キリストと性 の商品レビュー

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2024/07/07

西洋美術に表出するクィアな解釈のキリスト、 その多様性を実例に触れながら探っていく 民衆の信仰意識はほんとに多面的

Posted byブクログ

2024/06/27

 一人のクリスチャンとして、また一塊のキリスト教美術好きとして興味深く読んだ。  キリスト教が元来持つ(と私は考える)クィアな性質は、いきなり真正面から聖書を読んだり、正統派のキリスト教名画を眺めても分かりづらい。むしろクィアとは正反対と捉えられかねない部分が多く、実際に排他的...

 一人のクリスチャンとして、また一塊のキリスト教美術好きとして興味深く読んだ。  キリスト教が元来持つ(と私は考える)クィアな性質は、いきなり真正面から聖書を読んだり、正統派のキリスト教名画を眺めても分かりづらい。むしろクィアとは正反対と捉えられかねない部分が多く、実際に排他的な捉え方をしたせいで多くの人々を傷付けてしまった歴史もある。  しかし、あえてメインストリームではない方角(=正統派ではない、ひょっとしたら異端みすらあるキリスト教美術)から眺めると、イエスさまが示すオープンマインドな愛、境遇や条件に左右されない真の平和が比較的はっきり見えることもあるのだと、本書を通じて学んだ。  とくに磔刑図/像の異性装について触れるセクションが面白かった。  変わった内容ではあるから、それなりのコンテクストを把握していないと読みづらい or 色々誤解しちゃうかも。私自身ずっと調べ物をしながら読んだから、薄い新書なのに読了まで随分時間がかかってしまった。他レビューにもあった通り中〜上級者向けだと思う。  キリスト教美術やジェンダー・セクシュアリティの問題に一定の興味がある人にはぜひお勧めしたい。

Posted byブクログ

2024/03/28

キリスト教に関する人物や有名な場面をベースに、イエス、ヨハネ、ユダ、マグダラのマリアなどの絵画からジェンダーを超えた論考が楽しめるユニークな本だ.ユダは本当に裏切り者なのかとの設問で展開する部分が楽しめた.キリストを女性として扱った絵画がこんなに沢山あるのに驚いた.父、子、聖霊を...

キリスト教に関する人物や有名な場面をベースに、イエス、ヨハネ、ユダ、マグダラのマリアなどの絵画からジェンダーを超えた論考が楽しめるユニークな本だ.ユダは本当に裏切り者なのかとの設問で展開する部分が楽しめた.キリストを女性として扱った絵画がこんなに沢山あるのに驚いた.父、子、聖霊をまとめて三位一体と称するが、それにマリアを加えた四位一体という構想もあった由.想像力を最高に発揮した当時の画家たちの作品は、庶民の意向を反映したものと言えようが、それにしても発想が素晴らしいと感じた.

Posted byブクログ

2023/12/04

キリスト教の深層を見た思いだ。 何と豊かな土壌から産まれ、育まれたことだろう。 今は痩せ細っているにしても、元はこれほど旺盛なエネルギーに満ちていたのだ。それは宗教だけに限らず、性を消費してしまっている現代人の貧しさを見るようでもある。 性と土俗性を忘れてはいけない。

Posted byブクログ