更級日記 の商品レビュー
江國香織さん訳の更級日記 日記というよりも、いまでいうエッセイみたいな感じなのかな。 源氏物語に憧れて、書物を手にするシーンとかかわいいなって思う。
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「更科日記」を江國さんの現訳で読めるなんて!大河から始まった古典への関心が高まって、手に取ったら面白かった。 平安の人の暮らしが垣間見えるのも面白かったし、悩みも今の私たちと差ほど変らなくて親近感が沸いたり、その時の心境を自然や風景に重ねて詠む和歌は、やはり情緒があって素敵だし、...
「更科日記」を江國さんの現訳で読めるなんて!大河から始まった古典への関心が高まって、手に取ったら面白かった。 平安の人の暮らしが垣間見えるのも面白かったし、悩みも今の私たちと差ほど変らなくて親近感が沸いたり、その時の心境を自然や風景に重ねて詠む和歌は、やはり情緒があって素敵だし、そういう自然や季節を感じる観察眼は平安の方が優れていて、豊かだなと思ったり。こういうものが、何人もの人が書き写して現代まで残っていることに、「積み重ね」ということに弱い私は、ぐっとくるのでした。 河出文庫の古典シリーズいいなぁ。町田康さんの「古事記」も読んでみたい!
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江國さんが慈しむように訳されるから、平安女子の物語にこがれる思いが現代人と全く変わらない様子で立ち現れます。まさに、平安版女の一生ですね。面白かったぁ。読了すると、江國さんのあとがき2つ(全集版と文庫版)と解説があります。私はやはり作者のことを作家らしい癖のある人だと思っているの...
江國さんが慈しむように訳されるから、平安女子の物語にこがれる思いが現代人と全く変わらない様子で立ち現れます。まさに、平安版女の一生ですね。面白かったぁ。読了すると、江國さんのあとがき2つ(全集版と文庫版)と解説があります。私はやはり作者のことを作家らしい癖のある人だと思っているので、国文学者の原岡文子さんの解説に一票です。
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末法思想の流行った時代。物語に耽溺した自分と仏への葛藤はさぞかし苦しかったと思いきや、仏への願いが案外現生的で、成る程バランス感覚を取った生き方で共感した。
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江國香織の訳による、菅原孝標女の「更級日記」。期待どおり(?)ポップな感じの訳で読みやすく、あっという間に読了。 原作は菅原孝標女が昔を振り返って書いた日記だが、子どもの頃から物語が読みたくて、やっと手に入ると読書に没頭したり、宮仕えはしても慣れない人の間にいると落ち着かなかっ...
江國香織の訳による、菅原孝標女の「更級日記」。期待どおり(?)ポップな感じの訳で読みやすく、あっという間に読了。 原作は菅原孝標女が昔を振り返って書いた日記だが、子どもの頃から物語が読みたくて、やっと手に入ると読書に没頭したり、宮仕えはしても慣れない人の間にいると落ち着かなかったり、神仏詣りにはまったりする孝標女とは、なんだか通じるものがあり、いつの世も、人はたいして変わらないんだなぁ。
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平安乙女の半生記。ビビッドな感性の溢れる内容に、現代のラノベを彷彿とさせるものを感じる。そう考えると、よくこの作品が千年を超えて生き残ったものだとも思えてくる。
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現代的で読みやすく、千年前とは思えない ある一人の女性の人生の踵を細やかに 刻んだ日記である。 少女時代の旅の描写は京への憧れと不安 旅の道中の珍しいその土地の話し、旅の中 で印象に残った風景を目に映したまま 自然と描写している。 その当時は大変な旅だと思うが少女時代の思い出 と...
現代的で読みやすく、千年前とは思えない ある一人の女性の人生の踵を細やかに 刻んだ日記である。 少女時代の旅の描写は京への憧れと不安 旅の道中の珍しいその土地の話し、旅の中 で印象に残った風景を目に映したまま 自然と描写している。 その当時は大変な旅だと思うが少女時代の思い出 として輝く様な旅であった事が分かる。 源氏物語に憧れ、横になって夢中に読む 姿も微笑ましい。 神仏にこの時代の人々は心の拠り所や 願望を心から願い信じて居たのだろう。 ちゃんと拝まなかった事を時々に反省 している所もある。 自然が日々の生活を彩り日本の四季が 新ためて美しいと感じさせる。
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神仏参り、自然。 歌に詳しければ尚一層楽しめたと思う。 物語から歌の訳、最後に歌がある。 悲しい、淋しい、残念、たまらない、耐えられない、うっとうしい、やるせない等々、人の心がはるか昔から変わらない様を感じた。どちらかと言うとつらい感情の方が多い。
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知識として、でも流石に原書は読めないのでこちらを。 平安時代の人ってちょっとしたことで泣くし、酷いと恋煩いで死んでしまう。 こちらも景色を見ては泣き、人とお別れしては泣く。 ちょっと違和感があったのは、日記と言いながらも夫や子供たちとのことがほとんど出なかったこと。 源氏物語に憧...
知識として、でも流石に原書は読めないのでこちらを。 平安時代の人ってちょっとしたことで泣くし、酷いと恋煩いで死んでしまう。 こちらも景色を見ては泣き、人とお別れしては泣く。 ちょっと違和感があったのは、日記と言いながらも夫や子供たちとのことがほとんど出なかったこと。 源氏物語に憧れていながら、「結婚させられた」とあってもそれには全く触れず、しばらくしてから「子供たち」と出てきたから、あぁやっぱり結婚したのかと納得。 あとがきや解説を読むとストンと落ちた。
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読みやすい訳だった。日記というよりは、源氏物語に憧れた箱入り娘が、晩年に生涯を振り返って書いた随筆という感じだ。頻繁に和歌が入るのが平安時代らしい。 当時はやっぱり父親や夫が出世するか、高貴な人物の後ろ盾を得るのが多くの女性の望みだったのかな。こういう感覚は時代の違いを感じるとこ...
読みやすい訳だった。日記というよりは、源氏物語に憧れた箱入り娘が、晩年に生涯を振り返って書いた随筆という感じだ。頻繁に和歌が入るのが平安時代らしい。 当時はやっぱり父親や夫が出世するか、高貴な人物の後ろ盾を得るのが多くの女性の望みだったのかな。こういう感覚は時代の違いを感じるところ。でも共感できるところもたくさんあった。なにより当時の暮らしが垣間見えて面白い。64ページの和歌のやり取りなんかは、今でいうナンパみたいなもの?
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