 血の繋がらない義弟のキュウを愛し、彼の幸せの為には人殺しすら厭わない2人の義姉睦深(ロク)と亜八(ハチ)。 ギフトホルダーのQを祭り上げ新興宗教的に私腹を肥やそうとする人々。 加えてQの魅力に対し熱病に罹ったかのように群がる人々。人生を捧げる人々。 そして・・・、そこには紛う事なき恋愛群像劇がありましたね! 物語は、全ての自由が奪われた世界的コロナパンデミックの中、キュウをダンサー、アイドルなどの枠を超えたダンスの象徴として世界発信する野望で組み立てられる。 SNSを通じた衝撃的な動画の発信から、ステップbyステップで盛り上げていく手法でネットを席巻する。一切メディアには登場せず発信はSNSのみ。そして野望の最終フェーズ。キュウの生誕祭として4.7km移動型無許可野外配信ライブ「Over there 暗夜行路」の企画と実現で幕を閉じる。 もちろんこのメインストーリーが面白さの中心なんですが、それだけでは★3.5くらい。 一気に★5つにするのが3つの要素!と思う。個人的に・・・。 ①キュウをめぐる睦深と亜八の確執。毒親的支配愛と純粋な保護愛の確執。 ②3人の姉弟に翻弄される人々の物語。 ③そして姉弟の純愛。 ①睦深と亜八と侑九は、父の町谷重和と結婚した女性の連れ子。 重和は連れ子だけ引き取る。すなわち、重和と3人はお互い全く血の繋がりが無い関係。その中でひときわ輝きを放つ侑九。侑九に対する愛。睦深は自分と侑九の関係に挟まる異物をすべて排除する。亜八は? エンディング近く、重和の口から語られる義姉妹の真実とも言える話は衝撃的! ②睦深に対する健幹。睦深と婚姻関係にあるが、そこに愛は・・・。こいつは何の熱病に浮かされていたのか・・・。たぶん侑九に浮かされていたのではなく、睦深に認めて欲しかったんだろうね。 もう一方は亜八に対する有吉。学生時代に亜八はあるグループから暴行を繰り返し受けていた。直接手は出していなかったが、その中に有吉はいた。贖罪なのか、愛なのか。ブクログの皆様の有吉愛が半端ない。確かにこいつは良いし行動が切ない・・・。 ③侑九は類稀な才能を持って生まれた。でも普通の青年。どの発言が彼の本音なのか分からないが、やはり亜八に依存していたのだと思う。そして亜八は侑九を恋していた・・・。 これ以外にも、姉2人が行った高校時代の身の毛もよだつ犯罪行為や、椎名大地、翼をはじめクズ連中の活躍が物語に花を添える! そして暗夜行路に対するフォックスキャッチャーなる人物の殺害予告! アンサーズも忘れてはならない。人生投げうってキュウに尽す究極の推し活だね。ユキさんが所属しているみたいだし笑 そして、エンディング。亜八の勤める人見クリーニング事務所の前で。 暗夜行路という犯罪ライブの先に彼らの平穏はない。それでも、ひと時の間違いない平穏と幸せがそこにはありましたね。 例え懲役を食らっても、その先の未来が描ければ耐えられる、という呉さんらしいエンディングでした。 そうそう。ちゃんとスピンオフ掌編読みましたよ! ここから、彼の未来が狂ったんやね・・・。未来はすべて自分の設計。他人を恨んだらあかんよ。 クソ重い単行本を1週間。ロキソニンテープで腱鞘炎を治さねば・・・。
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理解できる登場人物が1人もいなかった。 闇金ウシジマくんを読んだ後でこの本を読んだけど、作者同じなんかと思うくらい危ない人たちばかり出てくる話だった。 全体的に暗い話。 主人公三兄弟の生い立ちや関係性の部分は面白かった。キュウの才能やプロデュースの部分は読み飛ばした。 部分的に面...
理解できる登場人物が1人もいなかった。 闇金ウシジマくんを読んだ後でこの本を読んだけど、作者同じなんかと思うくらい危ない人たちばかり出てくる話だった。 全体的に暗い話。 主人公三兄弟の生い立ちや関係性の部分は面白かった。キュウの才能やプロデュースの部分は読み飛ばした。 部分的に面白かったけど、分厚いししんどかったー 売った
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天才ダンサーの弟とその義姉たちのお話。 才能とそれを発揮できる場に出会えるか。 めっちゃ長いお話だったけど、お腹一杯楽しめた。 キュウが今はまっているとある天才と重なって読めたので、良いタイミングだったというのもあるかも。 なので、ラストもっとちゃんと最後まで知りたかった。 でも...
天才ダンサーの弟とその義姉たちのお話。 才能とそれを発揮できる場に出会えるか。 めっちゃ長いお話だったけど、お腹一杯楽しめた。 キュウが今はまっているとある天才と重なって読めたので、良いタイミングだったというのもあるかも。 なので、ラストもっとちゃんと最後まで知りたかった。 でもそれは、日常を選んだ亜八が選ばなかったものだから描かれなかったのかなとおもったり。 亜八さん、あんまり出会わないタイプのお姉さんでかっこよかった。
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持ち運ぶのも大変な重さだったけど、連続ドラマのような細切れの起承転結やドキドキハラハラあり、間延びせず読めた。愛する人の為に殺人しましたけど、勘違いでした!?世界を変える為にメッチャ金かけて段どったけど、なぜか反社になっちゃいました!?…とか、ハデにやり過ぎ感は否めないところも、連続ドラマっぽい。ダンスを文字で表すのって、難しいだろうなぁ。映像表現を視野にいれた脚本ってとこかな。 超長編のわりに、読破に達成感も感慨深さも特に感想もないのも、やっぱりドラマっぽい。
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スピード感と後半からの展開は面白い。反面文体が若干読みづらい。コロナ禍のカウンターカルチャーとしては興味深い
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楽しく読めたところは、亜八(ハチ)が清掃業務中予定にない作業を客側から要求されたにも関わらず臨機応変に対応したことを社長が高く評価した部分。仕事が評価されるのはとても嬉しいこと、特に余分な仕事を行わなければならない時、亜八のようにできるといいと思った。
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3人の異母兄弟が繰り広げるノワール物。登場人物が非常に魅力的で、私は特に主人公のハチが、強さと弱さを兼ね備えていてとても惹かれました。 一癖も二癖もある登場人物達が、Qというカリスマ性のある少年に翻弄されて行く物語は、読む手が止まらず、一気に読みました。 とにかくキャラが魅力的な...
3人の異母兄弟が繰り広げるノワール物。登場人物が非常に魅力的で、私は特に主人公のハチが、強さと弱さを兼ね備えていてとても惹かれました。 一癖も二癖もある登場人物達が、Qというカリスマ性のある少年に翻弄されて行く物語は、読む手が止まらず、一気に読みました。 とにかくキャラが魅力的なので、後日談も読みたいです。
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自分の人生に突然あらわれたとんでもない人間に人生ぐちゃぐちゃにされたい願望LV.100みたいなそんな話なので、逆にロクのその惹かれているのに抗っている特異性が目を引くし、すごく美しく感じてしまう 最後にかけての畳みかけがあまりにもスピード感あってグングン引き込まれてしまった 夢見...
自分の人生に突然あらわれたとんでもない人間に人生ぐちゃぐちゃにされたい願望LV.100みたいなそんな話なので、逆にロクのその惹かれているのに抗っている特異性が目を引くし、すごく美しく感じてしまう 最後にかけての畳みかけがあまりにもスピード感あってグングン引き込まれてしまった 夢見たいな話なのに登場人物全員がとんでもなくどこかおかしくて、それが人間くさくて、どうしようもない気持ちになる
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まず、大作を読み終えた達成感は半端ないですw 物語の展開に疾走感があって、ページをめくる手が止まりません。 登場人物の心理描写も深く、考えさせられる事もありました。 ☆4なのは、最後の結末あたりが少し自分好みではないかなと思ったので^^; 快楽と幸福の価値観、人それぞれの...
まず、大作を読み終えた達成感は半端ないですw 物語の展開に疾走感があって、ページをめくる手が止まりません。 登場人物の心理描写も深く、考えさせられる事もありました。 ☆4なのは、最後の結末あたりが少し自分好みではないかなと思ったので^^; 快楽と幸福の価値観、人それぞれの生き方、 依存と自立、他軸と自軸、理想と現実の折り合い…読破したときはそれらが頭の中に残りました。
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