更級日記 の商品レビュー
江國さんが慈しむように訳されるから、平安女子の物語にこがれる思いが現代人と全く変わらない様子で立ち現れます。まさに、平安版女の一生ですね。面白かったぁ。読了すると、江國さんのあとがき2つ(全集版と文庫版)と解説があります。私はやはり作者のことを作家らしい癖のある人だと思っているの...
江國さんが慈しむように訳されるから、平安女子の物語にこがれる思いが現代人と全く変わらない様子で立ち現れます。まさに、平安版女の一生ですね。面白かったぁ。読了すると、江國さんのあとがき2つ(全集版と文庫版)と解説があります。私はやはり作者のことを作家らしい癖のある人だと思っているので、国文学者の原岡文子さんの解説に一票です。
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末法思想の流行った時代。物語に耽溺した自分と仏への葛藤はさぞかし苦しかったと思いきや、仏への願いが案外現生的で、成る程バランス感覚を取った生き方で共感した。
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江國香織の訳による、菅原孝標女の「更級日記」。期待どおり(?)ポップな感じの訳で読みやすく、あっという間に読了。 原作は菅原孝標女が昔を振り返って書いた日記だが、子どもの頃から物語が読みたくて、やっと手に入ると読書に没頭したり、宮仕えはしても慣れない人の間にいると落ち着かなかっ...
江國香織の訳による、菅原孝標女の「更級日記」。期待どおり(?)ポップな感じの訳で読みやすく、あっという間に読了。 原作は菅原孝標女が昔を振り返って書いた日記だが、子どもの頃から物語が読みたくて、やっと手に入ると読書に没頭したり、宮仕えはしても慣れない人の間にいると落ち着かなかったり、神仏詣りにはまったりする孝標女とは、なんだか通じるものがあり、いつの世も、人はたいして変わらないんだなぁ。
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平安乙女の半生記。ビビッドな感性の溢れる内容に、現代のラノベを彷彿とさせるものを感じる。そう考えると、よくこの作品が千年を超えて生き残ったものだとも思えてくる。
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現代的で読みやすく、千年前とは思えない ある一人の女性の人生の踵を細やかに 刻んだ日記である。 少女時代の旅の描写は京への憧れと不安 旅の道中の珍しいその土地の話し、旅の中 で印象に残った風景を目に映したまま 自然と描写している。 その当時は大変な旅だと思うが少女時代の思い出 と...
現代的で読みやすく、千年前とは思えない ある一人の女性の人生の踵を細やかに 刻んだ日記である。 少女時代の旅の描写は京への憧れと不安 旅の道中の珍しいその土地の話し、旅の中 で印象に残った風景を目に映したまま 自然と描写している。 その当時は大変な旅だと思うが少女時代の思い出 として輝く様な旅であった事が分かる。 源氏物語に憧れ、横になって夢中に読む 姿も微笑ましい。 神仏にこの時代の人々は心の拠り所や 願望を心から願い信じて居たのだろう。 ちゃんと拝まなかった事を時々に反省 している所もある。 自然が日々の生活を彩り日本の四季が 新ためて美しいと感じさせる。
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神仏参り、自然。 歌に詳しければ尚一層楽しめたと思う。 物語から歌の訳、最後に歌がある。 悲しい、淋しい、残念、たまらない、耐えられない、うっとうしい、やるせない等々、人の心がはるか昔から変わらない様を感じた。どちらかと言うとつらい感情の方が多い。
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知識として、でも流石に原書は読めないのでこちらを。 平安時代の人ってちょっとしたことで泣くし、酷いと恋煩いで死んでしまう。 こちらも景色を見ては泣き、人とお別れしては泣く。 ちょっと違和感があったのは、日記と言いながらも夫や子供たちとのことがほとんど出なかったこと。 源氏物語に憧...
知識として、でも流石に原書は読めないのでこちらを。 平安時代の人ってちょっとしたことで泣くし、酷いと恋煩いで死んでしまう。 こちらも景色を見ては泣き、人とお別れしては泣く。 ちょっと違和感があったのは、日記と言いながらも夫や子供たちとのことがほとんど出なかったこと。 源氏物語に憧れていながら、「結婚させられた」とあってもそれには全く触れず、しばらくしてから「子供たち」と出てきたから、あぁやっぱり結婚したのかと納得。 あとがきや解説を読むとストンと落ちた。
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読みやすい訳だった。日記というよりは、源氏物語に憧れた箱入り娘が、晩年に生涯を振り返って書いた随筆という感じだ。頻繁に和歌が入るのが平安時代らしい。 当時はやっぱり父親や夫が出世するか、高貴な人物の後ろ盾を得るのが多くの女性の望みだったのかな。こういう感覚は時代の違いを感じるとこ...
読みやすい訳だった。日記というよりは、源氏物語に憧れた箱入り娘が、晩年に生涯を振り返って書いた随筆という感じだ。頻繁に和歌が入るのが平安時代らしい。 当時はやっぱり父親や夫が出世するか、高貴な人物の後ろ盾を得るのが多くの女性の望みだったのかな。こういう感覚は時代の違いを感じるところ。でも共感できるところもたくさんあった。なにより当時の暮らしが垣間見えて面白い。64ページの和歌のやり取りなんかは、今でいうナンパみたいなもの?
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自然の描写の美しいこと。ほんとうにこれ同じ日本?と思うほど。平安は古代なのでまだ神話の時代が続いているようなロマンティックさがある。 人と人との確執にだけ特化した源氏物語より更級日記のほうが好きかも。 人はでてくるけれど名前はでてこなくて、他人はさらっと扱われつつも、 旅には時...
自然の描写の美しいこと。ほんとうにこれ同じ日本?と思うほど。平安は古代なのでまだ神話の時代が続いているようなロマンティックさがある。 人と人との確執にだけ特化した源氏物語より更級日記のほうが好きかも。 人はでてくるけれど名前はでてこなくて、他人はさらっと扱われつつも、 旅には時間がかかり、病気などで簡単に人が亡くなってしまう時代なので、心の底から別れを悲しんだり、再会を喜んだり。 何もかも欲しいって無理なんですよね。 生きることが切実であった代わりに、美しい自然に触れられる時代であったというか。 今は死なない方法はたくさんあるけれど、無くしてしまったものもたくさんある気がする。 そして神仏に帰依するなんて言いつつ、現世利益を求め過ぎで笑ってしまいました。ゆるいな! お金持ちになって子供を贅沢に育てられますように。なんて。 うた恋いでも異母兄弟の結婚はオッケーだったとあって衝撃だったのですが、倫理観が根底から違う。 親の苗字が菅原さんなので、藤原氏が幅を利かせた宮中で負けていった貴族の一族なのかと思うと、父親が転勤族なのも頷ける。 転勤族なので旅をたくさんして、美しい景色に出会い、京に籠っているだけのお姫様より楽しそう。 神仏参りの帰りに泊めてもらった家が盗賊の家だった、のところも好きです。大冒険。 血なまぐさいものばかり、こわごわ読んでいたので、個人的生活を中心にしたものにしよう、と思い日記を読みました。日付をつけた日記ではなく、自分の人生の振り返りだったけど。素敵な感性。作る歌も好き。この人の一生は幸せだったと思う。
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あとがきにも書かれている通り、自分の人生の一代記(作者13歳(数え年)の寛仁4年(1020年)から、52歳頃の康平2年(1059年)までの約40年間が綴られているそう)を書こうとするときのエピソードの取捨選択などが現代の私たちとは違って、面白いなと思った。 とは言え、約1000年...
あとがきにも書かれている通り、自分の人生の一代記(作者13歳(数え年)の寛仁4年(1020年)から、52歳頃の康平2年(1059年)までの約40年間が綴られているそう)を書こうとするときのエピソードの取捨選択などが現代の私たちとは違って、面白いなと思った。 とは言え、約1000年前の人が書いたものなのに共感ができる部分も多くて、根本的に人の考えることは昔も今も変わらないのだなと思ったり。 時ならず降る雪かとぞながめまし 花たちばなの香らざりせば (33頁)ー和歌はたった31文字の中に本当に豊かな情感が込められていて、いつも感心してしまう。と同時に、1000年前に生きた人達と時空を超えて繋がるような感覚も持てて、好き。この歌は当時の作者の純粋さが眩しく、愛らしくて、とても気に入った歌。
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