高学歴難民 の商品レビュー
この本では高学歴難民の様々なケースが書かれていたが、どの高学歴難民も、「周囲の人々からの過度な期待」に応えられなかったときに、人生に行き詰まってしまうケースがほとんどだった。 「教育虐待」をする親たちの中には、親本人が学歴コンプレックスを抱いている人が多いと言うことに衝撃をう...
この本では高学歴難民の様々なケースが書かれていたが、どの高学歴難民も、「周囲の人々からの過度な期待」に応えられなかったときに、人生に行き詰まってしまうケースがほとんどだった。 「教育虐待」をする親たちの中には、親本人が学歴コンプレックスを抱いている人が多いと言うことに衝撃をうけた。近年大学に進学者が増え、学歴が一層重視される時代となったが、学歴だけでなく、他の視点からも評価できる世の中になってほしい。 学歴はいい意味でも悪い意味でも武器になるのだと感じさせられた。
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高学歴というよりは、大学院に進んだり、海外留学したり、20代後半くらいまで卒業時期を後ろにずらしてしまうと、途端に就職口が狭まるらしい。 若干ひっかかるのは、高学歴難民というタイトルなのだが、高学歴=成功が約束されている、的な構図が著者の頭の中にはあるのか?、もしくは世間一般は...
高学歴というよりは、大学院に進んだり、海外留学したり、20代後半くらいまで卒業時期を後ろにずらしてしまうと、途端に就職口が狭まるらしい。 若干ひっかかるのは、高学歴難民というタイトルなのだが、高学歴=成功が約束されている、的な構図が著者の頭の中にはあるのか?、もしくは世間一般はそう考えているのか?ということ。だから、高学歴なのにこんな目に、みたいな話なっている。 比較すれば、それでも高学歴の人のほうが成功者だし、そのネットワークには組み込まれているんじゃないかと思うけど。失敗している人はプライドが邪魔している。
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レビューを書き終わって読書会で紹介しようと思う本を部屋に取り分けていますが、その中に紛れ込んでいた本で、読みかけになっていました。読み始めたら止まらなくなり読み終えた本となります。 この本には、筆者が実際に就業支援の活動をする中で知り合った「高学歴」を持っているにも拘らず悩みを...
レビューを書き終わって読書会で紹介しようと思う本を部屋に取り分けていますが、その中に紛れ込んでいた本で、読みかけになっていました。読み始めたら止まらなくなり読み終えた本となります。 この本には、筆者が実際に就業支援の活動をする中で知り合った「高学歴」を持っているにも拘らず悩みを持っている実在の人達について書かれています。この本で紹介される「高学歴」の人とは、大学で博士号を取得、もしくは留学等を含めて複数の修士号を持つ人達を指しているようで、大学卒業後にすぐに就職をするのではなく、研究活動を30歳位まで続けている人のようです。 私の大学時代を振り返ってみると、同じ学科には100人位いて、大学院修士を卒業したのが4割程度、博士課程まで行ったのは5人程度でした、そのうち友達が3人もいました。彼らは皆、大学の教授になって活躍していますが、私が卒業したのが平成になったばかりで、まだ今と比べて修士課程に行く人も少なかった良き時代だったのかもしれません。 現在は大学院に行く人も増えて、博士課程を終えてもこの本に紹介されているように、バイトを掛け持ちしながら研究活動に勤しんでいる人も多いようです。図らずも「高学歴難民」となってしまった人達のレポートを読んで、プロを極める(夢を追いかける)のも良いが、適度な所で自分を見極めて行動する(会社に就職して社会経験を積む)のも大事なのかもしれないと、この本を読んで感じました。 以下は気になったポイントです。 ・法科大学院などの専門職大学院への進学や海外留学は、一見、カッコよく思われますが、むしろ就職の機会を逃し、高学歴難民を生み出してしまうこともある。学歴は、称号として経歴を飾るどころか「烙印」ににさえなり得る。学歴社会が崩壊に向かう時代、ありすぎる学歴は成功を遠ざけるのでしょうか(p3) ・本書の目的は、教育や雇用をめぐる社会的議論を展開することではなく、高学歴難民やその生活を支える家族の視点から、教育の意義や社会の課題、そして、個人の幸福について考えることにある(p5) ・2004年から開始された法科大学院ですが、現在はその半数以上が廃校になっている、大学院の学費は高く、法曹資格を取得した後も奨学金の返済に苦労している人々もいる。こうした事情から当初に比べて入学者も激減した(p78) ・気に入らないことがあったら、すぐ辞めるんじゃなくて、改革できるようなポジションにまで昇り詰めて自分で変えたらいい、弁護士の叔父から言われた言葉を思い出し、3年は働いてみようと決めていたが、社内では全く評価されなかった(p127) ・田舎のコミュニティは残酷である、子供時代のカーストが大人になるまで続く、自分を知る人が誰もいない世界は本当に快適であった(p158) ・大学院入学の理由は「社会を変えたい」という高い志からというよりも「就活のタイミングを逸した」「就職試験に落ちた」といったモラトリアムとしての大学院生活が主たる目的だと語っている人が少なくありません。また、社会に出る準備ができていないために大学に残った人もいる(p166) ・高学歴難民が社会的に孤立する要因として、連帯することの難しがある、とりわけ男性難民は学歴のプライドに加え、男としてのプライドの高さが連帯を妨げ、孤立を招いている(p168)より就労のハードルが高いのは、圧倒的に中年男性高学歴難民である(p169) ・学歴はなくとも事業に成功し社会的な影響力をえている人々もいる、実績で成功を収めた人々は、学歴止まりで実績のない人より、確実に社会的に評価される。この現実が、痛いほど身に染みているからこそ、高学歴難民は辛い(p185) ・世の中には成功者の言葉ばかりが溢れていますが、筆者はむしろ苦難の真っ只中にいる人々から発せられる言葉の方が胸に迫るものがあり、岐路に立たされた時、役に立つと考えている(p187) 2024年7月18日読破 2024年7月19日作成
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序章 犯罪者、1章 博士課程、2章 法曹、3章 海外留学、4章 家族の告白、5章 高学歴難民の孤立 という章立てで、高学歴だが将来の望みがなく生活に困っている人を描くという構想だったと思う。たしかに、序章と1章に描かれているのはまあ高学歴志向の犠牲になった人という感じがする。しか...
序章 犯罪者、1章 博士課程、2章 法曹、3章 海外留学、4章 家族の告白、5章 高学歴難民の孤立 という章立てで、高学歴だが将来の望みがなく生活に困っている人を描くという構想だったと思う。たしかに、序章と1章に描かれているのはまあ高学歴志向の犠牲になった人という感じがする。しかし、2章の法科大学院卒司法試験失敗組と3章の海外留学帰りの人は、それなりに楽しくやっているし、4章に書かれているモンスターは、高学歴の犠牲者というより学歴がなくてもモンスターになるタイプの人のように見える。 日本の文系の大学院への進学は、生活の役に立たない無駄遣いだ、ということを再確認させるという意味はある。
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学術的なデータに基づく書籍ではなく、著者がヒアリングした体験談を集めた内容。 様々な人生があるのだな、と感じる。読み物としては楽しめたが、三面記事的な印象を受けた。 ゴシップ的なコンテンツが好きなら楽しめるが、進路の参考にしようと期待して読むと空振りになるかも。
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これ、読んだことがあるかもしれません。 それとも、何かの記事で、部分的に読んだことがあるのかもしれません。 切ないです。 でも、わかりますし、危惧しています。 私は、3流私立大学出身です。 両親は、地方の国立大学出身で、教員をしていました。 弟は、クラスで1〜2人しか大学に行...
これ、読んだことがあるかもしれません。 それとも、何かの記事で、部分的に読んだことがあるのかもしれません。 切ないです。 でも、わかりますし、危惧しています。 私は、3流私立大学出身です。 両親は、地方の国立大学出身で、教員をしていました。 弟は、クラスで1〜2人しか大学に行かないような高校に通っていました。しかし、母が、大学に行った方が絶対に良いという思想のもと、進学を進めました。二浪して、専門学校に入って、もう一度受験して、地方の無名私立大学を卒業。就職は、大卒扱いではなく、高卒扱い。歳下の上司に教わるのが辛いと、何年かで退職し、実家へ。その後、実家で就職しましたが、事故で亡くなりました。 私は、結婚して専業主婦になり、自分の学歴コンプレックスもあり、教育ママに。 子ども2人は、まあまあの大学に入りました。 上の子は、無事就職。辛いと言いつつ、3年は続いています。 下の子は、やりたい事がまだわからないから、大学院に行こうかなと言うので、それなら、就職するよう伝えました。大学の先生や夫も、そんな理由で大学院に行っても良いと言いましたが…。 私自身も、何をやりたいかわからないので、大学院に行こうかと思い、母に、お金がないからダメと言われました。でも、あの時、中途半端に大学院に行かず、就職して良かったと思います。仕事を始めても、迷ったり、悩んだりします。でも、何かしらの社会経験は、大切です。そこから学び、自分自身を分析して、方向転換するも良し、長くやった事が、特技になる場合もあります。 私も、どちらかと言えば、学ぶ方が好き。資格試験も比較的得意です。インプットして、覚えた事をアウトプットするだけですがから。実際に働くと、ストレスはあります。でも、コミュニケーションを取ってなんとかやっていかないと、人は生活の糧を稼ぐことは出来ません。 高学歴難民…高学歴ではないですが、私も予備軍でした。生活費を稼ぐことは、大切です。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
加害者家族支援をされている阿部さんの本でありタイトルも「確かにそういう人増えてるな」と問題意識があったので手に取り。 しかし…事例が豊富で確かにそれは問題、大変…といろいろ知ることはできましたが、結局それでこの問題をどのように解決したり打開するのか、ということに全く触れられてなく。 だいたいの人は大学院進学が分岐点、というような分析箇所があり、確かにそうだなと思いましたが、そこから何もなくて進学した事自体が悪いかのような印象を持ってしまいます。 事例を知りそのような現実の人がいることを知ることはまず大切なのは確かですがうーん…本書の感じだと「困難な人生を歩んだ人もこんなにいるね」で終わってしまうというか。 最終章にご本人の活動について触れられており、初見の方は良いですが何作か読んでいる身からすると「あれ、前作とあまり変わってない…活動行き詰まってるのかな」と心配?になるようなデジャブがありました。
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平均評価はかなり低いように思うが、視点の提供、内容の分かりやすさからも、ノンフィクションとして非常に面白かった。
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筆者が出会った生活に困窮した人たちのエピソードを無造作にまとめただけ。高学歴全然関係ない。今まで読んできた貧困関係の本とは全く違い、弱者を扱ったものではない。 学歴はあるけど働くことに向いてないパーソナリティの人達が文句言ってるのを紹介してるだけで問題提起とかもほぼなく、読む価値...
筆者が出会った生活に困窮した人たちのエピソードを無造作にまとめただけ。高学歴全然関係ない。今まで読んできた貧困関係の本とは全く違い、弱者を扱ったものではない。 学歴はあるけど働くことに向いてないパーソナリティの人達が文句言ってるのを紹介してるだけで問題提起とかもほぼなく、読む価値がなかった。
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[啐啄同時]と言う禅語があるがその言葉が読書中ずっと浮かんできた。 自分で啄む力を育むと言うのも教育。 権利を主張すれば道理が引っ込む! そんな視点を持つべきだと思います。 何名か高学歴難民?になりそうな若者をインターンで受け入れましたが、一番大切なのは“コミュニケーション能力...
[啐啄同時]と言う禅語があるがその言葉が読書中ずっと浮かんできた。 自分で啄む力を育むと言うのも教育。 権利を主張すれば道理が引っ込む! そんな視点を持つべきだと思います。 何名か高学歴難民?になりそうな若者をインターンで受け入れましたが、一番大切なのは“コミュニケーション能力”と言うことが理解出来ていない人が多かったです。
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