ことばを科学する の商品レビュー

伊藤たかね(著者)

2024/06/22

かなり専門的な内容が平易な文章でまとめられているのだが、とはいえ初学者がすべて理解するのはなかなか難しいと思う。

「ことばを科学する」というタイトルだが、これは「言語学者がことばを科学した結果を一般人に教えてくれる本」ではなく、「これからことばを科学的に研究したいと思っている人が研究手法を学ぶための本」と思ったほうがよさそう。
よく 売られている言語学系の新書とはスタンスが違うので、知識をインプットしたいと思って読むと肩透かしを食らうと思う。

特に、第1章ではひたすら問いを投げられるだけで終わってしまうのが、個人的には読んでてきつかった。
「ふむふむ、それは気にしたことなかったけどたしかに不思議だな！で、どういう仕組みなの？」とこちらが続きを読みたくなったタイミングで別の話題に移る(答えを教えてくれない)、というのが第1章ではずっと続く構成はちょっとしんどい。
結局その答えは(すべてではないが)その後の各章で述べられているのだが、それだったら、各章の頭に導入として置いた方が読みやすかったと思う。