怪物に出会った日 井上尚弥と闘うということ の商品レビュー
好評で久しぶりにスポーツノンフィクションを読む気にさせた一冊。 4団体統一戦を前にしたタイミングを狙っただけの本ではない。井上尚弥の凄さと同時に対戦相手(敗者)の生き様にもスポットを当てた内容は、負けの美学を描いた昭和の名著「敗れざる者たち」(沢木耕太郎著)を彷彿させる。井上戦に...
好評で久しぶりにスポーツノンフィクションを読む気にさせた一冊。 4団体統一戦を前にしたタイミングを狙っただけの本ではない。井上尚弥の凄さと同時に対戦相手(敗者)の生き様にもスポットを当てた内容は、負けの美学を描いた昭和の名著「敗れざる者たち」(沢木耕太郎著)を彷彿させる。井上戦に人生を懸けた佐野友樹をはじめ、判定激闘をバネに世界王者に上り詰めた田口良一、現役続行し復活を期すドネアやカルモナ、さらには井上と最も多く拳を交えたスパーリングパートナー黒田雅之、将来父の仇を取るかもしれないナルバエス・ジュニアら…十(一)人十(一)色の「物語」に胸が熱くなった。読みながら、それぞれの試合をYouTubeで改めてチェックしてみると、新たな発見や驚きもあって色々と腑に落ちた。進化し続けるモンスターが12•26にはどんなドラマを見せてくれるのか、とても楽しみ。
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ボクシングをやったことがない人間がこれだけ楽しめるんだから、ボクシングをやったことがある人が読んだら、気絶してしまうのではないだろうか。 それにしても、YouTubeで過去の試合が簡単に見られる時代で良かった。
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一章の佐野友樹に尽きる。読んでて涙出てきた。 今年読んだ本の中でベスト。 ナルバエスジュニア、井上まで辿り着いて欲しいな。
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p79 心・技・体でいうとわざと体が凄いのに心が弱いボクサーって多いんです。 p330 井上くんの右のパンチに合わせて、河野が右のカウンター狙いにいったんです。あれは練習していたやつなんです。デンカオセーンとリボリオ・ソリスを倒したのと全く同じパンチ。ダウンして意識がもうろうと...
p79 心・技・体でいうとわざと体が凄いのに心が弱いボクサーって多いんです。 p330 井上くんの右のパンチに合わせて、河野が右のカウンター狙いにいったんです。あれは練習していたやつなんです。デンカオセーンとリボリオ・ソリスを倒したのと全く同じパンチ。ダウンして意識がもうろうとしながら殴りにいったアイツは本当に凄いなと思いました。普通ならガードか、クリンチか。でもアイツは狙っていた。最後はイチかバチか。刺し違えてでも相打ち覚悟で死んでやると。大したもんです。 高橋の目にはさらなる驚愕のシーンが飛び込んでくる 河野の渾身の右をバックステップで躱す井上の動きだった 「ああ、さすが井上尚弥だな。凄いな」 デンカオセーンを葬り、ソリスを倒した河野の右を井上は読んでいたのだ。ラッシュをしているときでも、どこまでも冷静に河野の右を躱した。二発ともかすりもしなかった 一瞬の攻防。それは世界の頂点に立つ者同士の高度な駆け引きだった
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