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アボカドの種 の商品レビュー

4.2

27件のお客様レビュー

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2024/02/24

日々の出来事を、言葉で短くまとめて表現すること、さりげないけど難しそう。 それを長年実践してこられたのが俵万智さん。 ドキュメンタリを見た時、私が使っているのと同じ手帳に、びっしりと言葉が書かれているのを見て、短い言葉なのにあんなにたくさん、と思ってしまった。 寝る時もそばに置き...

日々の出来事を、言葉で短くまとめて表現すること、さりげないけど難しそう。 それを長年実践してこられたのが俵万智さん。 ドキュメンタリを見た時、私が使っているのと同じ手帳に、びっしりと言葉が書かれているのを見て、短い言葉なのにあんなにたくさん、と思ってしまった。 寝る時もそばに置き、目覚めるとすぐに書き留めておられた。 その中から選ばれてここに収められたうたは、1ページに3首。その白い隙間には、没になったたくさんのうたが潜んでいるのだろう。 読んでいくと、時々ドキッと自分の心に刺さってくる言葉やうたに出会う。全部ではないが、それは私が俵さんの人生を生きてないので仕方ない。 それでも気に入ったうたをいくつか、私も手帳に書き留めた。何度も読ませてもらえるように。 カテゴリに短歌の設定を決めてなかったと今気づく。

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2024/01/30

「心には管制官がいないから着陸の場所自分で探す」 「洗いもの雑に終えればこの家の妖精たちがくすくす笑う」「一人暮らし始めたばかりの子の部屋の冷蔵庫にて冷える缶詰」…老親との関係、息子との関係、自分の恋、病気など、31文字に切り取られた景色は自分自身とも近くて、共感したり想像したり...

「心には管制官がいないから着陸の場所自分で探す」 「洗いもの雑に終えればこの家の妖精たちがくすくす笑う」「一人暮らし始めたばかりの子の部屋の冷蔵庫にて冷える缶詰」…老親との関係、息子との関係、自分の恋、病気など、31文字に切り取られた景色は自分自身とも近くて、共感したり想像したり。自分もいつか、残しておきたいと思える日常の景色を歌にしてみたいと思った。

Posted byブクログ

2023/12/24

大好きな俵万智さん。今年二月NHK『プロフェッショナル』拝聴時の作品もあるんだなあと感激。 自己肯定感とともに他者を迎え入れる懐の深さを感じる眼差しの優しい歌が並ぶ。 ご両親のことや住み慣れた街の日常を詠い生活感があるけれども軽やか。まるで清涼飲料水を飲んでいるような爽やかさ。体...

大好きな俵万智さん。今年二月NHK『プロフェッショナル』拝聴時の作品もあるんだなあと感激。 自己肯定感とともに他者を迎え入れる懐の深さを感じる眼差しの優しい歌が並ぶ。 ご両親のことや住み慣れた街の日常を詠い生活感があるけれども軽やか。まるで清涼飲料水を飲んでいるような爽やかさ。体調や介護のことを触れるのは今まで多くは語られてなかったが、苦しい心情や深刻さを包むこむように表現している。 わかりやすい皆が知ってる言葉の歌、簡単そうで詠えない。随所にワザが感じられて美しい日本語を再認識させられる。 人間かどうか機械に試されて人間として答えつづける 40+20=60 母として成人している還暦の朝 占領のかさぶたありて牛乳は946ミリリットル おそろいの弁当のフタ開けるとき君と僕とは家族と思う 書棚から取り出している第二歌集ひらけば君の匂いこぼれる 尊敬はしないが感謝はしていると子に言われたり十六の春 ちぐはぐなパッチワークを見るように五輪のニュース、コロナのニュース 会話って会って話すと書くんだなあ七カ月ぶりに友と会話す 一円の得にもならぬ歌を詠みホストが迷う「の」と「が」の違い 年末は家族のことが詠まれがちホストにわりとばあちゃん子多し ペットボトル散乱しているリビングは男子の楽しい時間の遺跡 人生は長いひとつの連作であとがきはまだ書かないでおく 言葉から言葉つむがずテーブルにアボカドの種芽吹くのを待つ 福岡女学院短歌コンクールで佳作となり、先日授賞式に行ってきました。交通費は出ませんが、受賞参加者全員に賞状授与は感動しました! 対面の講義に戻り欠伸する生徒の頬に差す午後の陽は 俵万智さんからの有難い講評をいただきました。 「「日常が戻って安心している今、のんびりとした対面での学校生活の様子を詠って良い感じ」とコメントくださり感激しております! 反省点があります。ここは授業とするべきでした。 講義は主に大学の授業 生徒は中高生 学生は大学生 今後もちゃんと推敲していこうと思いました あとから電子データとして掲載されます  https://www0.fukujo.ac.jp/competition/

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2023/12/10

ヨン様を知らない〜の歌。 音楽番組でドラマ主題歌特集をしていると、私の母が「2000年のドラマは何も覚えてないなあ。あなたが生まれた年だからね」と言っていたのを思い出した。子を産み、育てるって大変だ。 季節の移り変わりやライフスタイルの変化をぐんぐんと感じる歌集で、日記を読むよ...

ヨン様を知らない〜の歌。 音楽番組でドラマ主題歌特集をしていると、私の母が「2000年のドラマは何も覚えてないなあ。あなたが生まれた年だからね」と言っていたのを思い出した。子を産み、育てるって大変だ。 季節の移り変わりやライフスタイルの変化をぐんぐんと感じる歌集で、日記を読むようだった。 マチ ソンセンニム! チョンマル サランヘヨ〜!

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2023/12/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

○ドキュメンタリーの撮影を楽しんでらしたのだなあとか、韓流ドラマ沼とか、朝ドラ沼とか、息子さんの成長と巣立ちとか、病院のことご両親のことなど、万智さんの日常がほろりとこぼれ落ちてくるような短歌集でした ホストさんのも良かったな! 好きな短歌 人間かどうか機械に試されて人間として答え続ける 背のびして柿の実ドレミ青空に音符を吊るような手作業 アボカドのサラダ作ってあげることもうないだろうレシピ聞かれる 占領のかさぶたありて牛乳は946ミリリットル 「楽しくじゃなく正しく弾くんだね」子に見抜かれる私のピアノ 灯し火になりたいなんて言ったけどあなたが私の灯し火でした ニワトリを飼う少年より届きたる卵六個よ六つの命 作品は副産物と思うまで詠むとは心掘り当てること 耳遠くなって青葉の風吹いて母の戸ごとは父に届かず 切り札のようにダサレル死のカード私も一枚持っているけど 優しさにひとつ気がつく×ではなく○でかならず終わる日本語 触れたくて触れられなかった指先に念を残すと書いて残念

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2023/11/15

現実的な出来事が短歌として並んでいた。特別な感動はなく、生活の中で雑多に交差する人々の内側にこうした出来事のかけらが散りばめられていると思い出すような一冊だった。 地に足つけて生きてます。歩いてます。 友人から、手作りのお菓子のお礼にといただいた。 選んでもらったのではなく、私...

現実的な出来事が短歌として並んでいた。特別な感動はなく、生活の中で雑多に交差する人々の内側にこうした出来事のかけらが散りばめられていると思い出すような一冊だった。 地に足つけて生きてます。歩いてます。 友人から、手作りのお菓子のお礼にといただいた。 選んでもらったのではなく、私が欲しかったもの。 ありがとう、すごくいい時間でした。

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2023/11/05

俵万智さん、この度は紫綬褒章、おめでとうございます。 『サラダ記念日』からの四十年近くにわたるご活躍。 俵万智さんが大好きで、今年から私も読売歌壇の俵先生充てに何十回も短歌を投稿しましたが、一度も採っていただけませんが、これに懲りず、また投稿するのでよろしくお願いいたします。 ...

俵万智さん、この度は紫綬褒章、おめでとうございます。 『サラダ記念日』からの四十年近くにわたるご活躍。 俵万智さんが大好きで、今年から私も読売歌壇の俵先生充てに何十回も短歌を投稿しましたが、一度も採っていただけませんが、これに懲りず、また投稿するのでよろしくお願いいたします。 さて、俵さんの最新歌集です。 息子さんは二十歳になられ、俵さんも、新しい恋をされたり、闘病もされ、転居もされて、ご両親もご高齢になられ、人生いろいろありますね。 NHKの朝ドラ『舞いあがれ!』に向けて詠まれた歌も。 勇気をもらいました。 ありがとうございます! <手間ひまをかけて生きれば甘くなることもあるよと笑う干し柿> <スマートフォン持たないことの豊かさを思う日暮れのバスケットボール> <デパートの地下に並べる富有柿お金で買える甘さあります> <恋の歌追えばするりと逃げてゆく 三人で見るイルミネーション> <滑走路に光の粒が広がってあの日の夏の日の糸島の海> <ハッピーバースデーあの日あなたを生んだこと、今夜ケーキを分けあえること> <不純物沈殿したるビーカーの上澄みの恋、六十代は> <ああ島の飲み会あるある12分遅刻の我が一番乗りだ> <わたしたち変わらないのにチビたちは思春期になり照れ笑いする> <両親と「千の風になって」聴くこの日を思い出す日のあらん> <「バッチグー」と息子にLINE送りしが「死語はつつしむように」言われる> <卵かけご飯か鯛茶かオムレツか豊かに迷い朝が始まる> 〇以下『舞いあがれ!』に対する歌です。 <非公式応援歌人と呼ばれてる妄想短歌とまらぬ我は> <おそろいの弁当のフタ開けるとき君と僕とは家族と思う> <君だけに見える昼間の星となり一生かけてそばにおりたい> <灯し火になりたいなんて言ったけどあなたが私の灯し火でした> 以上『舞いあがれ!』より <芸人のモノマネをする息子いて元を知らねど笑いたい夏> <しっかりと飯を食わせるだけの日々 息子のおさがりTシャツを着て> <三十首作ってみようと励ませば二百首作ってくるヤツがいる> <新聞をとることゴミを捨てること一日百歩の父のリハビリ> <人生は長いひとつの連作であとがきはまだ書かないでおく> <つかうほど増えてゆくもの かけるほど子が育つもの 答えは言葉>

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