狙撃手の祈り の商品レビュー
一言で言うならば、家族愛である。犯罪はいかなる理由であれ許されるものではないが、犯罪に至るまでの葛藤や思いを知ると杓子定規にダメなものはダメだろうと思えない犯罪もあると感じてしまう。親が子を思う気持ちから犯してしまう罪が、その最たるものであろう。とにかく切ない思いになった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
実際の事件をもとに狙撃犯の悲哀を創作する。圭一の父青井修が生存していると分かるまでは、加藤充治やキムミンソンが犯人ならばあまりにベタだし、でも青山友康はいくらなんでも性格的にあり得ないし、そうするとやはりベタな二人のいずれかなわけで…、分かりません状態だった。なるほど重ね重ねの入れ替わりってことか。清野さん、本当に都合よいタイミングで亡くなってくださいました。最後の幕はなんか既定路線そのもので、ホッとしたような物足りないような。沙月の死を事件と切り離して病気に起因させちゃうのも違うでしょ、って思っちゃう。
Posted by
実際の事件をモチーフにした重厚な警察小説。しかもミュージシャンが一方の主人公なので、親近感が湧きます。ちょうど90年代が最初の事件当時なのでオアシスが出て来てぐっときます。 オウム事件、警察庁長官射殺事件。もう30年経つんですね・・・。
Posted by
こういう丁寧に人生が描かれている作品にはステレオタイプの公安と一課の対立を持ち込む必要はなかったんではないかな。いくつもの流れがある中で最後はやっぱり家族の物語になった。思いの伝わる作品でした。
Posted by
プロローグでの警察庁長官狙撃事件は実際にあった國松警察庁長官狙撃事件を思い出しました。場所も日にちも同じ設定でおまけに未解決であることも。そしてオウム真理教の地下鉄サリン事件を思わせる宗教団体の存在。 最初は十条銀座商店街の楽器店の店主青井圭一とこの事件がどう繋がるのだろう?と...
プロローグでの警察庁長官狙撃事件は実際にあった國松警察庁長官狙撃事件を思い出しました。場所も日にちも同じ設定でおまけに未解決であることも。そしてオウム真理教の地下鉄サリン事件を思わせる宗教団体の存在。 最初は十条銀座商店街の楽器店の店主青井圭一とこの事件がどう繋がるのだろう?と思って読み始めたけれど、妻であり、記者でもある沙月の亡くなる前の行動を辿って行くうちに思ってもいない真相に辿り着きました。 全ては家族の為に…。この小説の中の隠されたテーマのような気がしました。 タイトルにもなっていますが、狙撃手の祈りが通じたのは良かった。しかし、実際の事件の裏にはどんな真実が隠れているのでしょう?改めて当時の事件の事を思わず調べてしまいました。
Posted by
1995年に起きた警察庁長官狙撃事件を題材にした物語。楽器店主が雑誌記者の妻の失踪を機に事件の真相を追っていく。 「看守の流儀」と「看守の信念」がお見事だった城山真一先生の新作長編で、ワクワクしながら読みました。 読みやすさ、テンポの良さ、よく練られた展開。さすがだなと思いまし...
1995年に起きた警察庁長官狙撃事件を題材にした物語。楽器店主が雑誌記者の妻の失踪を機に事件の真相を追っていく。 「看守の流儀」と「看守の信念」がお見事だった城山真一先生の新作長編で、ワクワクしながら読みました。 読みやすさ、テンポの良さ、よく練られた展開。さすがだなと思いました。 でも色々な部分で私の好みとはちょっと違ったかな… まぁこういうこともありますよね。 実在の事件を題材にした社会派小説でありながら、家族の絆が大きなテーマとなった重厚な人間ドラマでした。
Posted by
現代のお話だけど、またスナイパー? って思いながら読み始めましたが… (同志少女を読んで間もなかったので(^-^;) 意外にも家族の物語という感じでした。 公安だけど、良い人だったり。 過去の現実の事件を取り入れているので 振り返って思い出したり。 大切なものを守るため… 色...
現代のお話だけど、またスナイパー? って思いながら読み始めましたが… (同志少女を読んで間もなかったので(^-^;) 意外にも家族の物語という感じでした。 公安だけど、良い人だったり。 過去の現実の事件を取り入れているので 振り返って思い出したり。 大切なものを守るため… 色々切なくもありました。 ちょっと、どうなの?と 疑問に思う点もありますが 最後は、良い終わり方だったと思います!
Posted by
2024.3 ストーリー的にはあるあるだけれど、やはり上手ですね。オウムの警察長官銃撃事件って犯人捕まったんでしたっけ?
Posted by
國松長官狙撃事件を題材にしたミステリー。主人公は楽器店主の青井と公安の斎賀。記者の妻の失踪と、父親の執念の書付けが彼らを過去の事件に引き寄せる。一つ一つの文章がとてもステレオタイプ。気に入らないと「あーん?」と圧をかけてくるキャリアの同期の上司の態度とか、作者のオリジナリティが見...
國松長官狙撃事件を題材にしたミステリー。主人公は楽器店主の青井と公安の斎賀。記者の妻の失踪と、父親の執念の書付けが彼らを過去の事件に引き寄せる。一つ一つの文章がとてもステレオタイプ。気に入らないと「あーん?」と圧をかけてくるキャリアの同期の上司の態度とか、作者のオリジナリティが見えずに残念。
Posted by
1995年3月國松警察庁長官狙撃事件が起きた。当時の日本は誰もがオウム真理教の犯行だと思った。実際の事件を題材にした警察小説。真相にたどり着く過程においては少しリアリティに欠けた感じ。いろいろとあっけなく証言が取れたりするけど、展開としては面白かった。
Posted by
- 1
- 2