源氏物語(2) の商品レビュー
「紅葉賀」から「明石」まで。一番好きな女君は花散里なのですが、後書きまで読んで六条御息所の印象が変わりました。読むタイミングや訳によっても異なるとは思いますが。それにしても光君の体力と気力、財力はどれほどのものなのか計り知れない。「須磨帰り」せずにこの先に進めるのは角田さんの訳の...
「紅葉賀」から「明石」まで。一番好きな女君は花散里なのですが、後書きまで読んで六条御息所の印象が変わりました。読むタイミングや訳によっても異なるとは思いますが。それにしても光君の体力と気力、財力はどれほどのものなのか計り知れない。「須磨帰り」せずにこの先に進めるのは角田さんの訳のおかげです。
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文庫版2巻読み終わりました。 あっちこっちで逢瀬を交わし、怖いもの無し絶好調の光君。女性たちの感情は生々しく、しかし優雅に描かれており、その人間描写が味わい深いです。 大切な人との別れがあったり、咎めによって須磨へ流されたり、波乱万丈な巻で、中盤は特に悲壮感に満ちていました。でも...
文庫版2巻読み終わりました。 あっちこっちで逢瀬を交わし、怖いもの無し絶好調の光君。女性たちの感情は生々しく、しかし優雅に描かれており、その人間描写が味わい深いです。 大切な人との別れがあったり、咎めによって須磨へ流されたり、波乱万丈な巻で、中盤は特に悲壮感に満ちていました。でも左遷された先でも女性と関係持ってるし、なんかだんだんと「そうでなくっちゃ!」って気分になってくるから不思議。 登場人物はさらに増え、各々の人物に厚みが増しています。登場するどの女性もそれぞれに個性が光っており、話の都合上から配置した記号的役割になってはいないので、すべてのシーンにおいて深みのある読書体験ができました。光君が女性を振り回してるようにも見えますが、おそらく逆もまた然りで、女性たちも駆け引きによって光君を振り回している。その男女間、そして人物間での違いは読んでいて本当に面白い。 相変わらず角田光代さんの訳は流暢で読みやすく、次巻以降も楽しめそうです。 んで、前回の読書中に書いたメモ書きが一部の方に好評だったので今回もそのまま掲載しておきます。 【紅葉賀】 頭中将の説明が「光君と立ち並ぶと、桜の花の隣に立つ名もなき木のようである」は笑う。 光君の読み方がたまに"ひかるきみ"じゃなくて"ひかるくん"に見えることがある。だからどうと言うこともないけれど。 こきでん女御 P.18「光君の人形に同じように着飾らせ」本人の人形が作られてるの!? うつ伏せになってふさぎ込む姫君かわいい。 典侍周り入り乱れとる。 【花宴】 草子地好き。 この顔も名前もよく知らないのに……って文化(文化と言っていいのかはわからないけど)、やっぱりいまの感覚からするとお互い豪胆というか何というか、すごい。 おお、変なところで終わるなこの話。 【葵】 暦の博士?タイムキーパーみたいな職の人ですか? めのわらわって声に出したくなる、めのわらわ。 光君色んな女性と仲を持ったせいで、ちょっと変わったことが起きないかと退屈してるように見える。 あー、葵の上……。 頭中将いいやつ……けど、でないしのすけ(典侍)のことネタにすんのはどうかと思う……。 あ、ていうか頭中将からすれば葵の上は妹なのか、なるほど。 悲しみと喪失感につつまれてるな『葵』。 【賢木】 登場人物系図が複雑になってきた。 P.130「光君は、それほど深く思っていない時でも、恋のためにはいくらでも言葉巧みに書き綴ることのできる男である」ははは、わかってんじゃん。 光君をクズだとは思わないけど、今でいうところのクズ男の才能はあると思う。 面倒な恋に惹かれがちなのは、光君の癖だし、退屈だからだろうな。 の割に気移りが激しいし、すぐ出家したがるのよくない。よくないわ〜。 頭中将は大事。色んな意味で。 【花散里】 光君の逢瀬を交わした女性のことを忘れないのがだんだん美徳に思えてきた。 って短!この話。 【須磨】 この世は無常。 四季の変化を桜の花が散っていく様子で綴っていたり、こういう部分に風情を感じますね。 入道出てきてようやく話が愉快な方向に転がり始めた。 全体的に悲壮感強いよ2巻。 言われのないって言ってるけど、言われはあるでしょ。 やっぱり頭中将は大事。 【明石】 物の怪のたぐいはたまに出てくるけど、海で嵐にあっても簡単に晴れたりしないあたり、"奇跡"には頼ってないんだなと感じる。 紫式部って明石の浦とか住吉神社まで行ったことあるのかな。それとも伝聞でここら辺は描かれたことなのかな。気になる。 P.272「入道は、それからも数えきれないくらいの多くを光君に語り尽くしたのだけれど、ここに記してもうるさいだけでしょう」よくわかっていらっしゃる。つかここら辺はの塩梅って初の長編小説なのになんで出来ちゃうんだろ。 ってまた詠んだ歌を省略してる笑 身をば思はず 【角田光代によるあとがき】 光君からの愛を拒み続けることで、人生の安定と愛される喜び、あるいは人生のままならなさどちらも拒む姿勢を見せた朝顔は非常に現代的とのこと。なるほどー、早く出てこないかな朝顔。
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源氏物語を読むのは教科書以外ではこの文庫本が初めてで、訳の本も初めてです。 なので他の作品がどんな訳になっているのかが分からないので比較できないですが、角田さんの訳なので割と淡々として読みやすかったと思います。 ただ登場人物の名前や続柄や身分などが当時の物などが よく分からな...
源氏物語を読むのは教科書以外ではこの文庫本が初めてで、訳の本も初めてです。 なので他の作品がどんな訳になっているのかが分からないので比較できないですが、角田さんの訳なので割と淡々として読みやすかったと思います。 ただ登場人物の名前や続柄や身分などが当時の物などが よく分からないので相関図を何度も見ながら読んでいました。 現代と時代背景が全然違うし身分や倫理観など全てが違う時代だったので、 それぞれの立場で見てみると「はて?」ということも多々ありました。 それにしても光君の女性に対しての想いや行動力は凄いなと思いました。 華やかなな京を離れて心が穏やかになるかと思ったら、 またそこでも物思いにふけたり、あちらこちらで気持ちがそぞろになるのでかなり繊細な性格の持ち主なのかとも思いました。 女性だけでなく、人生に対しての考え方も垣間見えたのは良かったです。 小難しい所が所々ありましたが、 物語としては面白かったと思うので、 やはりそれだけ引き付けられる文芸書だと思いました。 もっと現代風の訳してもらったら面白味も増すかなとも思いました。
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