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絵物語 動物農場 新訳版 の商品レビュー

4.5

16件のお客様レビュー

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2026/04/07

レーニンのソビエト連邦独裁政治の時代をモデルに、人間を追放した動物たちが農場を営む物語。 どなたの翻訳にするか迷っていたところ、文芸評論家の三宅香帆さんが他の作品で金原瑞人訳を絶賛してたので、こちらをチョイス。 挿絵の効果もあって、とても読みやすかった。 支配者は自分に都合よ...

レーニンのソビエト連邦独裁政治の時代をモデルに、人間を追放した動物たちが農場を営む物語。 どなたの翻訳にするか迷っていたところ、文芸評論家の三宅香帆さんが他の作品で金原瑞人訳を絶賛してたので、こちらをチョイス。 挿絵の効果もあって、とても読みやすかった。 支配者は自分に都合よくルールを変え、考える事を放棄した労働者は搾取される姿が生々しく描かれている。 1945年出版の作品だけれど、古さは全くない。 むしろ、この作品で動物vs人間で表されていることが、今現実に国内や国家間で起こっていて、うすら寒くなった。 どんなに立派な理想を語っていても「他者よりいい思いがしたい欲」が誰にでもあって、環境が整えばいとも簡単に欲が勝ってしまうのが人間の性なのかもしれない。

Posted byブクログ

2026/02/14

 イギリスの作家ジョージ・オーウェルが1945年8月に発表した『動物農場』。ソビエト連邦の体制を動物社会に置き換えた物語である。今でこそ当時のソ連やスターリン主義の怖さを知ることができるが、第二次大戦が終わった直後にソ連の善悪や将来を完全に予見できた人は、そう多くなかったのではな...

 イギリスの作家ジョージ・オーウェルが1945年8月に発表した『動物農場』。ソビエト連邦の体制を動物社会に置き換えた物語である。今でこそ当時のソ連やスターリン主義の怖さを知ることができるが、第二次大戦が終わった直後にソ連の善悪や将来を完全に予見できた人は、そう多くなかったのではないかと思う。  この物語は歪んだ社会主義国家の将来をとことん皮肉っているが、実のところオーウェル自身は単なる社会主義批判者ではなく、自身も社会主義を是とする立場だったという。  余談だが、私が高校時代に読んだ社会科の参考書には、社会主義国家(たぶんソ連)の「物価の安さ」が例として挙げられ、「闇雲に社会主義を批判するのもどうか」という解説があった。そのときは「まあ社会主義もありかも分らんね」くらいに感じたのを覚えている(今思えばずいぶん単純だったが)。  ただ、この作品では動物たちが憎き使役者である農場主(人間)を追い払い、動物だけの社会を築き理想を掲げるものの、能力や考え方の違い、権力闘争、独裁、粛清、そして「独裁者に都合のいい理想の修正」が進んでいく。ソ連に限らず、現実の社会主義国家が歩んだ道を分かりやすい寓話として展開していく物語だと感じた。  『動物農場』には様々な翻訳があるが、私が選んだのは金原瑞人訳、パイ インターナショナル刊の一冊。美しい挿絵が散りばめられている。この絵が悲しいほどに可愛らしい。金原さんの訳文もとても分かりやすく、まるで童話を読むかのようだった。だからこそ、物語が進むにつれて理想が書き換えられていく怖さが、静かに効いてくる。  他にも開高健や吉田健一の訳本、石ノ森章太郎の漫画、さらにはPink Floydのアルバム『Animals』など、この作品はさまざまな形で広がっている。ここまで脱線するとアンパンマン級に広がってしまうので止めておくが、それだけ触れ方の多い名作なのだと思う。  初めて読む人にも、昔読んだ人にも、この版は薦めたい。読みやすさと装丁の美しさが両立していて、寓話としての面白さを素直に味わえるからだ。  そしてオーウェルの代表作で暗黒世界といえば『1984年』。図書館で借りて読まずに返した過去があるが、今度こそ読んでみようと思う。

Posted byブクログ

2025/11/23

現実世界の人間を動物に映す表現が的確で非常にわかりやすかった。義務教育で扱われるべき作品。 多くの動物が登場するものの、豚と豚以外の2つに大きく分かれており、作中では頭がいい動物と頭が悪い動物のように表現されているが、冷静に人間に置き換えて考えてみると恐ろしい。豚以外の動物は頭が...

現実世界の人間を動物に映す表現が的確で非常にわかりやすかった。義務教育で扱われるべき作品。 多くの動物が登場するものの、豚と豚以外の2つに大きく分かれており、作中では頭がいい動物と頭が悪い動物のように表現されているが、冷静に人間に置き換えて考えてみると恐ろしい。豚以外の動物は頭が悪いわけではなく、「頭がいい」豚に支配されて麻痺しているように思える。これが我ら人間の世界で実際に起こっていたという過去形ではなく、現在のように戦いという形にならないだけで支配構造は何年経っても変わらない本質がみえる。 そして、ベンジャミンは1984に登場するウィンストンのようなキャラクターに近いような気がした。 挿絵のタッチ自体は優しいのに、場面によって力強さや皮肉的な雰囲気が伝わってきて美しかった。

Posted byブクログ

2025/09/23

豚の演説「人間は敵だ!」 うわー、怖い! 「人間は自分たちの利益しか頭にない」なんて言われたら、「そ、その通りですー」と言って、そそくさと逃げ出したい気持ちになります。 動物たちの人間への反逆、復讐。動物たちのチームワーク、恐るべし。動物社会での内部闘争。動物の社会であるのに...

豚の演説「人間は敵だ!」 うわー、怖い! 「人間は自分たちの利益しか頭にない」なんて言われたら、「そ、その通りですー」と言って、そそくさと逃げ出したい気持ちになります。 動物たちの人間への反逆、復讐。動物たちのチームワーク、恐るべし。動物社会での内部闘争。動物の社会であるのに、人間社会に見えてくる怖さ。過労死寸前まで、身を粉にして働く動物もいて。人間と動物の熾烈な戦い、ハンパなかったです。最後の終わり方、怖さの余韻が何とも言えません。 あとがきに、ソビエト連邦をモデルにした作品とありました。 物語の展開に即した挿絵の効果が抜群で、あっという間に読み終わってしまいました。怖くて、面白くて、ドキドキして。子供の頃に読みたかったです。 ジョージ・オーウェルの『一九八四』。大学1年の長期休みの感想文、課題図書で読み、衝撃的だったことのみ記憶に残っています。また、読んでみようと思います。

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2025/03/13

とても読みやすく分かりやすいお話しなので、原文でも読んでみたいと思いました。 「1984」を彷彿とさせるものがあり、実際に「動物農場」の数年後に出版されたことを考えると、既に構想はあったのかなと思ったりしました。 「1984」も中々の鬱展開だなと思いましたが、イラストがある分、衝...

とても読みやすく分かりやすいお話しなので、原文でも読んでみたいと思いました。 「1984」を彷彿とさせるものがあり、実際に「動物農場」の数年後に出版されたことを考えると、既に構想はあったのかなと思ったりしました。 「1984」も中々の鬱展開だなと思いましたが、イラストがある分、衝撃度というか、心に訴える力は「動物農場」の方が圧倒的に感じました。イラストが悲しいし、残酷です。 ただ、訳者の後書きにて、「オーウェルは実は変革を求める社会主義者」であったとあり、驚きました。これほどの傑作は、共産主義に批判的だからこその着眼点だから生まれたと私は考えたからです。ただ確かに、現代でも、つまり資本主義にも当てはまる問題点を指摘しています。 例えば、自分で考えることができず、権力者の言いなりになってしまう民衆の愚かさ、おかしいことに薄々気づいても行動を起こさない知識人(アナーキーと言ってもいいかも)の描写は、共産主義と資本主義を超えた普遍的な問題であると思います。 また、ポピュリストがもてはやされている現代でも通じるものがあるように思えます。思想の対立だけでなく、時間の対立(例、世代間で生じる価値観の相違)さえもものともしない、とても鋭い問題提起だと感じました。 「1984」を読んでも思いましたが、これほど現代への解像度の高い話を、なぜ80年前の1940年代で描くことができたのか。オーウェルの慧眼には本当に驚かされます。

Posted byブクログ

2024/10/23

『1984』で有名なSF作家ジョージ・オーウェル。 1945年にベストセラーとなった『動物農場』の日本語再訳、2023年初版。 カンタン・グレバン/絵 表情豊かな動物がリアルで可愛くもあり不気味でもある。多色が美しい。 金原瑞人/訳 流行語を使用せずに、いつも難しすぎず読みやす...

『1984』で有名なSF作家ジョージ・オーウェル。 1945年にベストセラーとなった『動物農場』の日本語再訳、2023年初版。 カンタン・グレバン/絵 表情豊かな動物がリアルで可愛くもあり不気味でもある。多色が美しい。 金原瑞人/訳 流行語を使用せずに、いつも難しすぎず読みやすい。 ソビエト連邦が誕生したいわゆる[ロシア革命]の指導者レーニンを風刺した作品と言われている。ロシアの農場の人たちは昔からこの作品を読んでいるはずだが……。日本も同じか。

Posted byブクログ

2024/09/17

豚の狡猾さもひどいのですが、他の動物たちがあまりに簡単に誤魔化され、騙されていく様子が印象に残ります。 この本では人間と動物と言う分かりやすい対立になっていますが、実際の世の中には同じ人間しかいません。 資本主義でも共産主義でもほとんどの多くの人にとってどちらもただ搾取される...

豚の狡猾さもひどいのですが、他の動物たちがあまりに簡単に誤魔化され、騙されていく様子が印象に残ります。 この本では人間と動物と言う分かりやすい対立になっていますが、実際の世の中には同じ人間しかいません。 資本主義でも共産主義でもほとんどの多くの人にとってどちらもただ搾取されるだけ、我々は平等を目指していても何かと対立しなければ存在できないなど、この物語が示唆する事は身も蓋もない現実なのでしょうか? 我々人間はこの動物たちよりも賢いと信じたいですね。

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2024/05/24
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

話が進むにつれ悪いほうに展開していく。 きっとスノーボールが戻ってきてくれる!と期待をして読んだが戻ってこなかった。 スノーボールや豚だけに頼っていてはいけなかったか。しかしみんながみんな賢くはないわけで。 現実に対する皮肉たっぷりなお話。 読みながら、口だけのキーキーに腹を立てていました。 ボクサーにもっと良い指導者がいたらなあ…最期が辛い。 いざという時に自分は豚や犬のような人たちに屈せずにいられるだろうか。

Posted byブクログ

2024/04/19

地元の図書館のおすすめ本にあったので読んでみました 『1984』は途中で読むのやめてしまったのですが、 こちらは挿絵の良さもあって読了! ソ連の成り立ちとその崩壊間際までを擬動物化?した物語風にしてます 新訳版は少し登場人物の名前に変更があるみたい 理想があったはずなのに権力を手...

地元の図書館のおすすめ本にあったので読んでみました 『1984』は途中で読むのやめてしまったのですが、 こちらは挿絵の良さもあって読了! ソ連の成り立ちとその崩壊間際までを擬動物化?した物語風にしてます 新訳版は少し登場人物の名前に変更があるみたい 理想があったはずなのに権力を手にしたら元の理想とはかけ離れた姿に変化していく豚の不気味さ、 少しずつの変化には被支配者は気づきにくい、あるいは気づこうとしないことの愚かさ(これは自戒にもなった)など 普遍的なテーマを扱ってると思います 最後に、素敵なイラストの中には有名絵画のパロディーも多数あるので それを探しながら読むのも楽しいですよ

Posted byブクログ

2024/03/07
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「ディストピアもの」として紹介されていたので気になって読んだ。絵がかわいいし内容も面白いと思うと同時に、豚に徐々に支配されていくゾクゾクする恐さがある。 人間が管理する農場で、待遇を不満に思った動物たちが反乱を起こし、人間を追い出すことに成功する。その後は比較的頭がよかった豚が中心になって動物たちだけで農場を運営していくが、最初に掲げられた「動物主義」の7つの掟に徐々に豚たちに有利な変更が加えられていき……という感じ。 ロシア革命とソビエト連邦をモデルにした寓話。それぞれのキャラクターにもスターリン、トロツキーなどモデルがある。 訳者の解説部分にある『資本主義社会のなかでもこういうことは起こりうるということを書きたかったのだと思います』という推察が、きっとその通りだと思うし、現に今いろいろな国でその様子がうかがえる。 ボクサーが馬肉業者の馬車に連れ去られるシーンはすごく嫌な気分になる。

Posted byブクログ